グアテマラのレストランで煮ネズミを発見。体毛もついていて怖かったのですが、食べてみると……独特の風味に豊かな食感、すごかったです。
こんにちは。食生活だけは肉食系、あとは草ばっかり食べてる旅人のカイです。
中米グアテマラを旅していたら、マヤ時代から伝わる伝統的なネズミ料理に出会いました。そのネズミの特徴はなんとベジタリアン。聞くと彼らはフルーツと一部の植物しか食べないそう。
肉とビールをこよなく愛する私としては食べないわけにはいかないということで、草ばっか食べてるネズミを、肉ばっか食べてる私が問答無用で食してみました。
中南米に生息する大型のネズミ、テペスクイントレ。ネズミといえば雑食のイメージが強いですが、このネズミはバナナなどのフルーツを主に食し、肉類や昆虫は食べないというベジタリアンなネズミとのこと。
レストランの親父に写真撮影を断られたため、下手と言ってあまりある画力を総動員して描いたテペスクイントレがこちら。
メキシコやグアテマラをはじめとする中米地域と一部の南米に生息していて、イノシシの子供ウリボーに似た模様を身体に持つのが特徴です。人間との関わりは古く、彼らの肉は古代マヤ時代から食されてきたそうです。
本物はこんな感じ。
出展:Lowland Paca near Las Horquetas, Costa Rica. by © Hans Hillewaert /
今回、ベジタリアンなネズミを食するのはティカル遺跡で有名なグアテマラ北部フローレスにある、グアテマラ料理のレストラン「ラメサ・デ・ロスマヤス(La Mesa de los mayas)」
レストランはホテルと併設されていてフローレス島の中心地にあります。
ここではテペスクイントレ以外にも様々なグアテマラ伝統料理を食べられます。アルマジロなども珍味もありました。(メニュー1番下 / 残念ながらシーズンではなく注文できませんでした)
テペスクイントレは、メニューから読解するに、どうやら肉を煮た料理のようです。一体どのような煮ネズミが出てくるのでしょうか。ビール片手に期待とちょっぴり不安も含めて待ちます。
待つこと15分、ついにベジタリアンの煮ネズミが運ばれてきました。薄く味のついたご飯と炒めた野菜、さらにトルティーヤもついてかなりのボリュームです。
甘辛そうな見た目はかなりおいしそうですが、ちらほら体毛が見えるのが珍味っぽさを醸し出しています。
体毛が少々気になってしまいましたが、恐る恐るフォークを進めます。意外と柔らかく、ナイフを使わなくてもほろっと煮崩れるほど良く煮込まれていました。食べてみると…
豚の角煮を彷彿とさせる舌触りに思わず、うまい!と叫べます。まさしくビールが進む味。厚い脂身の下には比較的さっぱりとしたお肉があって、そちらは鳥のモモ肉のようでした。
一口目の感想としては「脂身、すげーな」でしたが、我ながらネズミの意外な美味しさがが表情に出ていると思います。
ちなみにネズミのお肉は二つのパートに分かれていて、手前(左)と奥側(右)ではまたその味が変わるから不思議…。
一口目と比べてさっぱりしていて、「お、絞まってる!」といった印象。例えるなら、小骨の多い鳥の胸肉のようで、エジプトで食べたウサギに似ているなぁ…と個人的に思いました。
また、テペスクイントレの肉は全くと言っていいほど臭みがなく、どことなくフルーティな風味さえ感じました。やはりベジタリアンなだけあって肉の質もベジタリアン仕様なのかもしれません。
なんでもトルティーヤにはさんで食べるといっても過言でないほど、トルティーヤを愛しているグアテマラ人。もちろんトルティーヤもついてきたので、せっかくなのでグアテマラらしくベジタリアンネズミもまいてやりたいと思います。
ご飯や野菜と一緒にテペスクイントレをセット。
ちなみに、グアテマラ人は米を野菜もしくはおかずとして据えている節があり、食べ合わせなど全く気にせず、混ぜていきます。
はい、食べたらこの笑顔。
甘辛いネズミの肉とトルティーヤや他の具材が口の中で混ざり合い、お肉だけを食べたときとはまた違った楽しさがありました。個人的にはトルティーヤにまいた方が好みでした。
最初は恐る恐る食べはじめたのですが、食べ進めるうちにその濃厚な脂身と臭みのない食べやすいお肉に夢中になっていきました。ゲテモノ初心者のわたしとしては少々不安気にかぶりつきましたが、想像以上においしくいただくことができました。
食べやすく、見た目もほぼ普通のお肉なので、ゲテモノ初心者にはチャレンジしやすい一品ではないでしょうか。
少し変わったものを食べてみたい、でも少し怖い・・・と思っているそこのあなた!中米グアテマラで、マヤ時代から伝わる珍味テペスクイントレに是非挑戦してみてはいかがでしょうか。
以上、グアテマラよりカイでした。
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