「外国人の子供」を生まれて初めて見たラフ・シ族の村長が、息子たちに言った一言は、ちょっと斜め上いってました。笑 ミャンマー・チャイントンの山岳民族「ラフ・シ族」と、我が家のちびっこバックパッカー達との交流のお話です。
秘境の村でエイリアンになった息子たち
こんにちは、めとめです。「ちびっこバックパッカーズが行く!」も連載第7回目(バックナンバーはこちら)となりました。今回は、ミャンマー・チャイントンの山岳民族「ラフ・シ族」の村を尋ねました。
チャイントンの街から車で1時間かけて山の麓へむかい、さらにそこから約3時間のトレッキングで向かったラフ・シ族の村。ラフ・シ族の村では、初めて外国人を見るラフ・シ族の子供達に「外国人の子供だ!」ともてはやされる息子たち…。秘境ならではのハプニングも乗り越え、まるでエイリアンにでもなったかのようなエキサイティングな体験でした…!
ラフ・シ族とは
東南アジアに暮らす少数民族グループの1つ。中国・雲南省に45万人、ミャンマーに15万人、タイに10万人、ラオスに1万人、ベトナム、1500人が暮らしている。ラフ・シ族は、ラフ族のサブグループの内の1つ。Wikipedia ラフ族 / Lahu people 参照。
山で暮らし、暦を持たず、電気もガスも水道もない極めてプリミティブな暮らしをしています。学校も病院もお店もなく、一度も山を降りることなく生涯を終える人も多いようです。また、山の中に村を作るので、土地の状態が悪くなったら4〜6年に1回のペースで村ごと引越しをするそうです。
ラフ・シ族の村に向かうため、まずはチャイントンへ
アクセスは2通り
1:タチレク → チャイントンまでは陸路で3時間半(ガイドと共にバスなどを利用)
2:ヤンゴン → 数ヶ所経由 → チャイントン(飛行機/ミャンマー国内線/大人片道130-140ドル)※ヤンゴンからの長距離バスは、2016年現在は外国人は利用できないようです。
私達は飛行機を利用しました。何社か飛んでいますが欠航も多いので要確認です。
古そうなプロペラ機のイラストに手書きのチケット…。子供たちは「これ落ちないよね!?」とものすごく不安そうでした。笑
まるでバスのように経由地で人が乗り降りし、その度に出てくる機内食を食べつつ過ごすこと約4時間でチャイントンに到着しました。
ちなみにこれが空港の入り口…まるで家の門です。セキュリティも何もあったもんじゃありません…ゆるゆるでした。笑
ラフ・シ族の村までの特殊なアクセス方法
チャイントンからは車で1時間移動し、さらに3時間程のトレッキングでラフ・シ族の村まで向かいます。ただし、ラフ・シ族の村に行くには、英語とビルマ語の他に少数民族の言葉を話す専用ガイドの同行が必要となります。
専用ガイドについては、日本から連絡を取り合い雇っておくことも可能です。チャイントンのホテルで尋ねる事もできますが、出払っている場合が結構あるようです。
トレッキングの前日にチャイントンの街で専門ガイドと落ち合い、どのような予定で登るかを確認します。未舗装のぬかるんだ山道を、大人の足で約3時間かかるトレッキングで向かいます。
トレッキングのスタート地点までは車で1時間
トレッキング当日の朝は、専門ガイドさんと共に、チャイントンの朝市でお昼ご飯とラフ・シ族の子供たちへのお土産(飴やビスケット)を買いました。
専門ガイドさんが用意してくれるバンで激しい凸凹道をゆっくり走り続けること1時間、まずはトレッキングの麓の村に到着です。
ラフ・シ族の村まで3時間半のトレッキング!
ぬかるんだ急な山道を登ります…!
トレッキングの途中で通過するいくつかの村で「外国人が来た!子供がいる!」と大騒ぎされつつ、ひたすらラフ・シ族の村を目指します…
くじけそうな子供たちをなんとか励ましつつトレッキングすること3時間半、ついにラフ・シ族の村の門が見えてきました。ここをくぐれば到着です…!
ついに到着!
いざラフ・シ族の村の中へ!
村の中は雑然とした感じ…。作っている途中の家や、今にも壊れそうな家など、いろんなタイプの家が混在していました。鶏、豚、犬、バッファローなどもそこら中にいました。
男性たちは農作業と刀を作る作業で出払っていたようで、村には女性と子供たちだけでした。
もはやエイリアン扱いの息子たち
「今までどこにいたの?」って聞きたくなるくらいの大量のラフ・シ族の子供たちが、ワラワラと息子たちのところに集まってきます。あっという間に囲まれて、ずっとジロジロ見られていました。
どこに移動しても、ものすごい勢いで追いかけてきて、結局、囲まれます。
そこで、専門ガイドさんから教わったラフ・シ族の言葉で子供たちが挨拶すると、みんな嬉しそうに見つめ返してきます。
でもやっぱり見られすぎて、もうどうしたらいいのかわからなくなった息子たちは、落ちてる木とか拾いだす始末…。
そんな時、専門ガイドさんが「買ってきたお土産のおやつを配ろう!」と言ってくれたので、子供たちの手から一人ずつおやつを渡していきました。その間もひたすら見つめられてました。笑
…もはやエイリアン扱いですね。笑
村長宅で団らん中にハプニングが…
ラフ・シ族の村長宅でごはんをいただくことに。村長は留守だったものの、村長の家族に見守られながら、私達の持参したごはんと、村人達から頂いたごはんを食べます。食事中ももちろんずっと見られています。笑
食後には、村長宅の手作りブランコで村の子供たちと遊び、楽しそうにしていました。と、その時…
「うんち、でそう…」
長男・渉がそういうではありませんか、まあ食後の子供にはよくあることです。でもここはラフ・シ族の村、トイレはありません。
ラフ・シ族の方に「外でしていいよ!」と言われ外に行くも、いざしようと決めてパンツを脱いでは村の子供たちに見つかり、案の定見つめられます。
「恥ずかしくてできない!」を連呼し「もう下山するまで我慢する!」とは言ったものの、「やっぱりもうもれるー!」と豚さんの近くへ走って行き、隠れて用を足し始めました。
その頃、ラフ・シ族の子供達は「渉どこ行ったんだろう?」とキョロキョロ探し回っています。
「見つかる前に出し切る!」と意気込んだその瞬間、お尻に向かって左から犬、右から鶏が来ました。「もしかして、うんちを食べるの?」と不安になってきた長男・渉は、今までにない速さで気張って出し切っていました。
「お友達に見られなくてよかったー♡」と言ってましたが、母は気づいてました。高床式の家の反対側から、ラフ・シ族の子供達がじっと見ていたことに…!
村長さんが息子たちにまさかの一言
ハプニングも無事(?)解決し、そろそろ下山しようかという頃に、村長さんができたての刀を見せに来てくれました。そして息子たちを見てびっくりしてこう言ったのです…
「外国人の子供見たの、初めて!」
どうやらラフ・シ族の村の方々、外国人の子供に会ったことがなかったみたいです。「だから息子たちを見てエイリアンを見たかのような反応だったのか!」と、最後の最後で納得しました。
人生初の外国人の子供を見て興奮したラフ・シ族の村長は、「君たちはこの村のパイオニアだよ!今ちょうど刀作ってきたし、ここ切ってみて!」と息子たちに言うではありませんか。
もてはやされた息子たちは、よくわからないまま刀で木の柱を盛大に切らせてもらっていましたが、よく見ると誰かの家でした…笑 家が倒れてないことを祈るばかりです。
エイリアンになれたのもいい思い出
午後3時、手を振ってくれる村の人たちとさよならをし、午後5時過ぎに麓の村に無事到着しました。
合計約6時間に及ぶトレッキングを含め、大人にも子供にとっても、ものすごくチャレンジングな体験でしたが、ラフ・シ族の村でエイリアンになれたことを光栄に思いながら、早速筋肉痛が始まった脚を引きずりつつ、みんなで泥のように眠ったのでした。
めとめ
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