どうも飲んだくれ担当ビール大好き三矢です。連載「世界酒場放浪記」の第四弾はビール検定2級で日本地ビール協会認定ビアテイスターの僕がベトナムのビーチからお届けします。
前回に引き続きビールネタですが、今回はちょっと違います。
昨年9月にヤッホー・ブルーイングがキリンビールと業務提携を発表したり、キリンビールがクラフトビールブランド「SPRING VALLEY BREWERY」を立ち上げたりと、日本でも最近クラフトビール(小規模なビール醸造所で造られたビール)が盛り上がっています。今回はベトナムのクラフトビールを堪能してきました!
ベトナム南部の街ニャチャンはベトナムでも有数のビーチリゾートとして人気の街です。
白い砂浜が続くビーチでは海水浴や日光浴を楽しむ旅行者が沢山!
ビーチだけではなく、ベトナムでも有数のダイブスポットとしてこの街は有名で、僕は旧正月元旦に海外ダイビングデビューをするためにこの街を訪れました。透明度はイマイチでしたが英語のブリーフィングでもなんとかダイビングできることが分かって一安心。
さて、本題に移りましょう。
ガイドブックをくまなく読んでいるとニャチャンにはルイジアナ・ブリュ―ハウスというマイクロ・ブリュワリーがあると載っていました。
マイクロ・ブリュワリーとは小規模醸造所のことです。分かりやすいように日本の例で説明すると、キリンやアサヒのような大手ではなくてサンクトガーレンやヤッホー・ブルーイング、箕面ブリュワリーのようないわゆるクラフトビール(地ビール)を作っているようなビールメーカーです。
となると、日本地ビール協会認定ビアテイスターとしてこのマイクロ・ブリュワリーは避けては通れない道です。早速行って調査してきました!
ニャチャンの大通りTran Phu通りを中心部から少し南に行った、町中からも余裕で歩いて行ける場所にありました。
すぐ近くには醸造設備。醸造過程の見学などはできませんがすぐそこで作っているのが見えるのっていいですよね。
値段はグラス(330ml)40,000ドン~(≒200円)とベトナムビール水準からするとかなり高めになっています。
ちょっと外に出てみましょう。写真に写っている建物がさっきまでいた建物です。そしてそこから後ろを振り向くと……
それでは飲んでみましょう。今回頼んだのは4種類のビールを試し飲みできるテイスティング・トレイと言うもの。
それぞれ200mlずつ入って110,000ドン(≒550円)。前回の生ビール一杯15円と比べるとだいぶ高いですね。
右奥から時計回りにピルスナー、ダークラガー、ウィートビア、パッションビア。
今回お酒の写真は少なめなのでちょっとそれっぽく各ビールの感想でも。
ピルスナー
香り高いホップのアロマとかなり苦めの後味が心地いい。東南アジアではなかなか飲めない正統派ピルスナーと言う感じ。
ダークラガー
口に含んだ最初は甘さを感じるモルト(麦芽)だが、徐々にコーヒーのような濃厚なフレーバーになり、最後はローストモルト独特の苦味を感じることが出来る。
ヴィット
ヴィットとは小麦のこと。バナナの様なエステル香(フルーティーな香り)は中程度だが、口に含むとエステル香が広がる。小麦を使ったビールの中では平均的なクオリティ。
パッション
ベトナムならではのフルーツビール。アロマは完全にパッションフルーツの甘い香り。フレーバーも終始パッションフルーツの甘さが目立つが、控えめながらもビール独特の苦味もあり見事に調和している。
テイスティング・トレイだけじゃ物足りなかったので一番好みだったピルスナーをジョッキで追加注文しました。330mlのジョッキが40,000ドン(≒200円)。
初夏の草原を感じさせるホップの爽やかで心地いい香りが鼻腔をくすぐり、その後に感じられる強烈な苦みが「あぁ俺は今美味いビールを飲んでるんだなあ」と感じさせてくれました。
ニャチャンはハノイ、ホーチミン、ホイアンなどの街と比べると圧倒的に知名度の低い街ですが美味しいビールを飲むためだけに訪れても面白いのではないでしょうか。
最高のシチュエーションで飲む最高のビール。普段節約を余儀なくされているバックパッカーもたまには贅沢もいいものです。
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