クルド人に味噌汁を食べてもらった

2014.07.26 07:00 
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世界一周しながら味噌汁を各地でふるまう様子をお届けする連載MISO SOUP IN THE WORLDの第9回は、トルコ編です。国家を持たない世界最大の民族・クルド人に味噌汁を作ったのですが……。

 

国を持たない世界最大の民族・クルド人

こんにちは!味噌玉と一緒に世界一周中のmiaです。

 

今回、味噌汁を振る舞うことになったクルド人一家がこちらなのです。なんと、33人も子どもをもうけたというおじいさん一家の一部にあたります。
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クルド人とは、独立を認められず国家を持たない世界最大の民族とされており、イラン、イラク、トルコ、シリアの国境周辺に住んでいます(Wikipedia参照)。

 

ちょうど私が旅したエリアは、一夫多妻の文化が残っており、3人の妻からそれぞれ10人前後ずつ子どもが生まれたそうです。一夫多妻制は、全ての妻を平等に扱い、全ての子どもに教育を受けさせ、責任を持って全世帯を養うことができる経済力を前提としているそうです。

実際に話を聞いてみると、若い世代では一夫多妻制なんてとんでもないと思っているようでした。

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そもそも、この一家に出会ったのは「うちに泊まりにおいでよ!」と突然、とあるバス停で招待されたのが始まりでした。イスラム圏では旅人を持てなす文化があるというのは有名な話ですよね。「クルド人は、例え家族の誰かを殺されたとしても、その犯人を家に泊めてあげるくらい、持てなすことを文化としている」という逸話を聞いたことがあります。

 

東トルコの料理とは?

MISO SOUP IN THE WORLDでは、その土地にあった味噌汁を作ろうという心意気から、毎回その土地の料理に触れています。東トルコで出会った料理をいくつかご紹介します。

 

朝ご飯風景から食卓を覗いてみると、
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手元にはパン、お茶、キュウリのヨーグルト和え、トマトが見えます。
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トルコ人にとってパンは欠かせない存在。パン屋さんで買う他に、このように個人が街角で焼くためのタンドールが各地にあったりします。
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トルコならではの蜂蜜。蜂の巣までついてくるという贅沢!これも朝ご飯に食べます。
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軽食として、ケバブサンドイッチが人気です。
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トルコピザ。ピザはトルコからイタリアへ伝わったという説もあるそうです。
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豆とラム肉のスープ。
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茄子とラム肉の煮込み。こういった煮込み系の料理が数多く存在します。肉の種類も豚肉を除き、鶏、牛、ラムが主要です。
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ちなみにこちらは、今回泊まらせてもらったお家で出してくれたトマトとラム肉の煮込みとパンです。
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味噌汁作りスタート!

さっそく味噌汁を作りたいと思いますが……実は以前、トルコ人に作った味噌汁を「まずいっ!」と言われた悲しい経験がありました。「油も塩もなくて味が無い」と、すごい量の塩を足されたのです(自身のブログ味噌玉世界旅 Take a Scoop of Miso with You参照)。

そこで、今回は最初からトルコ風にちょっと濃い口に。具は、グリーンチリ、茄子、エンドウ豆、そして長ネギとミントを少々。現地の食材を使ったり、現地風の味付けにしたりと毎回実験的ではありますが、なんとか味噌汁を「おいしい」と思ってもらおうと試みます。

 

野菜は全て家族の庭の畑から採ることにしました。
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茄子とグリーンチリを油で炒め、こんがり甘い匂いが香ったところで火を止めます。
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鍋でエンドウ豆から煮て、火を止める直前に先ほどの茄子とグリーンチリ、そして長ネギ、ミントを香り付けに入れます。
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鍋のお湯を使って溶かしておいた味噌を最後に入れます。
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煮立てずにすぐ火を消して、出来上がり!油で焼いた茄子とグリーンチリが深みを足し、少々の長ネギ、ミントがふわっと香り、エンドウ豆も甘くて、初めての組み合わせにしては美味しく出来たのですが、皆の反応が気になるところです。
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朝の食卓には、他にフライドポテト、チーズ、ヨーグルト、マーガリン、ジャム、生のキュウリが並びます。
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結果は……みんな食べないのです。

一口食べて、「美味しいよ!」とウインク付笑顔で言ってくれたものの、それ以降は箸ならぬスプーンが全くすすみません。

他にテーブルに並んでいたフライドポテトやチーズ、ヨーグルトを食べるその勢いに、味噌汁が便乗することはありませんでした……。
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でも、最も重要なことは気持ちを伝えること。皆で一緒に野菜を採る過程も楽しかったし、皆で食卓を囲むことも楽しかったし、言葉がなかなか通じない中、心を通わせる手段になったのは味噌汁作りだったのです。
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それにしても、トルコでは味噌汁のウケが決して良いとは言えません。どなたか、トルコ人が好きそうな味噌汁のレシピを知りませんか?奇想天外なご提案を世界新聞宛にお待ちしております!

 

文・写真:mia

 

 


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mia
カナダの大学を卒業後、なぜか秋葉原のバナナ屋さんで怒濤のネットショッピング運営を担当。自らの運命により再び世界へ。味噌汁を振る舞うおもてなしの旅をしながらデッカくなりたい! ブログ:味噌玉世界旅 Take a Scoop of Miso with You

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