イスタンブールの「鯖サンド」を日本で作ってみたものの……【再現レストランvol.2】

2013.09.20 09:30 
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こんにちは!旅料理研究家の山本ジャーニーです。連載企画「再現レストラン」の2回目は、トルコはイスタンブール名物「鯖サンド」です!

 

◆イスタンブールという街

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トルコをヨーロッパとするか、アジアに分類するか、あるいは中近東の一国にするかは非常に難しいところで、見解が分かれます。一般にはトルコをヨーロッパ世界とアジア世界の境界と位置づけ、「東西文明の十字路」と言われています。特にイスタンブールはボスボラス海峡を挟んでヨーロッパ側とアジア側に分かれていることから、まさにハイブリッドな都市と言えるでしょう。

大聖堂として創建された「アヤソフィア」。現在は博物館として開放されています。
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アヤソフィアの向かいに位置する「スルタンアフメットモスク」。通称「ブルーモスク」
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ブルーモスクの内部。絢爛の中にも荘厳さが漂います。
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多くの旅行者はこの街を起点にしたり、区切りとしたり、また次の行先を選択するための中継地とします。イスタンブールは旅においても大きなジャンクションとなり、入口であり、出口である街なのです。
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私も2か月かけてヨーロッパをまわったのち、ブルガリアから夜行バスに乗ってイスタンブールに入りましたが、朝焼けに浮かび上がるイスタンブールに旅情を感じずにはいられませんでした。「新しい世界が始まるんだ」、そう思いました。
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◆ゆらゆら揺れる船の上で作られるサバサンド

鯖サンドの本家本元は新市街と旧市街を隔てる金角湾に架かるガラタ橋のふもとにあります。
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ガラタ橋の様子。地元の釣り人でひしめいています。
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鯖サンドは写真中央の船の上で作られていました。
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「何故に、わざわざゆらゆら揺れる船上で?」なんて野暮なことを考えながら、
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順番が来るのを待ちました。
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舟から手渡されたのがこの鯖サンド。鯖の皮がパリッと香ばしく、身は脂でしっとりしています。レタスと玉ねぎのシャキシャキ感とふんわりしたトルコパンと鯖のジューシーさが見事に渾然としています。レモンを絞ればこれがまた全体の味を引き締めグッド!金角湾を眺めながら食べる鯖サンドは格別でした。
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◆鯖サンドを日本で再現!

あの感動をもう一度味わうべく、日本で鯖サンドを作ってみました!

材料は鯖、レタス、玉ねぎ、レモン、フランスパンとお手軽です。
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【行程1】鯖の骨を抜きます。
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【行程2レタスはざく切りに、玉ねぎは千切りにして水にさらしておきます。
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【行程3塩・胡椒した鯖の切り身をオリーブオイルでソテーします。
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【行程4焼いたパンに鯖と、レタス、玉ねぎを挟みます。
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あっという間に完成!
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◆鯖サンドを作ってはみたものの……。

簡単すぎて「再現したぜ」という手応えがあまりありません…。どうでもいいけど、僕、顔でかいですね。
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気持ちを盛り上げるべく盛り方を変えてみましたが、「やってやったぜ!」という気はしません。
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ともあれ、食べてみましょう!
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うーん……。美味しいんです、美味しいんですよ。でも結局のところ、鯖を挟んだパンということで、鯖を挟んだパンの味がするだけで、イスタンブールで食べた時のような感動は正直、ありません…。レシピはほぼ同じハズなのですが。

デスクも「普通に美味い」ですって。
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思うに、欠けていたのは「旅情」というスパイスです。食べ物にも旅情は宿り、そして旅情がより食べ物を美味しくさせると思うのです。やっぱり、様々なものが交錯するイスタンブールで金角湾を眺めながら食べるからこそ鯖サンドは美味いのです。

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そんなことを言ってしまえば、この連載の存在意義が疑われてくるのは必至ですが、鯖サンドについて色々と調べてみたら、驚くべき事実が発覚しました。イスタンブールの「鯖サンド」の鯖はたいてい、ノルウェーの鯖を使っているようなのです。

そりゃあ寿司のネタだって国産でないものが多いですけど、なんか、なんだかね……。

 

文・写真:山本ジャーニー

 


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デスク
世界新聞の通称「デスク」。株式会社世界新聞代表取締役。これまでに35カ国以上を訪れる。 2011年〜1年間の世界一周旅行へ。ブログ村世界一周ランキング1位。2013年、世界新聞を立ち上げる。 著書に「世界一周できませんと思っていたらできちゃった」(幻冬舎) 海外旅行に関する講演もちらほら。

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