メキシコシティーにある伝説の日本人宿「ペンションアミーゴ」。その中庭にある大壁画には、宿の歴史にまつわる秘密があったのです…。
情報ノートならぬ情報壁画
お酒と音楽とおねーさんが好物のアラフォーバックパッカーナシオです。
現在中南米を南下するルートを予定していますが、旅の情報収集もかねてメキシコシティーの日本人宿「ペンションアミーゴ」にやってきました。その中庭にあった…巨大な壁画。読み解くと、そこには宿の歴史がつまっていました。
「ぺんしょんあみーご」とあります(写真右下)
ペンションアミーゴ
アクセス:地下鉄「レボルシオン」駅すぐ。ドミトリー1泊120ペソ(780円)、個室1泊240ペソ(1560円)。(2016年3月の時点)
日本人宿と言えば「情報ノート」。旅の先輩方が記してくれた貴重な旅の情報が沢山載っています。
インターネットでは探しきれない、旅人たちによるコアな情報が書かれていたりする貴重な情報源です。情報ノートに限らず、比較的外国語が苦手な日本人でも言葉の壁なく情報交換ができるのが日本人宿の利点ではないでしょうか。
壁画はメキシコの画家の模倣
チェックインしてまず驚いたのは、中庭の壁面に描かれた壁画でした。
…実はこの壁画、メキシコ人画家ディエゴ・リベラの壁画「アラメダ公園の日曜の午後の夢」を模倣したものだそうです。
幅15m高さ4mに及ぶこの壁画はメキシコの歴史の上で重要な人物が描かれた作品で、ペンションアミーゴから徒歩15分ほどのディエゴ・リベラ壁画館で見る事ができます。
大壁画の「愛にあふれた」秘密
10年ほど前に3か月かけて描かれた手のこんだ壁画…細かく見ていくと、宿の歴史だけではなく愛も感じることが出来たので、本物と比較しつつ紹介します。
こちらは本物の壁画。画面右の骸骨を囲む3人(骸骨右の男性、骸骨左の女性、骸骨左から2人目の少年)に注目していただきたい…
こちらが宿の模倣壁画!オーナーとその息子兄弟2人の3人が描かれてるのですが、左から順番に、「宿のオーナーの息子1」「宿のオーナー」「宿のオーナーの息子2」が描かれています。
ちなみに麦わら帽子をかぶってパンをかじっている少年(写真中央)がこの壁画の作者だそうです。
…オーナーファミリーへの愛を感じさせてくれます。というか作者の方は今はどうされているのでしょうか、一度お会いしてみたいものです。
宿の食堂には、Tさんの手書き地図(通称:伝説のTマップ)が貼られていました。
…Tさんの地図はかなり詳細で、中南米各地のバージョンがあるそうです。日本人宿ならでは…!
オーナーの息子さんに話を聞きながら壁画をみていたのですが、写真中央に描かれた方にまつわるお話が一番印象的でした。
沢山の勲章をつけた人、彼はKさんと言ってもう亡くなってしまったんだけれど、他の人より表情が素敵に見えるでしょ?僕は彼の魂がここに入ってるからそう見えると思うんだ。
…僕から見てもKさんの顔は活き活きとした表情で一際目立つ印象を受けました。お酒の好きな方だったそうです。
日本人宿で感じた歴史と尊敬
日本人宿と言うと独特な空気感で苦手な方も居るかと思われますが、そこに集い、多くの情報や素敵なアートを残してくれた先輩バックパッカー達に畏敬の念を感じずにはいられませんでした。
…以上メキシコシティーよりナシオがお伝えしました。
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