「旅する鈴木」をつづける理由 【前編】

2015.01.14 11:00 
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絶景タイムラプスや、嫁ヨガ映像の裏話をたっぷり聞いてきました。 
photo by tabi suru suzuki 

 

「旅する鈴木」との出会い

デスクがはじめて「旅する鈴木」と出会ったのは、2012年、ホンジュラスでした。映像作家の旦那・陵生さんが宿でパソコンにかじりついて編集していたことが思い出されます。※「旅する鈴木」作品集はこちら

あれから3年、今なお旅を続ける「旅する鈴木」が一時帰国しているとのこと!

今や、第18回文化庁メディア芸術祭で推薦作品に選ばれ、DVD「World TimeLapse」 を発売するなど、大活躍の「旅する鈴木」の旦那に会ってきました。

 

鈴木陵生プロフィール
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1979年生まれ。2011年10月より世界一周中。mb! by Mercedes-Benz 映像コラム等、連載・提供多数。絶景タイムラプスや、嫁のヨガ映像など、独自のセンスで世界を切り取る。「旅する鈴木」サイトはこちら

 

計画性がなさすぎた 笑

ーー「旅する鈴木」はすでに、3年も旅しているそうですね。で、今度さらに1年半の旅に出ると。ふつうの感覚だと、3年旅すればもうお腹いっぱいなんじゃないかと思うのですが…。
一応、まだ世界一周していないんで…気持ち悪いじゃないですか。

もともと1年半の予定だったんですが、計画性がなさすぎました 笑。映像を作りながら旅していると、ふつうの人より時間も、お金もかかっちゃうんですよ。

 

これまでの旅のダイジェストとも言うべき映像


【旅のルート】
2011年10月〜
①中米→南米→ヨーロッパ→モロッコ→一時帰国
②モロッコ→南アフリカ(北上)→エチオピア→ロンドン→一時帰国…現在に至る

2015年1月〜
エジプト→スーダン→モロッコ→ポルト(ユーラシア横断)→上海

 

ーー3年で26カ国、大陸的には主に南米とアフリカしか行っていないんですね。2回帰っているのは?
お金がなくなっちゃって。帰国して働いてまた出てというのを繰り返してます。

ーーで、また旅に戻ると。今度は1年半で済みそうですか 笑?
嫁と子作りの約束があるので…。僕らもいい歳で、限界ですよ。次で世界一周の旅は終わりです。

 

旅する理由

ーー一言で言うと、旅に出た理由は何だったんですか?
うーん…見ておきたかった、行きたかった。

あと、仕事につながるというのはありましたね。ネタ探しというか、勉強というか。旅するにあたって、所属している映像会社の社長と話したんです。「1日1本映像を作ろう」と。だから修行の旅ですね。

ーー旅する鈴木と言えば、絶景のタイムラプスや、嫁のヨガ映像が代名詞になっていますよね。
でも、当初は何が撮りたいってなかったんです。映像をやるなら何かコンセプトのあるものがいいんだろうなと思っていたんですが、決められなかった。特にここに行きたいというのもなくて…。

なので、1日1本嫁を撮ろうと。嫁にとってははじめての旅だったので、成長していく様が見えるんじゃないかと。面白いことがあった時だけではなく、つまんない日も毎日撮って、それを1つの作品(ドキュメンタリー)にしたかったんです。

ある日の旅する鈴木 @南アフリカ

 

タイムラプスで表現したいのは「時間」

ーータイムラプスを撮ろうと思ったきっかけは?
中米から旅をはじめて、最初の目的地がウユニ塩湖だったんです。ウユニでタイムラプスを撮りたいというのは最初からあって、2月の新月の時期に行くために、中米はかなり駆け足になりました。

ウユニでは、塩湖に10日間通って、星待ちをしてタイムラプスを撮りました。



ーータイムラプスで表現したいものは?
時間です。すごくゆったりとした時間の流れを可視化してくれる。1分の映像は5時間分の変化だったりすることもあるんですよ。

撮るのが大変な分、タイムラプス(
を撮った)時の記憶ってすごく鮮明なんです。夕陽が沈んで行くのを超じっくり見るのなんて、何より贅沢な時間ですよ。

 

タイムラプスのつくり方

ーーまず、撮る場所はどうやって選んでいるんですか?
絶景とか、民族とか…「特別な場所」に行ったら撮るようにしています。それ以外でも、ここに夕陽が沈んだらきれいだろうな
とか思ったら、「ここでも」撮ろうってなります。

ーー場所が決まったら…。
収まりのいい画角を探します。これが大変なんです。

例えば、このノイシュヴァンシュタイン城は、全体が見渡せる画角で撮りたいと思ったんです。まず、GoogleマップやGPSで撮影ポイントの目星をつけました。現地に行って(いわゆるロケハン)、「あそこ登れそうじゃない?」というところがあったので、道なき道を行ったら……ちょうど木が抜けているところがあって、見渡せたんですね。その後、一度テントを取りに帰って、朝日と夕陽を撮りました。



ーー想像を絶する時間と手間をかけている訳ですね。それから?
タイムラプスというのは、写真の集合なので、それを映像化(編集)します。できたら、You Tubeに動画をアップロードするんですが、これが大変で。パナマではまる1日やっても上がらないことがありました。WiFiが部屋まで届いてない場合は、夜通しフロントの壁にもたれてアップロードしたり…。もちろん嫁は部屋で寝ています 笑。

 

一番見てもらいたい映像

ーー3年も旅している理由が分かった気がします 笑。ちなみに、モロッコには半年も滞在したそうですが…。
マラケシュにバブーシュを日本に販売している会社があったんです。工場見学したら、職人がバブーシュを作っている姿を撮りたくなってしまって…。でも、モロッコ人は撮られるのが嫌いで、また、僕らメルセデスで連載をしているんですが、
バブーシュを読者プレゼントにしようということになりまして。

ーーいろいろあって時間がかかったと(笑)。
でも、これは見てもらいたい映像のひとつですね。できたこの映像は、販売会社が自由に使っていいことにしたんです。その代わり、僕らは期間中の家と、ご飯を提供してもらった。こういうのってすごく自然でいいなって。次の旅でもどんどんやって行きたいですね。

 

「嫁と旅」を語った後編へ続く

 

取材協力:旅する鈴木(サイトYou Tube

文:デスク

 

 


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デスク
世界新聞の通称「デスク」。株式会社世界新聞代表取締役。これまでに35カ国以上を訪れる。 2011年〜1年間の世界一周旅行へ。ブログ村世界一周ランキング1位。2013年、世界新聞を立ち上げる。 著書に「世界一周できませんと思っていたらできちゃった」(幻冬舎) 海外旅行に関する講演もちらほら。

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