「スラム」と聞いて、どんなイメージを抱くでしょうか。
散乱したゴミ…傾きかけた家…暴力や犯罪…。
ともかく、荒廃したイメージ。その響きに好奇心をそそられるかもしれません。
僕もその一人でした。インドのムンバイにて、「スラム見物ツアー」に行った時のこと。
線路沿いにあるスラムは、地面はゴミでできていて、踏み出すとズブズブと沈み込むような有様。農薬のような嫌な匂いが立ちこめていて、歩いているだけで参ってしまうような壮絶なものでした。
ここは自分が居る場所ではない…。
早いところ切り上げて帰ろうと思ったその時、一人の少女がじょうろを持って現れました。そして、彼女は自分の足にじょうろで水をかけて、にっこり笑いました。
レッテルを貼りたがるのはいつも、外野です。住む人にとってそこは、「スラム」ではなく、生活の場なのです。
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