牛追い祭りといえば牛が人を追って町中を爆走するスペインのお祭りですが、南フランスに馬が牛を囲んで街を爆走するという「カウボーイ祭り」があるというので行ってきました。
みなさん、こんにちは。フランス在住のHarumakiです。
春から夏にかけて、南フランスはフェリアによって活気づきます。フェリアとは闘牛イベントをメインに飲んで歌って踊っての、南フランス毎年恒例のどんちゃん騒ぎのお祭りです。フェリアの中でも特に面白いのが、馬が牛を囲んで街中を爆走するカウボーイ祭り(アブリヴァード)。南フランスマルセイユの街。
photo by Henrik Moltke
カウボーイと言えば、アメリカ大陸を想像する方が多いかもしれませんが、南フランス、特に南西側はスペインの影響もあり、闘牛場もよく見かけます。フランスには大小合わせて125もの闘牛場があると言われています。
その闘牛を飼育する人がカウボーイであり、フランスでは、ギャルディアンと呼ばれています。南フランスを歩いていると、闘牛、ギャルディアンがいかに人々から愛されているかがわかります。
地中海に面する小さな村、サント・マリー・ド・ラ・メールにあるメリーゴーランド。回転木馬の頭が闘牛になっています。
ニーム近郊の小さな村、ガロン村の普通の一軒家のガレージの門が馬のモチーフ
「イケメンギャルディアンはいるかしら?」ということで、ニームという街のカウボーイ祭りに行ってきました。ニームは人口15万人程の小さな都市です。
より大きな地図で ニーム を表示
旧市街地には24000人収容のローマ時代の円形闘技場が大変良い状態で残されています。
メゾン・カレと呼ばれる完全な形で保存されたローマ時代の古代神殿があります。
2013年4月21日、お祭り当日。旧市街で一番大きな通り、ヴィクトリアユーゴ通りでは朝から路上駐車をレッカーされ、500メートルに渡ってバリケードが設置されました。
道の両端に停まったトラックに闘牛が入っています。その前に待機するギャルディアン(カウボーイ)。一方のトラックからもう一方(道の反対側)のトラックに牛を守りながら先導するのがギャルディアンの仕事で、それがカウボーイ祭りです。
「帽子、シャツ、ベスト、これがギャルディアンの服装なんだよ」現地人談
午後1時、空の大砲の「ボン!」という合図でアブリヴァードスタート!
※バリケードの柵の間は広く、柵を越え、中に入るのは個人の責任です。
「昔は牛の角にプロテクションは着けてなかったけれど……負傷者が多いため、最近は着けるんだ」現地人談
牛と馬が何度か往復すると、血気盛んな観客の血が騒ぎ出し……近くの兄ちゃん、バリーケードから飛び出すっ!
ギャルディアン、みんなが追い掛けてくることに気がついたようです。
最後のほうは大人から子供まで何十人もの人が牛を追い掛け、もはやカオス。ものすごい熱気でした……。
カウボーイ祭りは、昔、闘牛イベントが行われる際、牛を牧場から闘牛場まで運ぶためにギャルディアン達が牛を囲み、伴走しながら運搬したものを再現したものだそうです。
イケメンカウボーイにはお目にかかれませんでしたが、迫力あるクレイジーな爆走が見れたのでよしとしましょう。
文・写真:Harumaki
Harumaki
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