サッカーをする北朝鮮の子供達。北朝鮮と国境を接する中国吉林省・図們(ともん)市の観光スポット「日光山」からは、北朝鮮の日常が垣間見えました。
こんにちは、タケオトラベラーを運営しているたけちゃんです!
中国の遼寧省と吉林省は、北朝鮮と国境を接しています。中国側の国境都市として遼寧省丹東市が知られていますが、もう一つの国境都市である吉林省図們市から北朝鮮の街を一望できるスポットが存在します。
今回は、中国の吉林省図們市で、北朝鮮・南陽の街を望めることができる日光山という山をご紹介したいと思います。
吉林省・図們市
図們市(ともんし)は中華人民共和国・吉林省・延辺朝鮮族自治州に位置する県級市。人口13.6万人中、半数以上が朝鮮族。図們江(두만강/豆満江)を隔てて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と接する国境の町。脱北者の密入国も多い。参照:Wikipedia「図們市」
図們市までのルートは、関西国際空港から延吉(中国・北京か韓国・仁川を経由)。延吉からは鉄道又はバスで行くのが便利です。
僕は延吉駅から列車に乗り、図們駅を目指すことにしました。座席の種類は空調付き硬座で運賃は9元(約130円)でした。
こちらは延吉駅の駅舎。なお、図們市や延吉市が属する延辺朝鮮族自治州(※)の主要施設や店では、漢字とハングルが併記されています。
延辺朝鮮族自治州(えんぺん ちょうせんぞく じちしゅう)は、中華人民共和国吉林省に位置する朝鮮族の自治州。様々な場所で漢字とハングルが併用されている。地元での表記(延辺朝鮮語:연변)は、北朝鮮と同様である。参照:Wikipedia「延辺朝鮮族自治州」
こちらは図們駅行き列車の車内。車内では、中国の歌やJ-POPの中国語カバーらしき曲が流れていて、面白いひと時でした。
図們駅から日光山へは、図們市バスの8番バスで、終点の日光山停留所まで乗れば行き着くことができます。
(運賃:1元/15円)
こちらが日光山の麓。正式には日光山森林公園といい、無料で入ることができます。
日光山の麓にある階段を使って「南阳亭」という展望台を目指し登って行くと…
南阳亭の眼下には図們江(朝鮮語:豆満江)と南陽の街が、遮られることなくくっきりと見えました!
ちなみに、中国・図們(写真左側)に目を移してみると、北朝鮮の南陽とは規模が比べ物にならない程大きく、マンション等の高い建物が密集していることがわかります。
北朝鮮の南陽について、Wikipediaにはこうありました。
南陽労働者区(ナミャンろうどうしゃく/남양로동자구)は、北朝鮮の穏城郡に属する労働者区。豆満江を隔てて中華人民共和国・延辺朝鮮族自治州・図們市と接する国境の街。半径5km以内の推定人口は約6万5千人。参照:Wikipedia「南陽労働者区」
…しかし実際にはどんな様子なのか、ズームして撮影してみることにしました!
先ずは、北朝鮮の家屋と(小さくてわかりずらいですが)街を歩く国民の様子です。家屋の外観は、韓国・ソウルの所々にまだ残っている家屋密集地を思い起こさせます。
次に鉄道駅である南陽駅の駅舎(写真中央に見える高い建物)です。南陽駅駅舎の中央上部には、故金日成主席や故金正日総書記の肖像画が掲げられているのを確認できました。
最後に学校を見てみます。学校のグラウンドでは、サッカーをする生徒たちの姿を見ることができました。
彼らの無邪気に遊ぶ姿を見て、いつか朝鮮語で彼らと他愛のない話をしてみたいな…と思いました。
普段見ることのできない北朝鮮の街の姿を目に焼き付けようと、20分くらいずっと「南阳亭」にいたのですが、そこで気になったのが、同じく北朝鮮の街を見つめる中国人の様子でした。
北朝鮮の南陽を眺めていた中国人の後ろ姿からは、どことなく物珍しそうに眺めている雰囲気が漂っていました。写真は北朝鮮の南陽を子供に見せていた中国人の両親。
中国は北朝鮮と外交関係を結んでいる国ですし、ましてや図們は北朝鮮と国境を接しているのですが、幾ら国境を接していても、情報が殆ど入って来ない国に対しては「近くて遠い国」という存在になってしまうのかな…と考えさせられたのでした。
僕は以前、韓国からの板門店ツアーに参加したことがありますし、テレビや新聞等で丹東の様子も見ていましたが、図們からここまではっきりと北朝鮮の街を見ることができるとは思いませんでした。
自分の目で北朝鮮の日常を垣間見たいなら、図們の日光山はおすすめです。
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