ひょんなことから、全く言葉が通じない外国人たちと2泊3日で旅をすることになりました。人は全く言葉が通じない中でどこまで分かり合えるのか。全部想像で書いてみました。後編です。
前編はこちら
2日目
この日は名所を回りながらチリ国境付近まで行くそうです。
車の中はラクでいいです。言葉が分からなくても、外の景色を見ていればいい訳ですから。でも、彼らの会話を聞いていると、ある違和感が……。
それにしてもこのチリ抜けツアー。景色が尋常じゃない。
野生のビクーニャ
フラミンゴが生息する湖
浸食によってできた有名な岩
赤い湖・ラグーナコロラダ
みんな思い思いに楽しんでいます。「この乾いた砂漠の中で生命を感じるとすれば唯一、キミだ」ってところでしょうか。この感じを見ると、ホセとエリサは普通に夫婦なんでしょうね。
写真に夢中になって、遠くに行ってしまったジュリアンを迎えに行くドゥシエ。「どこへ行ってもいいけど、ひつとだけ約束してくれ。僕のところへ必ず戻ってくると」とか言ってるんでしょうかね。ジュリアンはマイペースなところがあってドゥシエもそれを寛容しているようです。ふたりの付き合いは長いと見た!
で、気づいたんですけど、僕ちょっとスペイン語が分かるようになってきたようなのです。昨日から長時間、スペイン語を浴び続けたからでしょうか。例えば、彼らが繰り返し使う言葉とそのタイミングなどから意味が推測できたり。あと、スペイン語って割とはっきり発音するので、ネイティブの英語なんかに比べるとずっと聞き取りやすいと思います。
そう思うと、心なしかみんなとの距離が縮まったような……。
いや、まだまだ遠いです。2日目はみんなで同じ部屋に泊まります。
この日の夜は前日のように盛り上がることはなく。ホセが調達してきたワインがエラい不評だったようで、一気に場が白けてしまい、みんなすぐに引っ込んでしまいました。ホセだけは、意地でもそのワインを飲んでいましたけど。僕としては「たかがワインじゃないか」と思うのですが、欧米人てこういう気分屋なとこありますね。
3日目
この日は4時起きで出発して、午前中に国境まで行って解散です。
間欠泉
ホセのワイン事件の名残もあってか、標高4700mにある温泉にも我々のツアーからは誰も入らず。
ダリが描いた絵に似ていることから「ダリ砂漠」
そして別れは突然来ました。国境の手前で、ドゥシエとジュリアンが何故か降車。
別れ際、ジュリアンが近づいてきて、僕にぽつりと言いました。「ソロ(ひとつ)、エスパニョール(スペイン語)」と聞こえたので「スペイン語だけでごめんね」みたいなことを言ってくれたのでしょう。こういう気遣いが出来る娘なんです、ジュリアンは。ドゥシエと仲良くね。
でも、国境ではなく彼らが何故ここで降りたのか、僕には最後まで分かりませんでした。あるとすれば、ドゥシエが昔空軍に所属していた時の同僚が乗った飛行機が墜落し、そこに花を手向けに行くという線くらいです。
そして、国境でニコラスとさよなら。
彼は、コルシカ島出身で、大学で数学を学んでいるそうです。もう1年くらい南米を回っているのだとか。何故、こんなに情報があるのかというと……
ニコラス、ここにきて普通に英語が喋れることが発覚しました。
キミは、本当に罪な男だよ……。
ホセともお別れ。ニコラスによると、ホセはスペインで運送会社を経営しているようだけど、僕は信じない。
キミは、マフィアの親分だ。
エリサは終盤、片言で話しかけてくれたりと、僕としては一番仲良くなれた気がしています。チャーミングな女性でした。
そんなこんなで、全く言葉が通じない外国人と旅をしてみた訳ですが、言葉が通じなくても人間は分かり合えます。でも出来れば、言葉は通じた方がいい。今回のように短期だと、特に。という訳でニコラスが通訳してくれていたら……と思わずにはいらませんでした。
文・写真:デスク
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