みなさん、こんにちは!連載・みんなのあさごはん!の水島早苗です。
私は帰国後、ウィーンスタイルのカフェを作ろうと計画中です。そこでウィーンでのカフェ修行の模様を4回にわたってお届けしています。今回は3回目。カフェの視察編です!
第1回 カフェ志望のわたしが「ウィーンの森」に住む夫婦をふたたび訪ねた理由
第2回 カフェ志望のわたしが、ウィーンの「医者」のもとで1ヶ月でケーキを30種作った話
ウィーンのコーヒー文化は「和食」と並んでユネスコの無形文化遺産に登録されています。コーヒーハウスの多くは一流ホテルの喫茶店のような雰囲気です。シャンデリアがあり、華やかでキラキラしています。写真はカフェ・ワイマールというコーヒーハウス。
カフェとは呼ばずコーヒーハウスと呼ぶのは、ウィーンの人々にとって、ふらりと気軽に入って仲間と話を楽しんだり、読書をしたり、それぞれが好きなように過ごす、まさに「リビング」のような存在だからです。コーヒー1杯で何時間も入り浸っても全く問題ありません。
ウィーンのコーヒーハウスの特徴のひとつに、室内を窓などを通して明るく保っているというものがあります。これはウィーンのコーヒー文化では非常に重要なポイントでもあるのですが、「リビング」だと思えば、当然かもしれませんね。
ほとんどのコーヒーハウスはオーストリア全国のものと外国の新聞の一部を毎朝揃えています。
しかし、華やかなコーヒーハウスの内装には圧倒されましたが、どうも私には落ち着きません。私はこういう雰囲気のカフェを作りたいわけじゃない・・・。これだけの内装を維持しようとするとコストが嵩むでしょう。
こちらはカフェ・デーメルという古き良きコーヒーハウスで、ザッハートルテ発祥の店、ホテル・ザッハーと並んでザッハートルテで有名なお店です。ここで食べたケーキとコーヒー・メランジュは1300円(2015年4月当時)。値段が高いのもネックです。
そんな中、ウィーンでは若い人たちを中心に新しいカフェが次々とオープンしています。昔ながらのコーヒーハウスの良いところは受け継ぎ、新しい形でウィーンのコーヒー文化を発展させよう!そういうポリシーを同じくしているカフェがインデペンデントカフェというコミュニティーを作っています。これに参加するカフェを巡って自分の作りたいカフェの雰囲気を探ることにしました。
@カフェ・ファブリーク
多くのお店でwifiが利用でき、パソコン作業をしているお客さんを多く見かけました。レポート作成に励んでいる学生さんや、コーヒー休憩に立ち寄ったついでに会議の続きをしている会社勤めの人々、待ち合わせに使うなどなど、お客さんによって使い方はさまざまです。こういったカフェの使われ方は良いですね!もちろん、コーヒーハウスと同じようにコーヒー1杯で長居できます!
@コーヒー・パイレーツ
ウィーン区内は他の大都市と同じように物件が限られています。多くのお店が工夫を凝らして多く光を取り込めるようにお店作りをしているようでした。
@バリスタリー
@カフェ・クチュール
①ローコストで安く提供
内装をシンプルにして、良いものを安く提供しようとしている姿勢も感じました。そのようなお店の多くは、コーヒー豆は農家から直接仕入れたオーガニックのものを使うようにしているそうです。大体のお店がエスプレッソは250円、カプチーノは350円くらいで提供されていました。
こちらカフェ・ヨナス・ラインドルではケーキとコーヒーで700円(2015年4月当時)
②誰でもカフェにアクセスしやすい
バリアフリーのお店が多いことも特徴のひとつでした。車椅子の人や、ベビーカーで赤ちゃんと一緒に来る女性グループなど、誰でも入りやすいというのは、これから日本でももっと重要になる部分だと思います。下写真のカフェの入り口には段差がありません。
@カフェ・クチュール
③持ち帰りにも対応
カフェでゆっくり飲むのではなく、持ち帰りが多いのも最近のカフェカルチャーの特徴ではないでしょうか。
こちらは「おいしいコーヒー持って帰れますよ!」の看板
@カフェ・クチュール
そして、どのカフェも本当に個性豊かで視察していて本当に面白かったです!
使わないエスプレッソマシンをテーブルに使っているお店!
@カフェ・クチュール
水出しコーヒーを注文したら、薬品瓶(写真奥)のような瓶で出てくるお店!
@コーヒーパイレーツ
花屋とコラボして花が楽しめるお店!
@カフェ・クチュール
こういう遊び心や発想って大切ですね。遊び心も持ちながら、明るく居心地のいいカフェを作れたらいいなぁと思っています!次回は最終回です。ウィーンのカフェでバリスタから研修を受けてきたコーヒー編をお届けします。
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