スラム街といえば暗いイメージがありますが、メキシコ・パチューカのスラム街「パルミタス」はなんと…常識を覆すレインボーカラー!中を歩いて見たものとは…!?
お酒とおねーさんと音楽が大好きなアラフォーバックパッカー、ナシオです。今回はメキシコシティーの北に位置するイダルゴ州の州都パチューカに、アートの力で生まれ変わったスラム街「パルミタス」があると聞き行ってきました。
メキシコ内務省主導のスラム改善プロジェクトにより、民間グラフィックアーティスト「Germen Nuevo Muralismo Mexicano」を起用してパルミタス地域に誕生した巨大な壁画。2014年から始まり500万ペソの予算と15か月の期間を要した。
…パチューカの「La Bella Airosa(風の花嫁)」という伝説へのオマージュとして、流れる風の様なデザインになったそうです。
アクセス:首都メキシコシティーからパチューカはバスで約一時間半(estrella blanca社のバス、98ペソ)。パチューカ中心地からパルミタスは徒歩約30分。
メキシコ最古のクラブチーム「CFパチューカ」の本拠地でもあるパチューカのシンボルの時計塔。ここからパルミタスへは徒歩で向かいます…
パルミタス付近には、アートプロジェクトの概要を記した看板がありました。
訳:1800人以上の住民と450以上の家族の協力、200軒以上の家が塗られ、2万平米のエリアが塗られた。
パルミタスを一望できました。丘にへばりついた家々のカラーが繋がり、一つの大きな壁画のように見えます。
色の塗られていない集落(右側)と比べると鮮やかさが際立ちます。
治安が良くなったとはいえ、中に入るのを躊躇っていましたが、巡回する警察官の姿もあり、思い切って中に入ることに…
こんなカラフルな階段を見たら登らずにはいられませんけどね…。
遠くからは見えませんでしたが、内部には沢山の絵が描かれていました。それにしても坂がキツい…
実はこのキツい坂が、パルミタスのスラム化と関係があるようでした。宿のスタッフ曰く…
鉱山で栄えていた頃、お金持ちや鉱山のボスは移動の楽な平坦なエリアに住み、労働者階級たちは坂の厳しいエリアに住んでいた。その結果、坂の多いエリアに低所得層が多く住むようになった…。
プロジェクト前のパルミタスではギャング抗争などで夜は出歩けなかったそうですが、今では監視カメラも設置されたりして犯罪率は減少したそうです。
これだけ街並みが明るくなれば、住民達の心も明るくなりそうですが…
正直、パルミタス内部では時折鋭い視線を感じたりもしました。「笑顔溢れる素敵な街」ではなく、まだどこか昔の影を引きずっているような印象を受けました…。
ただし…犯罪が減っているのは事実ですし、パルミタスの未来が色とりどりに塗られた壁のように明るいものである事を信じたいと思います。
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