フィリピン・バギオにて、24時間英語以外使用禁止というスパルタな語学留学に挑んだ僕たち夫婦。引きこもる妻、ギクシャクし始める夫婦関係…。でも、ここまでやらないとわからないことだってあるんです。
こんにちは!新婚旅行で世界一周中のNO TRAVEL NO Life、大地と涼です。
第8回目は、フィリピンからお伝えさせていただきます。
僕たち夫婦が旅に出た当初は、全くと言っていいほど英語が話せませんでした。フィリピン・バギオの語学学校「ストーリーシェア」での語学留学を体験し、夫婦の危機を乗り越えた先に得たものがありました。
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僕たち夫婦は旅に出る前、英語が話せなくてもボディーランゲージと笑顔と勢いでなんとかなるでしょ!と、言語に関する不安をそんなに感じていませんでしたが…
そんな僕たち夫婦の英語学習の火がついたのは、タイで出会った英語がペラペラな日本人がきっかけでした。
欧米の人とも楽しそうに会話をする彼を羨ましく思い、どうやって英語を身につけたのか聞いてみたところ、フィリピンで語学留学をしたと教えてくれました。有名なセブではなく「バギオ」という場所にある学校が良かったとのこと。
バギオは高地にあり、フィリピンでは珍しく一年中涼しく、緑に囲まれており空気も澄んでいます。セブのような観光地ではないため勉強に集中したい人にはオススメの場所と言われています。
自分たち夫婦の直感とペラペラの旅人の言葉を信じて、当初予定になかったバギオでの語学留学を決定しました。また、フィリピンの英語はなまりがあると聞きますが、僕たちはそれがなまっているのかわかるほどのレベルでもないので全く気になりませんでした。
フィリピン・バギオの語学学校「ストーリーシェア」で教えてくれるのはフィリピンの英語の先生です!発音もかなり丁寧にちょっとキビしいくらいに教えてくれます。
「学校施設内+学校外も完全に日本語禁止で、24時間完全英語漬け」というルールの校舎を選びました。日本語を使っても良い校舎もあったのですが、自信の無さとは裏腹に「やるからには徹底的に」と厳しいルールを課して挑みました。
「それでは、この門の中に入ったら日本語は卒業まで一切禁止でお願いします!」スタッフの方にそう言われ、僕たち2人は自分たちの健闘を祈るかのように無言で握手を交わしました。
授業はマンツーマン授業を1日8時間、夜の無料グループクラスを2時間で1日最大10時間の授業を取ることができます。僕たちは留学前の事前勉強を全くしてこなかったので授業の予習復習も必要と考え、マンツーマン授業を1日4時間、夜の無料グループクラスを2時間で1日合計6時間の授業を取ることにしました。
レベルもマンツーマン授業のため、英語に自信がない僕たちでも安心でした。はじめは不安でいっぱいでしたが、留学が始まって一週間、徐々に慣れ始めてきたかなと僕は感じていたのですが…
妻の涼は引きこもりになってしまいました…。体は元気なのですが、誰とも会いたくないと3日間授業も休んでしまいました。
それもそのはず…
ストーリーシェアでは、日本語は文字通り一切禁止。授業はもちろん、朝から寝るまで、部屋の中でも、外出先でも、夫婦間でも守らなければいけないルールです。自分の気持ちを表したくてもそれを表現できず、自分の中でいろんなものが溜まってしまったのだと思います。
この「ストーリーシェア」では、話していいのは英語のみという「English Only Policy」ルールが宣伝文句ではなく本当に徹底されていました。
日本語を使った場合に罰があるわけではないのですが、生徒自身がその環境を望み、遊ぶ場所が少ないバギオをわざわざ選んで勉強しにきています。そこで自分が安易に日本語を使えば、他の生徒に悪影響を与えることになってしまいます。
とはいえそんな環境に飛び込んできてしまった僕たち。自分の気持ちを表現できない妻と、涼の英語を理解できない僕。自分たち夫婦は甘かったと、リタイアも考えました。
お互いに今まで体験したことのない環境にストレスを感じ、ケンカになることも多くなりました。そのせいで、ケンカをしたくないから会話が減り、お互いを無視するという悪循環に陥ってしまいました。
…楽しい時間を過ごしたくて新婚旅行で世界一周に旅立った僕たち夫婦なのに、まさかこんな事態になるとは!
つたない英語で話し合い、明日も涼が授業に出れないなら日本が使える校舎に変えてもらおうと決め、その日は寝ることにしました。
…しかし次の日の朝、涼はすでに校庭の机で一人予習を始めていました。
昨日の夜泣いたことがわかるくらいに目が腫れていましたが、負けず嫌いな涼はその日から人が変わったかのように勉強をするようになりました。結果的に、1ヶ月間を予定していた留学期間は2ヶ月半まで延長し、まだ卒業したくないというほどにこの学校と英語のみというこの環境が好きになっていきました。
このままだと辛い学校なイメージなので、楽しかった思い出を一挙大公開します。
明るい先生たち
授業中以外も気軽に話しかけてくれるから、どんどん友達のような関係になっていきました。だからもっと英語でいろんなことを話したい聞きたいと思い、質問を勉強して授業に臨めました。
1時間目はパジャマで行えるラフさ
「バギオ」の涼しい気候の中、朝から外で行う授業は本当に気持ちいいです。学校と宿が一緒の建物なので一時間目は基本パジャマ!笑
マンツーマンの様子
マンツーマン授業のため、一時間の中でたくさん話して、たくさん失敗して、たくさん吸収できます。
明るい先生たちは、僕がおかしな答えをしても決して怒ったりはしません。思いっきり笑って、チャレンジしたことを褒めてくれて、ちゃんと訂正してくれます。
生徒同士の関係もいい
わからないことがあればいつも優しく教えてくれました。みんなが朝早くから夜遅くまでコツコツ勉強に取り組む姿勢を見て、たくさんの刺激をもらいました。
おいしいごはん
留学先の学校選びで見落としがちだけど、大切なポイントは毎日の食事だと思います。「今日の味はどうだった?」と毎日日本人好みの味付けを研究してくれていました。美味しくて毎日おかわりさせてもらっていました。
フィリピン人とズンバができる
休みの日の朝は、街の中心部にある広い公園で行われている「ズンバ」というダンスに参加して気持ちの体もリフレッシュ!毎週通っていたらたくさんの「ズンバ」仲間ができました。
夫婦で長く一緒にいると、「言わなくても伝わるだろう」と相手の気持ちを考えたり感謝する気持ちが薄れていってしまいます。
しかしフィリピン・バギオの語学留学での特殊な環境のおかげで、「伝える・理解する」という基本的なコミュニケーションの大切さを夫婦間で再確認できました。
語学学校「ストーリーシェア」を卒業した今も、「English Only Policy」の時間を作って英語学習するくらい、僕たち夫婦にとって今回の語学留学は意味のある経験でした。
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