タンデム(二人乗り)自転車のsawaです。ボスニア・ヘルツェゴビナといえば2014年のワールドカップに初出場を決めた国ですが、私がヨーロッパ走行中にもっとも印象に残っている世界遺産の一つが、ボスニアのスタリ・モスト橋です。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の悲劇を背負った美しい橋をレポートします。
photo by jrover
「負の世界遺産」スタリ・モスト
スタリ・モストはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で破壊されたことから「負の世界遺産」と言われています。日本では広島の原爆ドームがあたります。「負の世界遺産」のリストはこちら
負の世界遺産とは、世界遺産の中でも人類が犯した悲惨な出来事を伝え、そうした悲劇を二度と起こさないための戒めとなる物件を指すそうです。wikipediaより引用
スタリ・モスト橋がある街モスタルはボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボの南西70キロのところにあります。アドリア海沿いのクロアチアの街からもアクセスできます。
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アドリア海の美しさは有名ですが、モスタルまで続くネレトヴァ川もエメラルド色でした。
のどかな風景が続きます。かつて紛争の激戦地だったとは信じられません。
ミナレット(モスクに付随し礼拝時刻の告知などを行う塔)があります。ここはイスラム圏なのです。
石作りの歴史ある街モスタルに到着です。旧市街とスタリ・モスト橋が世界遺産に登録されています。
2つの民族を分ける橋
スタリ・モスト(古い橋の意味)は、モスタルにある16世紀の橋で、市内を分けているネレトヴァ川に架かっています。街の象徴であるこの橋は紛争中の1993年11月9日、クロアチア系のカトリック民兵によって破壊されましたが、その後復興工事が完了し世界遺産に登録されました。wikipediaより引用
このネレトヴァ川によって街はカトリックのクロアチア人とイスラム教のムスリム人の居住区に分かれているそうです。破壊されたとは思えない美しい橋です。
橋上は急こう配のために階段状になっています。橋は破壊されて川底に沈んでいた石を引き上げ再建したそうです。
スタリ・モスト橋から川を覗き込むと……結構な高さがあります。
今でこそ平和なこの街も、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中はこの川を挟んで、住民同士が争っていたとの事。
ムスリム側も狭い路地にお土産屋やカフェが並びいい雰囲気です。
両側とも華やかで観光客も多く、モスタルの街は完全に復興したかの様に見えます。
今なお残る戦争の傷跡
今も、クロアチア人とムスリム人はお互い川を渡りたがらないと聞きましたが、スタリ・モスト橋が両民族の架け橋になる日はくるのでしょうか?
文・写真:hirokazu sawa
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