チェルノブイリ原発やプリピャチを巡るツアーに参加してみた(予約方法も)

2016.09.02 07:00 
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一般観光客はツアーでしか入れない街、チェルノブイリ。ウクライナのキエフよりバスで3時間…チェルノブイリ原発や、原発事故の影響で消滅した街「プリピャチ」を巡るツアーに参加し、現地で見たチェルノブイリの今を紹介します。

 

チェルノブイリのツアーに参加してみた

こんにちは!自称マジシャンせがわーるどです。ただいま大学で勉強しているロシア語を使い旧ソ連諸国を周っています。

今回は世界を脅威に陥れたチェルノブイリ原発のある、ウクライナのチェルノブイリツアーについてご紹介します。

 

チェルノブイリ

 

チェルノブイリ(Chernobyl)は、ウクライナ北部・キエフ州の都市。首都キエフの北方約135kmに位置し、プリピャチ川に沿う。1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故によりゴーストタウンと化した。人口は、事故直前の1986年の10万人に対し、2016年時点で704人。Wikipedia「チョルノーブィリ」参照。

 

チェルノブイリのツアー予約方法

チェルノブイリには、一般観光客はツアーでしか入れません。僕が予約したのは「SoloEast Travel」というツアーサイト。トップページのこちらのカレンダーより簡単にツアーを予約できます。
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大人約110ドル(約11400円)。オススメは土日です。100ドルを下回る事が多く、平日に比べると安くなっています。チェルノブイリツアーには昼食も含まれます。

 

放射線を測る機械のガイガーカウンターも10ドル(約1000円)でレンタルすることができます。
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キエフからチェルノブイリへ"入国"

キエフ市内にある指定された場所よりミニバスでチェルノブイリへ向かいます。時間は8時15分の発車でした。
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バスの中では、チェルノブイリ関連のテレビを見たり誓約書にサインさせられます。バスに乗り2時間弱、チェルノブイリ原発30キロ圏内に到着です。IMG_4793

なお、ここではパスポート検査があり、国境審査のようでした。

 

因みに、チェルノブイリ原発30km圏内での放射線量を測ってみると0.12µSv(マイクロシーベルト)でした。キエフ市街地が0.13マイクロシーベルトだったので、ほぼ同じで危険は全くありません。ちなみに日本の神戸市が0.04マイクロシーベルトです。
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チェルノブイリ原発10km圏内にある意外なもの

チェルノブイリ原発10km圏内へと移動します。ここでは放射線量が少し上がり0.16マイクロシーベルトになりました。
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しかし、奥まった場所や、地面付近、草木の近くではかなり高い線量が計測されました。2.26マイクロシーベルトです。
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チェルノブイリ原発10km圏内には、対アメリカ用に作られていたとされるミサイル感知器があります。冷戦時代の名残…鉄の塊のあまりの大きさに衝撃を受けました。
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実はここ登れます。
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チェルノブイリ原発以外にも、こういった冷戦の名残りの施設が残っている事に驚きでした。

 

チェルノブイリ原発の今

そしていよいよチェルノブイリ原発…目の前にそびえたつ建物が、30年前に世界を恐怖に陥れたチェルノブイリ原子力発電所です。
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チェルノブイリ原子力発電所4号機

 

チェルノブイリ原子力発電所は、ウクライナ(旧:ソビエト連邦)のチェルノブイリ近郊、プリピャチ市にあった原子力発電所。1986年4月26日午前1時23分に4号炉が原発事故を起こし、世界中にその名が知られた。Wikipedia「チェルノブイリ原子力発電所」参照。

 

チェルノブイリ原発での事故当時、放射線流出を防ぐために特殊な素材を上空からまき散らしました。その素材は一瞬にして石化してチェルノブイリ原子炉4号機を石で覆うことにより、放射線流出を食い止めました。

 

しかし、今はその耐久性が懸念され、石化したチェルノブイリ原子炉ごとドーム状のもので包むという新たな計画が進められています。
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完成は2016年9月を予定しているため、今頃はもしかしたらドーム内にすっかり収まり見えなくなっているかもしれません。

 

チェルノブイリのツアーで向かうもう一つの街「プリピャチ」

チェルノブイリのツアーで向かうもう一つの街「プリピャチ」は、チェルノブイリ原発に従事する人のために作られ、かつては地図上に存在しなかった機密都市だそうです。現在は立ち入り禁止区域となり誰も住んでいない観光地として存在するゴーストタウンです。

 

プリピャチ

 

プリピャチ(Pripyat’)は、ウクライナ北部にある市。ソビエト連邦時代の1970年にチェルノブイリ原子力発電所の従業員用の居住地として創建され、チェルノブイリ原発の4キロ北に位置する。事故直前に約49,400人いた住民が避難したため、現在は無人。郵便番号も消滅し現在は割り当てられていない。Wikiedia「プリピャチ」参照。

 

プリピャチに関して、こういった記述もありました。

プリピャチとその周辺は生活するには危険であり、放射性物質が安全なレベルまで減少するのに約900年かかると概算している。建物の多くは高レベルの放射性物質が蓄積しており、年間許容被曝量を超えてしまう危険性があるため、一般人立ち入り制限区域指定がなされている。Wikiedia「プリピャチ」参照。

 

心して向かいました…

郵便番号が消滅したゴーストタウン「プリピャチ」の今

プリピャチ​のスーパーマーケット跡

チェルノブイリ原発の事故でプリピャチの住民が避難している間に略奪が起きて荒らされたため、このような惨状になっています。
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プリピャチ​のサッカースタジアム跡

30年という歳月はこれほどまでに形を変えます…。ガイドさんの説明を理解するのに時間がかかるほどでした…。
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2度と回ることはないプリピャチの観覧車
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プリピャチ​の学校跡
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そして最後は、日本がプリピャチに寄贈したモニュメントに案内されます。ヒロシマやナガサキをも連想してしまいました。チェルノブイリ、そしてフクシマ…悲しい限りです。
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チェルノブイリのツアーで考えさせられた…

チェルノブイリのツアーで意外にも印象的だったのは、帰りのバスの中で見るチェルノブイリ原発事故前のプリピャチの映像でした。

さっきまで自分たちがいたゴーストタウンのプリピャチには、噴水が映える街並み、両親の間で手をつなぎ歩く子ども、スタジアムでサッカーを応援する観客といった人々の笑顔で溢れていました。

故郷、命、人生、数え切れないほど多くのものを奪い去ったであろうチェルノブイリ原発事故により、未だ苦しむ人もいることを知り、胸が締め付けられる思いでした。

原発事故による被害を痛感している日本人の僕にとって、改めて「原子力」について考えさせられる、チェルノブイリのツアーでした。

 


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せがわーるど
1994年生まれA型。 路上でマジックをしながらの日本一周ヒッチハイクを経験し、旅の良さを知る。2016年現在、専攻であるロシア語を駆使しながら旧ソ連に限定し世界を周っています。 ロシア語話者の観点から旧ソ連の国々を紹介していきます。(写真のモアイ像は、宮崎県にあります。) ブログ:せがわーるどのブログ

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