海外を旅していると、日本ではありえない宿に遭遇することがあります。世界一周して、もっとも忘れられないのが、「エルサルバドルの幽霊宿」でした…。
出会っていないだけ
霊感のある人とすすんで友達になろうとしたことがあるくらい霊感がない、デスクです。
さて、夏と言えば怪談ですよ。
とはいえ海外を旅していると怖いのはむしろ、強盗、山賊、無防備な自分など、主に「人間」な訳です。だって、「幽霊」は首にナイフをあてがってきたりしないですからね。
だから、霊的なことって旅人の間でもあまり話題にならないのが実情だったりします。
でも、そういう人って、出会ってないだけだと思うんです。
幽霊宿に。
「救世主国」エルサルバドル
世界一周中、中米エルサルバドルでのことでした。
中央アメリカ5カ国のうち、唯一カリブ海に面していない。首都はサンサルバドル。スペイン語で「救世主」を意味する。漢字では救世主国と表記される。(Wikipediaより引用)
首都・サンサルバドルに着いた僕は、いつものようにガイドブックに載っていた一番安い宿へ向かいました。
路上で「叩き売り」が行われていました(右の男性がマイクで集客)。寂れた印象のある街です。
他を当たろう…
こちらが、その宿です。写真右側がフロントです。
写真で見ると、なかなかのオーラを放っていますが、この時は「薄暗い宿だな」ぐらいにしか思いませんでした。
呼び鈴を鳴らすと、一人の男が。
むしろ、ボソボソと話すその男の印象が悪く、「15ドルは高い」と外へ。
しかし、他の宿を当たるも結局いい宿が見つけられず、しぶしぶ舞い戻ることに。
扉を開ければ異空間
上の写真の階段を上がった2階に僕の部屋がありました。「やけに椅子が多いな」と思いながら部屋の扉を開けると…
これです。
伝わりますかね?
この独特の雰囲気。
ドアを開けた瞬間、異空間に迷い込んだような間隔に陥りました。
広いんですよ。不自然な広さなんです。
全くリラックスできない
そして、この壁。何ですか?この鈍く光る銀色は…。
壁紙にアステカっぽい模様が描かれています。確かにここはアステカ文明が栄えた場所に近いですけど…。
そして、一番の問題はこれですよ。
なんでかなー…赤い必要あったのかなー。
また気味悪いことに、このドア、ロックされてました。
ふだん、宿に着いた時って疲れてることが多いんで、一番ホッとする時間なんですよ。ベッドに寝っ転がって一息ついて、そのまま寝ちゃったりもしますが…
全くリラックスできないです。
ソファに浅めに腰掛けて、部屋を見回しては「うわぁ…」ってため息しか漏れないです。
仕掛けだらけのバスルーム
部屋の中にあるバスルームもなかなかの雰囲気を醸し出しています。オレンジと黒のコントラストが受け付けないです。バスタブの上は、
こんな感じ。ここまでくるともう、ちょっと笑えてきます。
そういうテーマパークにすら思えてきます。その時……何かがぶつかって足下を見ると、
謎の鉄の棒が突き出ています(笑)。
こちらもシャワースペースかと思いましたが、シャワーヘッドはどこにも見当たらず…。こういう意図が分からないものが人間、一番怖いのかもしれません。
本格的に面白くなってきた僕は、気づけば夢中で写真を撮っていました。
朝まで耐えられるのか…
興奮から醒めた僕は、宿を移ろうかどうか真剣に悩みはじめました。
しかし、もう日は暮れていて、外は出歩きたくない。
でも、朝まで耐えられるのか…?
二つの思考がぐるぐるとこの無駄に広い空間に飛び交った結果、泊ることにしました。
そして、翌朝4時頃に目が覚めた僕は、逃げるようにチェックアウトしたのでした。
どんな豪華で綺麗なホテルより、こういったホテルの方が印象に残るのかもしれません。今となってはいい思い出です…
というか、何か、映ってないですよね?
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