ペルー・マチュピチュへの行き方の1つとして、バックパッカーに人気のスタンドバイミーロード。線路をたどるスリリングな様子を紹介します!
マチュピチュ村へ続く村、通称「スタンドバイミーロード」
こんにちは。最近、アウトドア系の記事が多いですが、実は根っからの超インドア系旅人のカイです。
誰もが知る世界的な観光地マチュピチュ。
お金に余裕のある旅行者は豪華列車に乗って向かいますが、バックパッカーの定番は徒歩。
マチュピチュへと続く意外と過酷でスリリングな10kmの道のりを歩いたらどうなるか、体当たりレポートです!
スタンドバイミーロードのスタート地点へ
今回ご紹介するマチュピチュ村までのハイキングは、線路の脇を黙々と歩いていくその様子から、バックパッカーの間で「スタンドバイミーロード」と呼ばれています。
スタンドバイミーロードの起点は、マチュピチュがあるマチュピチュ村の手前約10kmに位置する水力発電所(Hidroelectrica)。
水力発電所までは、マチュピチュ観光の拠点の街クスコからツアー会社が運行するバス(バンと言った方が正しいかも)に乗って向かいました。
朝8時頃にクスコの街を出発したバンはうねうねとした山道を進み、途中休憩などを挟んで15時頃にスタート地点の水力発電所に到着しました。
水力発電所にはすでに多くのハイカーが集まっていて、結構な熱気。皆ここからマチュピチュを目指すのです。
ここからマチュピチュ村(現地名:アグアス・カリエンテス)へ徒歩で向かいます。
マチュピチュ山を囲むように流れるウルバンパ川に沿って歩いていきます。
意気揚々とスタンドバイミー開始
午後3時過ぎ、水力発電所を出発。スタート地点には小さなカウンターがあり、ハイカーは名前と出身国を記入します。
線路の横を歩くため違法なのかなと思っていたのですが、しっかりハイキング旅行者にも市民権が与えられているようです。
このカウンターを越えて10分ほど歩くと、線路と列車が目に入ってきました。ついに、ここからスタンドバイミーの開始です。
豪華列車には目もくれず列をなして歩いていくバックパッカーたち。その数の多さにけっこうびっくり。
日本のみならず世界中のバックパッカーにとっても、スタンドバイミーロードはかなり有名みたいです。
やや競争気味なスタンドバイミーロード
線路を数十メートル歩くと徒歩旅行者用の標識があり線路を少しそれました。あれ、線路は歩かないのかなぁと思っていると、
もう一つの線路に行き当たります。この線路に沿ってひたすら歩いていくようです。
大きなザックを背負ったバックパッカーもちらほら。線路脇を列になって進みながら歩いていきます。
マチュピチュ村には多くの宿がありますが、人気の宿は早い者勝ちで埋まっていくので、皆けっこう急ぎ足で歩いていくのです。
線路の上や脇を歩くのですが、これがけっこう疲れるし歩きづらい。意外と体力を消費していきます。
スタンドバイミーロードには危険な道も
線路沿いを進んでいくと、大きな鉄橋に行き当たります。趣があってなんともいい感じ。まさにスタンドバイミー!
もちろん、鉄橋の上を渡るのではなく、となりにはきちんと歩道が。
下は近年まれにみる大雨の影響で濁流と化した川が茶色く流れています。
ここで旅行者は一休みを兼ねた写真タイム。あまりはしゃぎすぎると、鉄橋の隙間に落ちて濁流に飲み込まれるので注意です。
そのほかにも、線路の下が落ちて川になっているところなど、注意して歩かないと怪我する場所がチラホラ。気が抜けません。
普通に列車も通る
歩き始めてしばらく経ち、だんだんと線路を歩くのにも慣れてきたときに、遠くから「プアーーン」と汽笛の音が!
当たり前ですが、この線路は廃線ではなく現役。旅行者を乗せて豪華列車が最長ではクスコからマチュピチュ村までをつないでいるのです。
線路のいたるところには線路の上を歩くな危険の標識があり、電車がくると前を歩いている旅行者が「クイダード!(気をつけろ!)」と叫んで教えてくれます。
けっこうこれがスリリングで、鼻先を掠める近さで減速もせず通り過ぎていく列車はど迫力。一歩間違えれば大惨事ですね。
足を取られないようにしたばかり見て歩いていると、前からは高速で走ってくる列車。このハイキング、かなりスリリングです。
開始2時間、楽しくなくなる
早くマチュピチュ村までたどり着こうと一生懸命に歩いていたのですが、やはり欧米人バックパッカーたちに置いてきぼりをくらう筆者。出発してから早2時間、刻々と夕闇がせまってきました。
最初は楽しかった線路もこの頃にはただの忌々しい歩きにくい障害物にしか思えません。
深い山々の影を見ながら、マチュピチュを発見した探検家ってこんな中一人で山の中を探し回って偉大だなぁと、しみじみと思ってしまいました。
開始3時間、完全に暗闇になる
そうこうしている間に、マチュピチュ村まであと少しの地点で陽が落ちて完全に暗闇になってしまいました。この時すでに3時間近く歩いていたので、けっこうヘトヘト。
最後の名所(難所)と言われるのが長く続くトンネル。このトンネル内にいるときに電車がきてしまうと完全にアウト。
しかも暗闇なので、電車側が気づきにくく大変危険。写真など撮っている暇もなく、トンネルを急いで歩きます。
すると、前方から汽笛の音が!前をみると電車のライトが迫ってくるではありませんか!
幸いトンネルを出た直後だったので、すぐに脇の茂みに飛び込んで事なきを得たのですが、写真を撮ろうとカメラに集中しすぎてあわや接触しかけてしまいました。
もう少しで鼻が持って行かれるとこでした。危ない、危ない。
恐怖のせいで、この後しばらく心臓がバックバクだったのは言うまでもありません。
暗闇の中、スタンドバイミー終了
接触事故を起こしかけたりしながらも、出発してから3時間以上経過した18時過ぎになんとかマチュピチュ村へ到着。
街の明かりが見えた瞬間は、達成感やら無事ついた安堵感やらで、泣きたい気持ちでした。
先を歩いていた旅行者たちの姿も街中にちらほら。写真はマチュピチュ遺跡へ向かうためのバスチケット売り場。
皆、翌日のマチュピチュ観光に備えている様子。同じ道を歩いてきた者同士、何だか親近感が湧いてしまうから不思議です。
3時間以上かかってしまいましたが、マチュピチュ観光の前の一仕事をやり終えてすっきりした気分で明日のマチュピチュへと備えることができました。
マチュピチュからの帰路は電車
スタンドバイミーロードを踏破した翌日、生憎の雨ではあったのですがマチュピチュ観光を存分に楽しんだ筆者。マチュピチュからは昨日歩いた線路が肉眼でもはっきり見る事ができました。
帰りは、水力発電所までクスコからツアー会社のバンがお迎えに来てくれるので、そこまでまたスタンドバイミーロードを歩いて戻るのが普通なのですが、はしゃぎ疲れてダウンしてしまった筆者は、結局、豪華電車に乗ってしまったのでした。
車窓からは一昨日の自分と同じようにバックパッカーが列をなして歩いている姿が。歩いて3時間かかった道ですが列車では30分で到着。
快適ですが値段もやはりそれなりでした(水力発電所までで片道31ドル)
けっこう疲れるしあわや惨事でしたが、マチュピチュまで歩いてみて、けっこう楽しかったなというのが素直な感想。
手軽に簡単に目的地に行くのもいいけれど、少し大変な思いをする方が記憶に残ったりするもので、筆者のマチュピチュ観光も道中を含めてかなり濃い思い出となりました。
体力に自信がある人もない人も、一つの思い出としてスタンドバイミーロードを歩いてみてはいかがでしょうか。一味違ったマチュピチュの思い出ができるかもしれませんよ。
以上、ペルーよりカイでした。
カイリカコ
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