モンゴルがミルクティー大国だということが判明

2015.12.09 10:37 
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羊肉生活で疲れた胃を癒してくれたのはモンゴル式のミルクティー・スーテーツァイでした。しかし、このミルクティー、日本とは全く別ものでして……。

 

編集部の武重です。

近いのに、どういうわけか日本人が行かない国、モンゴル

そんなモンゴルがじつはミルクティー大国だったというお話です。

 

モンゴルへは週3で直行便がある

モンゴル民族の居住地域であるモンゴル高原のうち、清国支配下において中国語で外蒙古(がいもうこ、そともうこ)と呼ばれたゴビ砂漠以北の一帯にほぼ該当する領域を国土とする。

日本からモンゴルにはMIATモンゴル航空が週3回直行便を運行しています。詳しいスケジュールはこちら

 

モンゴル人は羊肉でできている?

モンゴルはお世辞にも食が豊富な国ではありません。ロシア、中国、と食文化が豊富な国に挟まれながら、砂漠だらけの不毛な土地のせいか、野菜が少なく、もっぱら羊肉と小麦粉です。

カジュアルなレストランに行くと、どこもメニューは同じ。あるのは焼きそば的な料理、スープ麺的な料理、ご飯が付いた定食的な料理で、具材はどれも羊肉がメイン。どれもおいしいのですが、とにかく全部羊肉だから飽きる。そして野菜が少ない。

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日本人にとって羊肉というのは “たまに食べるとおいしい料理” であって、毎日の食事としてはちょっとヘビー。「それじゃ自炊だ!」と市場に行くと、ちゃんと野菜があるのですが……

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価格が高い。中国からの輸入品が多いようです。そして、首都ウランバートルだからこうして野菜がありますが、田舎に行くと雑貨屋さんの隅っこにタマネギと芋があるくらいで、お目にかかることも難しいのが現実のようです。

 

それに比べて、肉の売り場は活気があること!

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大勢の従業員が休むことなく肉を切る、切る、切る。充満する血肉の臭いで、モワッとむせかえります。

モンゴル人は羊肉で生きていると言われますが、肉片ひとつ残しません。日本人が米粒ひとつ残さないのと同じなのでしょう。

 

救世主はモンゴル式ミルクティー「ツァイ」

毎日羊肉を食べていると、1週間ほどで胃が疲れてきました。

そんな頃、縁あって草原の中で暮らす人の家に滞在することに……道路も、水道も、電気もなく、食べるものと言えば、やっぱり小麦粉と羊肉……。

「田舎に来てもやっぱりそうなのか……」

 

うなだれていると、家主が「これを飲め」とコップを差し出します。クリームがかった乳白色で、表面に油が浮いています。飲んでみると……

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ミルクティー……だけどしょっぱい。

予想外の味だけど……、ああ胃が休まる!独特のバターの香り、紅茶の香ばしさ、濃厚なミルクの味。紅茶で味付けしたスープだと思うとイメージしやすいかもしれません。

これはスーテーツァイと呼ばれ、作り方は家庭により様々で、この家では少しバターを入れています。

 

ヤクのミルクでつくるミルクティー

さすがモンゴル!と思うのはミルクのバリエーション。日本なら当然牛乳を思い浮かべることでしょうが、モンゴルでは牛・羊・ヤク(毛の生えた牛のような動物)のミルクを使います。

この家ではヤクのミルク。入れるバターだってヤクのミルクから作ったものです。しかも飼っているヤクから毎日絞ります! 

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乳搾りがヘタなぼくは運ぶだけ。

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どこでも、誰にでもツァイ

このヤクのミルクでたっぷりとスーテーツァイを作り、魔法瓶にためておきます。そして、お客さんが来たら振る舞います。水が貴重なモンゴルでは、大事な水分補給です。

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ぼくらのような外国人でも人の家に行けば必ずスーテーツァイを出してくれます。

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また乗馬ツアーの休憩でも、ガイドがインスタントなスーテーツァイを作ってくれました。

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インスタントに作るときはパックの紅茶に粉ミルクと塩を放り込むだけ。試しに「ミルク抜きで飲まないの?」と訊ねると、「意味が分からない」と首を傾げる始末。

モンゴル人と行動を共にすると、本当に1日中飲んでいます。インドのチャイみたいな立ち位置です。

 

ただ旅していたら出会えない家庭の味

メニューが読めないので知りませんでしたが、どのレストランでも出しています。店によってバターが多いところ、しょっぱいところ、薄いところ、個性があっておもしろいものです。

ただ観光地を回って旅していたら知ることができなかった、モンゴルの味でした。

みなさまもモンゴルへ行った際には「スーテーツァイ」を飲んでみてください。

 

 


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「何かを作る」というのが大好きで、いつの間にか小説を書くようになる(雑誌【大衆文芸】にて掲載)。世界一周を夢見てコツコツと貯金をし、30歳になりようやく出発。武者修行も兼ね、旅をしながら小説を書くスタイルに落ち着いた。 旅の様子は婚前世界放浪記で公開中。 小説:父の筆跡・秋明菊の花びら、ほか

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