ペルー・ワラスの世界遺産 「ワスカラン国立公園」に存在する青の湖・ラグーナ69(Laguna 69)を目指し、高度4500mのトレッキングに挑戦してきました!
こんにちは。世界放浪も1年を過ぎて絶賛運動不足ぎみの旅人、カイです。
ペルー北部・ワラス近郊にある青い湖ラグーナ69。4500mを超える山の先にある湖を見に、登山初心者の筆者がかなりしんどい思いをしながら行ってきました。
今回紹介する青い湖があるのはペルー北部のワラスという小さな街。
南米の登山といえばチリ・アルゼンチンにまたがるパタゴニア地方があまりにも有名ですが、ここワラスも旅人の間では有名な登山・トレッキングのメッカ。
アンデス山脈の麓に位置し、街からはペルーの最高峰ワスカラン(6768m)の頂を望むことができます。
今回目指すラグーナ69は、世界遺産でありペルー最高峰をいただくワスカラン国立公園の中にあります。湖自体はチャクララフ山(6112m)の南壁にある氷河湖で、4550mの高所に位置するのだとか。
ワラスの町中には多数のツアー会社があり、登山口への送迎とガイドが付いて相場は30ソル(1050円)程度。筆者は、宿と提携しているツアー会社があったので、トレッキング前日に宿のオーナーにお願いをして申し込んでもらいました。
ツアーを蒸し込んだ次の日の早朝5:20に宿にピックアップの白バンが到着。眠い目をこすってバンに乗り込み、ラグーナ69への旅が始まります。
白いバンはこんな感じ。いたって普通の白バンです。
いくつかの宿を回って他のツアー客を拾ったあと、ワラスの街から3時間ほどバンを走らせて登山口まで向かいます。走り始めてすぐにペルー最高峰ワスカランが見えました。雪がかかったアンデスの雄峰はとてもかっこよかったです。
ワスカラン国立公園の入り口で、入場料10ソル(350円)を別途支払い、バンはさらに山深き場所へと入っていきます。氷河湖として有名なヤンガヌコ湖を通って少しいくと登山口とへ到着です。このヤンガヌコ湖も絶景。
6時頃にワラスの町を出たバンは9時過ぎにラグーナ69への登山口に到着しました。写真奥、矢印の下の雪山が、目指すラグーナ69がある場所とのこと。けっこう遠いなぁ…。
トレッキングのスタート地点で標高は3800mほどあり、すでに富士山の頂上並みの高度があります。
ここでガイドさんから、12時半までにラグーナ69へ行き、遅くとも3時半までにはスタート地点に戻ってくるようにとの指示がありました。登山もトレッキングも初めての筆者。少々緊張気味でスタートです。
まずは谷底の平原を流れる川沿いを歩いていきます。ここはまだ平坦な道が続き、とても牧歌的な雰囲気。屈強な欧米人トレッカーたちは颯爽と歩いて行ってすぐに見えなくなってしまいました。
たんぽぽなんかも咲いて、いい雰囲気。まだまだ筆者も元気です。
牧歌的な景色を通り過ぎると徐々に登り道になってきます。すでに標高は4000mを超えているようで、少し歩いただけでも息が切れる状態。
登りの途中にあった牛小屋。この時点でけっこうしんどかったのですが、まだ景色を楽しむ余裕はありました。
まだまだゴールは見えませんが、遠くに望む雪山や歩いてきた道のりはまさに絶景。この時点まではトレッキングを楽しめていた筆者です。
長い登り道を登りきると平坦な場所にでました。遠くでは牛さんたちが草を食んでいます。
これはゴールが近いのでは!と思い足取りも軽くなる…かと思いきや、なんとゴールは前方の大きな岩山を超えた先にあるそう。
長い山道を超えてすでにへとへとでしたが、最後の試練だと言わんばかりに、今までで一番の急な登りが待っていました。
しかもいままでの道と違って、下は砂利道で歩きにくいことこの上なく、一歩進むたびに息が切れ、自分の体重で足が砂利に沈み、「たぶん人生で一番辛い一歩だ…」と一歩踏み出すたびに“人生イチ辛い”を更新し続けながら歩きました。
友人と2人で登っていたのですが、一人だったらこの時点で諦めていたかもしれません。高山病こそ発症しませんでしたが、それくらいきつかった…。
これはもうダメだ…と思いながらも少しずつ前進していき、やっとこさ砂利道を登りきったときに前方に小さく、青く光る湖が!
「いままでの辛さが全てふっとぶくらいの美しさ」と出会った旅人が言っていましたが、まさにそれ。言いようのない達成感が胸いっぱいに広がります。「来てよかった」と心底思った瞬間です。
青い湖と雪山の白、湖とは又違った深い青色をした空のコントラストはまさに絶景。
ラグーナ69のすぐ後ろにはチャクララフ山(6112m)の南壁が大きな壁のようにそびえていました。
ちなみに標高4500mを超えるこの氷河湖は太陽の日差しを厳しいものの、やはりかなり冷えるのですが、同じツアーに参加した欧米人トレッカーたちはパンイチで泳いでいました。さすがです。
結局9時にトレッキングをスタートさせ、湖に到着したのが12時半を過ぎた頃。トレッキングになれた人であれば2時間半、通常3時間程度かかると言われていた行程ですが、通常時間よりも30分以上もオーバーしてしまいました。運動不足の初心者にしては頑張った方ではないでしょうか。
絶景を堪能して少し休憩したあと、スタート地点へ戻ります。時刻はすでに1時を過ぎているので、制限時間の3時半まであと2時間程度しかありません。ゆっくり帰りたいところですが、下り坂を駆け下りるように早足で戻ります。
息を切らしながら山道を下りスタート地点近くの平原へ。地面が平だということがどれだけ幸せなのかを痛感しました。
行きは少し曇っていたのですが帰りは太陽も出てきて雪山がくっきり。「お疲れ様」と言われているようで嬉しかったです。
最後は地面をはいつくばるように最後の坂道を登ってなんとか制限時間ギリギリにゴール。3時半ぴったりにスタート地点に戻ってくることができました。ガイドさんがくれたコカ茶が疲れを癒してくれます。
一緒に歩いてくれた友人の靴。一応軽いトレッキングにも対応したスニーカーらしかったのですが、この通り靴裏がベロリ。山道の険しさを物語っていますね。
アンデスの山奥にある絶景、ラグーナ69。登山初心者の筆者でもなんとか行って帰ってくることができました。途中の道は正直とてもしんどかったのですが、その辛さを乗り越えたからこそ味わえる絶景は格別のものでした。
4000mを超える場所での長時間のトレッキングなので、わたしのような初心者の皆さんはワラス(高度3000m)で何泊かして高度順応をしてからのチャレンジをおすすめします。
「登山=ただ辛いだけ」のイメージがあった筆者ですが、今回はじめてしっかりとしたトレッキングを経験し、少しだけ山の楽しさがわかったような気がします。ちょっぴりはまりそう。
たどり着くにはけっこうしんどい思いをしますが、その先にある神秘の青い湖は見に行く価値大ありです!
以上、ペルーよりカイでした。
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