小説「老人と海」の舞台となった港町、コヒマル。作者のヘミングウェイが足繁く通ったレストランで、彼が好んで注文したダイキリ、通称「パパ・ダイキリ」を飲んできました。
こんにちは。甘い酒より甘くない酒をクールに飲みこなしたい系呑んべいの旅人カイです。
今回はキューバ・ハバナから、アメリカ人小説家ヘミングウェイが愛した砂糖なしのフローズン・ダイキリを、彼の代表作「老人と海」の舞台となった町コヒマルで飲んできたので、町の様子とともにレポートします。
小説「老人と海」の舞台の街、コヒマル
ハバナの中心街からバスに乗って約30分。ハバナの東、約10kmに位置するのが小さな港町コヒマル。
ここは、アメリカ人小説家アーネスト・ヘミングウェイが小説「老人と海」を書き上げた場所であり、その小説の世界観や小説中の町の雰囲気もこのコヒマルから着想を得て書かれたと言われている場所です。
ハバナの喧騒を抜けてバスに揺られて降り立った先は、まさに「老人と海」のような少し裏寂れた静かで小さな町でした。
メインストリートを進んでいくと海に行き当たりました。要塞跡がぽつんとあり、少し寂しささえ感じる素朴な景色が広がっていました。
小説中の老人のように手漕ぎボートに乗って釣りをしている人もちらほら。桟橋がいい味を出しています。水はけして綺麗とは言い難いものでした。
釣り好きだったヘミングウェイの銅像が海を望むように立っていました。彼もこのコヒマルの海で愛艇ピラール号に乗って釣りをしていたそうです。
少し寂しささえ感じてしまうコヒマルですが、まさに「老人の海」のイメージとぴったり。これはこれでとても素敵だなと感じました。
観光客も思っていたよりも少なく、地元の人が海辺で静かに談笑しているのを見るのも、ハバナの中心地を観光するのとはまた別の面白さがありました。
ヘミングウェイが足繁く通ったレストラン「La Terraza de Cojimar 」
要塞跡とヘミングウェイの銅像を跡にしてメインストリートを南にいくと、ヘミングウェイが足繁く通ったレストラン「La Terraza de Cojimar (ラ テラサ デ コヒマル)」があります。鮮やかな青と白のストライブが目印。
La Terraza de Cojimar
向かいのギャラリーにはヘミングウェイとカジキマグロが描かれた絵がありました。
店内へ
店内は落ち着いた雰囲気で、いたるところにヘミングウェイと「老人と海」にちなんだイラストや写真が飾られていました。
窓からは海を望むことができ、潮風がとても心地よかったです。コヒマルの町はとても暑く、海沿いはとくに日差しも強いので、散策の途中に一息休憩するにはちょうどいいなと思いました。
店の奥にはヘミングウェイが実際に座っていた席がそのまま保存されていました。いまは一般客は座ることができません。店員さん曰く「いつでもヘミングウェイように空けてあるのさ」とのことです。
ヘミングウェイが愛した、砂糖なしフローズン・ダイキリをいただく
このla Terraza では、ヘミングウェイが好んで注文したカクテルであるダイキリを、ヘミングウェイが注文した通りの作り方でいただくことができます。
ダイキリ(スペイン語: Daiquiri)とは、ラムをベースとするショートドリンクである。ラムを使用したカクテルの代表格。キューバの「ダイキリ」という鉱山で働いていたアメリカ人技師が、灼熱の地で清涼感を求めてキューバの特産物であるラムにライム・砂糖・氷を入れて作ったのが始まりとされている。参照:Wikipedia「ダイキリ」
まずはカウンターに座って注文します。ダイキリをオーダーすると、「Normal o Papa・Daiquiri ?」(普通の?それともパパ・ダイキリ?)と聞かれました。
キューバでは、ヘミングウェイが愛したフローズン・ダイキリは特別に「パパ・ダイキリ」と呼ばれ、普通のダイキリとは作り方が少し違っているようです。
張り切って「パパ・ダイキリ」をお願いしました!
ヘミングウェイ仕様のダイキリ「パパ・ダイキリ」の作り方
まずはシェーカーに氷、ラム酒、レモン汁とマラスキーノと呼ばれるサクランボを原料としたリキュールを加えます。普通のダイキリと違って砂糖を入れないのがヘミングウェイ流。写真は左が実際に使ったラム、真ん中がマラスキーノ。
シェイクしたあと、氷を砕いていきます。バーテンダーさんがどこまでもダンディ。
シェーカーから出てきたのはなめらかな白いカクテル。暑い中歩き回ったカラカラな喉にぴったりそうな見た目をしています。
これで完成かと思ったら、さらにその上からラムをたっぷりと。ラムをダブルで作るのも、パパ・ダイキリの特徴なのだとか。
レモンとミントをさして、完成。見た目からして清涼感たっぷりです。
ヘミングウェイが愛したダイキリ、そのお味は…
ラムをダブルで使っているだけあり、ラムの匂いと味もしっかり効いていて、チビチビと飲むのがちょうどよかったです。勢い良く煽るとすぐ酔っ払ってしまいそうでした。
バーテンダーさんが教えてくれたのですが、このレストランは1925年に始まり、今年(訪れた当時は2016年)で創業91年とのこと。その間にヘミングウェイを始め多くの地元民や著名人に愛されてきたそうです。
海風が通る中、カウンターで飲むフローズン・ダイキリはとても心地よく、歩き回って火照った身体に沁み渡りました。
そんな歴史あるレストランで、偉大な小説家が飲んだものと同じカクテルを飲んでいると、なんだか自分が彼らの時代にいるような感覚に陥るから不思議です…。
海風に吹かれながら少し酔っ払ってしまった筆者でした。笑
ハバナだけじゃない。キューバに来たら是非足を伸ばしてほしいコヒマル
キューバ・ハバナの街からバスで一本、簡単に来ることができる街・コヒマル。
ハバナの都会的で、ツーリスティックな雰囲気に少し疲れた旅人は是非、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
素朴で穏やかなキューバ人の生活をすぐそこに見ることができ、また違ったハバナの一面を感じることができるでしょう。
そして、歩き回って疲れたらラ・テラサに寄って、パパ・ダイキリを飲みながら海を眺めてみましょう。ラムが香るカクテルと共に小説の世界に思いを馳せてみるのもまた、乙な楽しみ方ではないでしょうか。
キューバ・ハバナ郊外にある小さな港町・コヒマル。キューバ旅行の際に是非、訪れてみてください。
以上、キューバよりカイでした!
カイリカコ
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