小説「深夜特急」の記述をひろいながら、ゆるーく「今のマカオ」を全5回でレポートします。深夜特急を読んだことがない人も楽しめるハズ!?
デスクです。
第3弾は聖ポール天主堂跡と、ベラヴィスタホテルをご紹介します。
ベラヴィスタホテルは、深夜特急で沢木さんが泊ったホテルです。あんな格式のあるホテルを値切るなんて沢木さん、流石です。
深夜特急でいくマカオの旅バックナンバーはこちら
「深夜特急」とは?
作家・沢木耕太郎による1970年代前半を舞台にした紀行小説であり、今なおバックパッカーの間でバイブルとして語り継がれる名作。
マカオきっての観光名所といえば、世界遺産の聖ポール天主堂跡です。
聖ポール天主堂跡
マカオにあるポルトガルの17世紀の大聖堂の遺跡であり、マカオの最も有名な歴史的建築物の一つである。
Wkipediaより引用
目の当たりにすると、その異様な風貌に圧倒されてしまいます。
そうなんです、一枚の大きな壁なんです…。
1835年に火事で正面の壁以外が焼けてしまい、そのまま残っているのだそうです。
中央右の像はお馴染みフランシスコ・ザビエル
深夜特急では、沢木さんの大学時代のスペイン語教師が聖ポール天主堂跡を絶賛するので、気まぐれで行ってみたという感じで紹介されています。
その壁の前に立った時の感動を、小太りの中年のオッサンが息もつかずに喋りつづける姿は、なかなか悪くなかった。
ゆっくりと階段を登っていく。くすんだ壁には彫刻がほどこされているが、下からではよくわからない。登り切ると、本来は内部に入るためのものだったろう門が、空虚に口を開けている。そして、それは子供たちの格好の遊び場となっていた。
深夜特急〈1〉香港・マカオより引用
ココはスペイン語教師が絶賛しなくても、マカオを訪れた際は一見すべき場所です。まぁ、地元の子どもが遊ぶ余地すらないくらいに観光客で盛況でしたけどね。
聖ポール天主堂跡はこちら
ベラヴィスタホテルは沢木さんがマカオで泊ったホテルです。格式高い雰囲気にビビリながらも、意外に安くて(当時約3千円)、「一日くらい豪勢にやっても許されるだろう」と泊ることにしたというエピソードがあります。
ベラ・ビスタ・ホテル。いかにも格式のありそうな雰囲気を漂わせている。私には無縁のホテルだ、と通り過ぎて、まてよ、と思った。別に、入ってみるだけのことに金を取ろうとは言わないだろうから、内部の造りだけでも見学していったらどうだろう。
深夜特急〈1〉香港・マカオより引用
確かに、バックパッカーを全力で拒絶するような風貌です。でも、こんなホテルに安く泊れたなんてテンション上がっただろうなぁ…ってちょっと嫉妬。
ベラヴィスタホテルは1999年に営業停止し、今はポルトガルの領事さんが住んでいます。
ちなみに、グランドラパマカオというホテルにベラヴィスタホテルを再現した「ベラヴィスタ」というカフェがあるそうです。
旧ベラヴィスタホテル(現ポルトガル領事官邸)はここ
周囲には、沢木さんも言っているようにポルトガル風の街並みが残っており、散策にはもってこい。
一瞬、東洋のはずれの半島から西洋のどこかの街に連れ去られてしまったのではないかと錯覚しそうになる。香港の雑居ビルと難民のバラックを見慣れた眼には、オトギバナシの世界に紛れ込んだような気さえする。
深夜特急〈1〉香港・マカオより引用
カジノで負けた傷をきっと癒してくれるでしょう。
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協力:マカオ観光局
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