皆さん、お久しぶりです。北朝鮮の記事を書いたといえば、覚えてくれている人もいるでしょうか?実は、三度の飯より酒が好き三矢です(キューバでこんな記事も書いています)。このたび、世界一周中でビール検定2級僕が、「世界酒場放浪記」と題して世界の酒場を連載でレポートすることになりました。
最近の僕です。エベレストベースキャンプにて
地酒が教えてくれること
日本酒が日本の文化であるのと同じように、地酒はその国の文化を表しています。その国の置かれた気候、環境や受け継がれてきた宗教、文化。その土地で育まれたお酒を飲むことで、その国のことをよりよく知ることが出来ます。世界を旅する中で地酒を飲むことはそんな機会を提供してくれます。
今回はなんと…お湯を注げば何杯でも飲むことが出来る!ネパールの地酒トゥンバで飲んだくれてきました。
ネパール人御用達「スモールスター」
ネパールの首都カトマンズは「カトマンズ盆地」として世界文化遺産に登録されています。またエベレスト方面のトレッキングの拠点として多くの旅行者・登山家に愛されています。
僕が、カトマンズに滞在していたのが12月と少し肌寒い季節だったことに加え、安く沢山飲み食いできることから、多いときで週の半分くらいスモールスター(ピンのあたり)と言うネパール人御用達の居酒屋に通っていました。
このお店はいつもネパール人で混み合っており、一人で行くと必ず誰かと相席になります。ここではほとんどの人が今回の主人公・トゥンバを注文しています。
ネパールの地酒トゥンバ
トゥンバを頼むと、この発酵した穀物がたっぷり詰まった陶器製のマグがまず出されます。一緒に渡されるポットからこのマグにお湯を注ぐと、お酒の成分が注いだお湯に抽出され飲める(ストローで)ようになります。
トゥンバは、このお店ではRs.80(約100円)と激安です。スーパーでビールの大瓶がRs.200(約240円)前後で売られていることを考えると、相当安いことが分かっていただけると思います。
味は甘みと酸味が一体となった味で非常に飲みやすいお酒です。乳酸菌飲料をお酒にしたような感じ、といったらわかってもらえるでしょうか?一緒に行った人の中には「日本酒みたいな味だ」と言っている人もいました。
コスパ最強
このお酒が優れている点は、その飲みやすい味もさることながら、コストパフォーマンスの高さがあげられます。ただでさえRs.80(約100円)と激安なのにトゥンバが無くなってきたら、お湯を注ぎなおすことで何杯でも飲むことが出来るのです!!
お湯を注ぐタイミングやお湯を注いでから抽出する時間、お湯を注いだ回数などで少しずつ濃さや風味が変化していきます。飲めば飲むほど味が薄くなっていくので、僕は薄くなってきたように感じたら抽出時間を長くしていました。
トゥンバに合うオススメおつまみ3選
さてこのスモールスター、トゥンバの安さもさることながらつまみの安さも相当なものです。結構お腹一杯になるまで飲み食いしても、Rs.300(約360円)以内には収まります。
1.バフチリ
バフチリはバフ(水牛)の肉を細長く切ったものを野菜と唐辛子で炒めた料理です。その辛さがトゥンバの甘さとマッチして絶妙なハーモニーを作り上げます。ネパール人もよく注文していた人気メニューです。トゥンバを頼んだら「とりあえずバフチリ」で間違いありません。
2.マサラパパド
パパド(南アジアの極薄のクラッカーの様な食品)はネパールの国民食ダルパートの付け合わせでもおなじみですが、そのパパドの上に唐辛子やにんじん、玉ねぎなどの野菜を刻んだものが乗った料理です。パリパリした触感のパパドとピリ辛野菜のハーモニーがこれまたトゥンバによく合います。
3.コティモモ
モモ(ネパール風餃子)はネパールを代表する料理です。蒸気で蒸したスチームモモ、油で揚げたフライドモモが一般的ですが、スモールスターには日本の焼き餃子と酷似したコティモモがあります。
この形、この焼き色、焼き餃子以外のなにものでもありません。何軒か食べ比べしましたがここのコティモモが一番日本の焼き餃子に近く絶品でした。Rs.80(約100円)
つまみだけじゃない!
スモールスターは居酒屋ですがトゥクパ(日本のうどんに似た食べ物)やチョウメン(焼きそば)などの食事系も充実しています。値段もそこらの食堂で食べるのと同じか、物によっては安く食べられます。ここでは僕が頼んだ料理2品を紹介します。
バフテントゥック
トゥクパと並んでチベット料理の定番テントゥックもスモールスターなら大体Rs.100(約120円)以下で食べられます。野菜だけでなく、バフ肉も大量に入っていて高コストパフォーマンスでした。
バフカレーライス
ご覧の通りバフ肉のボリュームが満点です。このバフ肉はしっかり煮込まれていて非常に柔らかく、これまた絶品でした。Rs.110(約130円)。
安さだけじゃない!現地人との交流こそが醍醐味
どローカルな居酒屋に突然やってきた異邦人に多くのネパール人は興味津々で、沢山の人が気さくに英語で話しかけてくれました。ここにはカトマンズでお店を開いている人や、地方から出稼ぎに来ている人など多種多様なネパール人が通っています。お互いにお酒が入っているからか話が弾み一気に仲良くなることが出来ます。国外へ出稼ぎに行くというような仕事の話や宗教の話、ネパールが抱える問題など普段観光している中でなかなか聞けないようなディープな話もこういう場なら聞きやすく、ネパールについてより深く知ることが出来ました。
スモールスターの座布団
安くて心身ともに満足できるお酒トゥンバ…。ネパールを訪れた際はぜひ、ローカル居酒屋で注文してみてください。ネパールのことがよりよくわかるかも知れません。
文・写真: 三矢英人
HP: my pace, my life
Twitter: hideto328
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