ロンプラもお手上げ…。インドネシアのナゾの国立公園で見たもの

2016.04.15 10:27 
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国立公園なのに、現地の人に「なにそれ?」と返されてしまうインドネシアのスラウェシ島にあるボガニ・ナニ・ウォルタボネ国立公園。着いたら着いたで、客が来た!と驚かれる始末。どんな場所なのでしょうか?

 

ボガニ・ナニ・ウォルタボネ国立公園?どこそれ?

こんにちは、世界新聞編集部の武重です。インドネシアのスラウェシ島を旅していたときのことです。

「このあたりに何があるのかな?」とロンリープラネット(世界的ガイドブック)を開いてみて、ボガニ・ナニ・ウォルタボネ国立公園を見つけました。

ガイドブックを見ると、なんと……

 

「情報は現地で聞いてください」

 

さっそく宿の主人に聞いてみると、「なにそれ?」と返される。地図を見せてもピンとこない。

結局、現地の国立公園管理事務局のような事務所に行き、ようやくアクセス方法が分かりました。

 

アクセス
ゴロンタロという大きな街があるので、そこからコタモバグまで、乗合タクシーで8時間。
コタモバグからドルドゥオ(Doruduo)という場所まで、乗合タクシーで2時間。
ドルドゥオからWisma Bina Cinta Alam Torautという場所までバイクタクシーで送ってもらおう。この場所が国立公園にひとつの宿泊施設です。
詳細はこちら

 

客?料金?知らないよ!

宿泊施設に到着すると、ロッジ的な建物があります。しっかりした建物で安心しました。写真奥は子どもと打ち解けてチャンバラごっこをするわたしです。

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宿のオーナーらしき人を探して声をかけます。

 

「泊まりたいんですけど」
「え!?」
「いくらですか?」
「ちょっとまって本部に聞くから」

 

なんと、料金を知らない。本部に聞いた結果1泊800円ほど。食事は200円弱。インドネシアにしては高いですね。

 

国立公園に家族経営のステキな宿

住み込みの家族がいて、彼らがすべての管理をしています。料理も彼らが作ってくれるのです。

 

鶏肉を甘辛ソースに絡めた、中華料理的なメインディッシュもうまいし、副菜の野菜もケチらないボリュームで、食べきれないほど!

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インドネシアで1番おいしかった料理です。特にスラウェシ島では、ここの料理の3割のレベルに達する料理に出会うこともないほど。

 

めったにこないであろう外国人が珍しいのか、村人が宿に集まります。

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特に子どもは3秒でなつきました。なつきすぎて、離れていかないほど。

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未開のジャングルトレックへ

「せっかく来たんだから、トレッキングとかできない?」と主人に聞くと「ぼくがガイドをしよう」と言って、半日ほどのトレッキングに連れて行ってくれました。

 

なんと、スタートがイカダです。ぼくらはイカダに乗せてもらい、主人が引っ張ります。ありがたい。

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慣れた足取りで主人は進んでいきますが、わたしたちには道が分からない。道があるのかどうかも分からない。そんな場所です。

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熱帯の植物がわんさかと生えています。

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こういう葉っぱをかき分けながら歩くような体験は新鮮。

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1時間ほど歩くと、滝壺に出ました!

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「ぼくもここが好きなんだ!」

 

主人はポケットから使い捨てシャンプーを出して、ジャブジャブと髪を洗い始めます。

「(それって、自然に悪いやつでしょ?)」とわたしたちは目を合わせますが、あまりに気持ちよさそうな顔に、なにも言えず。というか、これだけ人が来ない場所だと、あんまり影響ないのかな? そう思うことにします。

 

髪は洗わないまでも、久々の浸かれる水。飛び込んでしまいました。インドネシアではシャワーもなくて、バケツに水を汲んで身体を洗う場所が多いので、本当に気持ちよかったです。

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主人はココナッツ採りの名人

帰り道、見上げると実がたっぷりとついたココナッツ! うまそーとつぶやくと、主人が「ちょっと待ってな」と木にしがみつきます

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「えー!」と驚く間もなく、スルスルと登り、2つのココナッツをゲット。

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おいしく頂きました。

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マイナーならではの楽しさ

国立公園にやってきたというのに、家族経営のステキな民泊でもしているような、体験でした。

発展途上国の観光地として定着していない場所には、こういう楽しさがあるからやめられないですね。とはいえ情報がなさ過ぎて大変ですけど…。

 


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「何かを作る」というのが大好きで、いつの間にか小説を書くようになる(雑誌【大衆文芸】にて掲載)。世界一周を夢見てコツコツと貯金をし、30歳になりようやく出発。武者修行も兼ね、旅をしながら小説を書くスタイルに落ち着いた。 旅の様子は婚前世界放浪記で公開中。 小説:父の筆跡・秋明菊の花びら、ほか

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