「地球最後の秘境」と呼ばれるギアナ高地。エンジェル・フォールの麓に住む少数民族・ペモン族の村に2ヶ月滞在してきました。
小型飛行機を3回乗り継いでいく秘境
こんにちは、ライターの宮﨑大輔(@JIBURl)です。青年海外協力隊・野菜栽培隊員のOBで、現在はフリーで海外農業コンサルタントをしています。
今回は、南米ベネズエラの少数民族ペモン族の村に滞在した時のお話です。
ペモン族の村がどのくらい秘境かというと、
◆村までは陸路がないので、小型飛行機か木の小舟で行くしかない
◆首都カラカスから飛行機で行く場合には、小型飛行機を3回乗り継がないと着かない
◆電気、水道、ガス、インターネットはない
私が2ヶ月間暮らしたのは、カナイマ国立公園にあるカバック村。
エンジェルフォールの麓に住むペモン族
ちなみに小型飛行機は5人乗りで、ペモン族の村にある滑走路はただの草むらでした(笑)
そしてペモン族の村にある空港がこちら…開放的で斬新なデザインですね!
集落の後ろに見えている山が「アウヤン・テプイ(悪魔の山)」と呼ばれるテーブルマウンテンで、世界最高落差の滝エンジェル・フォールが流れています。
エンジェル・フォールの高さはおよそ1kmもあり、水が地面に到着する前に霧に変わってしまうので、なんと滝壺がありません!
観光客には人気の観光スポットですが、ペモン族は「アウヤン・テプイには神々が住んでいる」と考えており、祟りを恐れてうかつには近づきません。
また、この地域はペモン族の自治区なので、ベネズエラ人であってもペモン族以外は定住することが禁止されています。
そのため、私はこの村に長期滞在するために「族長の特別な許可」を得て、二ヶ月間生活することができました。外国人が長期滞在することは非常に珍しく、日本人としては史上初めてだと思います。
ペモン族にふんどしをプレゼントされる
ペモン族はもともと裸族で、木の皮を剥いて作ったふんどし一枚だけで生活していました。最近では洋服を着て生活していますが、歓送迎の儀式では今でも伝統衣装を着て舞いを踊ります。
私は二ヶ月間生活を共にした最後の日に、ペモン族の男性から「お礼の印」としてふんどしと弓矢と楽器を頂き、一緒に舞いを踊りました。
伝統衣装を着るときには、顔や体に動物や自然の紋章などの模様を描きます。首飾りにも意味があり、男の子がつけている「牙の首飾り」は首長の証です。
ペモン族の舞いは焚き火を囲んで、みんなで列になって歌を歌いながら踊ります。歌詞はもちろんペモン語。
私も挨拶くらいは話せるようになりました。
ふんどしで生活して気づいた真実
嬉しくなってふんどし姿で少し生活してみましたが、日差しをモロに受けるので暑いですし、少しでも風が吹くと寒いです。
しかも、木の皮でできたふんどしは通気性が悪いので、ケツ汗を大量にかきます。
ふんどしを履くとケツ汗がヤバイ、って知ってましたか?
こちらの写真のように彼らも普段は洋服を着ていて、最近では伝統衣装を着るのは観光客からショーを頼まれた時くらいです。
そもそも私がこの村に滞在したのはペモン族から農業指導の依頼があったからで、2ヶ月かけて彼らに野菜の育て方や有機肥料の作り方を教えました。
隣の村にある学校の先生から「私たちにも野菜の育て方を教えてほしい!」という連絡をもらったので、今年もこの村に泊まり込んで農業指導をする予定です。
ふんどしの真実(おまけ)
せっかくふんどしをもらったので、世界一の絶景スポットである南米ボリビアのウユニ塩湖でもふんどし姿になってみましたが、女性からモテなかったのでおすすめしません。
しかも塩の照り返しのせいで、お尻の日焼けがヤバかったです。
世界的に有名なエンジェル・フォールがあるカナイマ国立公園には、実は独自の文化を持った少数民族も暮らしています。
エンジェル・フォールに行った際は、ペモン族の文化を学ぶのもおすすめですよ。
参考リンク:ベネズエラのカナイマ国立公園に暮らすペモン族の村で47日間農業を教え、テーブルマウンテンに登頂したよ
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