展望台にはロシア・中国・北朝鮮の国旗。街自体も特殊な中国・琿春(こんしゅん)の防川の様子を見てきました。日本との意外な関係もありました。
こんにちは、タケオトラベラーを運営しているたけちゃんです。
2ヶ国ならまだしも、3ヶ国の風景を同時に見られるところって中々ないですよね。今回は中国・ロシア・北朝鮮の国境が接する、中国吉林省琿春市の、防川国家風景名勝区(以下防川)の様子を紹介します。
防川のある琿春市は、以前紹介した図們市と同じ、吉林省の延辺朝鮮族自治州という特殊な地域に位置します。
琿春市(こんしゅんし)は中国吉林省延辺朝鮮族自治州東端に位置する県級市。国境開放都市に指定されている。人口の40%以上を朝鮮族が占める。南は北朝鮮、東はロシアと国境を接する。日本海まで15kmで、ロシアのポシェット港と鉄道で結ばれている。参照:Wikipedia「琿春市」
琿春国際バスターミナルでタクシーを拾い、「防川まで行きたい」と伝えれば、観光地を巡りながら防川まで連れて行ってくれます。
こちらが琿春国際バスターミナル。琿春市が属する延辺朝鮮族自治州の主要施設や店では、漢字とハングルが併記されていますが、このバスターミナルにはロシアからの国際バスも発着するためか、建物の真ん中辺りにはキリル文字も見えます。
タクシー運転手は、防川までの道中で興味深い場所に連れて行ってくれました。(途中、中国軍の駐在警戒場所で軍人にパスポートのチェックなどがありました)。
タクシー走行中の写真撮影は控えるように言われましたが、連れて行ってくれた場所は大丈夫だったので、写真を撮ってみました!
中国・北朝鮮間の税関「図們口岸」。タクシー運転手によれば、中国・北朝鮮双方のトラックが頻繁に出入りするとのこと。
1938年日本・ソ連間で繰り広げられた張鼓峰事件の記念館で売られているタバコの中に、北朝鮮製造タバコ(商品名がハングルで書かれているもの)が混じっていました。1箱35元(約610円)だそう。
琿春国際バスターミナルを出発してから約1時間40分、やっとのことで防川の入口に到着!
朝鮮語・中国語・英語で記載されている防川の観光案内図にはこう書かれていました。
防川はロシア・北朝鮮との国境地帯に位置し、琿春市街地から62km離れたところにあります。「龍虎閣」の展望台からはロシア・北朝鮮、図們江の緩やかな流れ、図們江に掛かるロシアと北朝鮮を結ぶ鉄道橋を望めます。
防川を観光するには、防川風景区観光客サービスセンター(防川景区遊客服務中心)で入場券を買う必要があります。
タクシーの運転手は中国語が話せない僕に、身振り手振りで「防川入場券は100元だ。買ってあげるよ」と言ってくれ、入場券を購入しに行ってくれました。
しかし入場券をよく見てみると、なんと価格が80元と書かれているではありませんか!
これは黙っていられないと勇気を振り絞って運転手に問い詰めたら、身振り手振りで「俺たちまたどこかで会うじゃないか」と、理由の「り」の字にもならないような言い訳でかわされてしまいました。
できることなら、中国語のできる友人を連れて行くのがいいかもしれません(笑)。
入場券を買ったら、自家用車で来ていた他の中国人観光客と一緒に専用のマイクロバスに乗車し、防川巡りに出発です!
「Zero Emission」(排出ガス、ゼロ)の表示がちょっと気になりましたが(笑)
防川に入ってまず案内されるのが、「土字碑」という記念碑。記念碑近くにある柵の向こう側はロシア領土です。
しかし、記念碑の説明文が剥げ過ぎているのと、しっかりとしたガイドがいなかったため、何の記念碑なのかわかりづらかったです。
何とか解読してみた限りでは、当時清朝とロシア帝国間の国境であることを示すため、1886年に建てられた記念碑のようです。
記念碑の後は、いよいよ防川最大の見所である「龍虎閣」へ。「龍虎閣」の展望フロアに上がってみると…
中国・ロシア・北朝鮮の領土が一気に目の前に広がりました!
川(図們江)の左手前側が中国、左奥側がロシア、右側が北朝鮮です! 川に掛かっている橋は、ロシア・北朝鮮を結ぶ鉄道橋です。写真ではわかりずらいですが、晴れていたので、更に奥の方にある日本海まで望むことができました!
展望台には、ロシア・中国・北朝鮮3ヶ国の国旗が並んでいました。
ロシア側は沿海地方ハサン地区ハサンです。
ハサン(Khasan、ロシア語: Хасан)は、ロシア沿海地方ハサン地区の都市型集落。人口795人(2002年)。北朝鮮と唯一国境を接し、中国とも国境を接している。ウラジオストクと羅先を結び平壌に至る鉄道が通っており、ハサン駅もある。国境付近には、豆満江、ハサン湖がある。参照:Wikipedia「ハサン」
ズームして見てみると鉄道駅らしき建物が見えましたが、おそらくハサン駅と思われます。人影は見当たらず。
川(図們江)の向こう側に位置する北朝鮮側は羅先特別市になります。
羅先特別市(ラソンとくべつし)は朝鮮民主主義人民共和国北東部に位置する特別市。海外資本に開かれた特区「羅先経済貿易地帯」を擁する。参照:Wikipedia「羅先特別市」
北朝鮮側をズームして見てみると、これまた貨物列車らしきものが見えました。豆満江駅に停まっている列車と思われます。
こちらも人影は見当たりません。
防川は3ヶ国の国境地帯とあってか、どうやら辺境の地のようです。
…というのも、実はこれらは鳥取県鳥取市・米子市・境港市の写真。鳥取県内のこれら3市が、琿春市・ハサンと共に環日本海拠点都市会議に参加しているためと思われます。
それにしても、中国・ロシア・北朝鮮の接する場所で日本の写真を見られるとは思ってもみませんでした!
防川を1時間弱巡った後は、観光客サービスセンターからタクシーで琿春市街地まで戻りました。「ガソリンが少なくなった」と、ガソリン代がぼったくられるのかと少しビクビクしましたが、流石にそこまではされませんでした(笑)
僕がタクシーで琿春市街地~防川往復に掛かった費用と時間は以下の通りです。皆さんが訪れる時の参考にして下さい!
タクシー代:385元(約6,350円、メーター式)
防川入場料:100元(約1,650円)※20元分のタクシー運転手へのチップが含まれています。
時間:約4時間半
タクシー代が結構掛かってしまいましたが、中国・ロシア・北朝鮮3ヶ国の様子を一度に見られる貴重な観光地なので、是非皆さんも防川に行ってみて下さい!
(できれば中国語のできる友人と共に!!)
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