最近、日本人旅行者の間で人気のサンティアゴの巡礼。キリスト教の聖地への道のりは世界遺産に指定されており、「心が洗われる」「達成感が尋常ではない」と挑戦者が後を絶たない。
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こんにちは!しばらくぶりです、シワクです。今回レポートするのは、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼です。
◆サンティアゴの巡礼って何?
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼(以下サンティアゴ巡礼)とは、キリスト教の聖地であるスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路です。下写真のように巡礼路は無数に存在しますが、おもにフランス各地からピレネー山脈を経由しスペイン北部を通る道を指します。スペイン国内の巡礼路(赤い太線のルート)は世界遺産に指定されており、全長約800km。これを徒歩、自転車、あるいは馬に乗って巡礼するのがサンティアゴ巡礼です(Wikipediaより引用)。
巡礼を終えることでもらえるのが巡礼証明書。これをゲットするためには、巡礼で通過する街の教会などで巡礼手帳(クレデンシャル)にセジョというスタンプを押してもらい、ゴールのサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂で見せなければなりません。※サンティアゴ巡礼には四国八十八カ所の札所のような決まったチェックポイントや関所の類はありません。
全行程800km(徒歩で平均1ヶ月)なんて歩けないし、時間もない……という人のために徒歩であれば100km(徒歩で平均5日)、自転車や馬なら200km分のスタンプがあれば巡礼証明書をもらうことができます(ただしスタンプは必ず、通る村などで一日2つ以上押してもらう必要があります)。ちなみに、僕も予定が限られていたので、100kmぐらい手前の町サリアからスタート(ピンク印/黄色印がゴール)しました。
より大きな地図で サリア→サンティアゴ・デ・コンポステーラ を表示
◆114km手前から巡礼スタート!
それでは巡礼スタートです!サンティアゴ・デ・コンポステーラから114km手前の街サリアからスタートします。「どうしても巡礼証明書が欲しい!」という人はここからスタートすることが多いようです。
このホタテに沿っていけば、巡礼路をたどることになります。大体500m間隔で設置してあります。
サンティアゴ巡礼は古くは951年に最初の記録があり、現在まで人々にとって信仰と向き合う貴重な時間となっているのです。
スタートはどんより曇ってましたが、だいぶ晴れて気持ち良くなってきました。
時期は2013年1月。巡礼のハイシーズンは夏で、冬だとこんな感じです。誰もいないし寒い……。
2日目のスタートは早朝4時。雨がシトシトと降っていて、ちょっとげんなり。
街灯などなく、ヘッドライトで辺りを照らして標識を探します。これを見逃すとルートを外れてしまいます。
昼過ぎまでに25kmくらい歩いたのでちょっとコーヒーブレイク。ちなみにスタンプは教会だけではなく、こういった街のカフェやバル、宿でももらうことができます。
放棄されたような町もあります。夏には宿が再開され、活気が戻るそうです。
今日はポルトマリンから40kmぐらいのメリデの町に宿泊です。時刻は17時ぐらい。疲れた……。
◆残り50kmを一日で歩く!
さて、ここで僕は考えました……残り50kmの行程は2日に分ければ余裕でしょう。しかし、これほどまでに閑散としているのなら、一気にゴールであるサンティアゴ・デ・コンポステーラまで行こうか……。サンティアゴ・デ・コンポステーラには見るものもあるし、ゆっくり出来る。でも……1日で50kmなんて正気の沙汰じゃない。うーん……まぁ、寝て起きたら考えようか。と思って早めに床について起きたのが……
朝2時!これはもう行けというお告げだと思い、朝食をかき込んで出発!
闇夜を煌々と照らす月のおかげで、ヘッドライトもそれほど出番がありません。
この間、犬の群れに追われたり、道を間違えそうになるなどいろいろありましたが、暗くて良く分からないので割愛です(笑)
静謐な雰囲気に呑まれてしまいそう。「健康な足腰がなかったらここまでやれなかったな。親に感謝しないとな」。不覚にも涙してしまいました。
朝靄のかかる寒空の下、心が洗われたと感じた瞬間でした。夏にきれいな景色を見るのも良いけど、冬に一人で歩いて自分と向き合うのも良いものです。
残り10kmほどでしょうか。ついにサンティアゴが近づいていることを示す標識が!
◆聖地で最後に僕が見たもの
そして遂に到着!サンティアゴ・デ・コンポステーラへの入り口です。
街に着いても油断は禁物。ここから教会までが意外と長いのです……。
荘厳な大聖堂……やっと見ることができました。大聖堂では毎日正午に巡礼者のためのミサが開かれ、巡礼者の祖国と出発地が唱えられるそうです。
同じ日に到着した巡礼者と一緒にパシャリ!みんな同じ道のりを通ってきた仲間です。
いかがでしたでしょうか。ただ歩くだけのサンティアゴ巡礼は長く、キツいだけかもしれません。でも、最後に待ち受けている感動は想像以上のものでした。
尚、サンティアゴ巡礼については日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会が詳しいので参考にしてみてください。
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