メキシコ人の日本に対する印象に「餅がうまい」というのがありました 笑
もっと深くその国を理解できないか?
皆さん、こんにちは。旅するライターの黒田絢子(運営サイトはこちら)です。日本を離れて早8ヶ月、キャンプとトレッキング三昧の日々を送ったオセアニアから、私たち夫婦は今、メキシコに滞在しています。
アウトドア好きと言っても、国によってはその大半を町中で過ごし、普通に観光旅行をしています。旅が長期化すると、色々なことに感動が薄れてしまったり、自分の旅のスタイルに疑問がわいてくることもあります。私たちも「観光は楽しいけど、現地の人と友達になれていない。もっと深くその国を理解することはできないだろうか……」と考えていました。そこで、出会ったのがカウチサーフィンです。
お宅訪問で見えてくる「リアルな事情」
カウチサーフィンとは?
原則無料で、世界各国の現地のお宅にホームステイさせてもらうwebサービスです。滞在先は、家族、単身者、学生のお宅など様々で、興味のある人に「泊めてください!」とリクエストを送り、宿泊のお礼に異文化交流をすることでお返しをします。一緒に観光地を案内してもらったり、食事を共有したり、意見交換をしたりと現地人と密な時間を過ごすことができます。
そんなカウチサーフィンを使って現地でお宅訪問し見えてくるその国を、連載で月1(月初めに掲載予定)でレポートします。第一回はメキシコ編です。
メキシコでお宅訪問
地理的には北アメリカに属し、米国と同様のフランチャイズ店舗が多く並びながらも、ラテンアメリカの代表として文化を発信するメキシコは観光資源の宝庫です。ですが、日本人にはタコスやソンブレロ、メキシコ版レスリングのルチャリブレといったイメージの他に、どこか危険な国といった印象が先行するのでは?家庭訪問によって、メキシコはどのように印象が変わるのでしょうか。
メキシコの若者はシェアハウス暮らしが多い?
今回私たちがメキシコシティでお世話になったのは、社会人1年目のホルヘのお宅です。
ホルヘは大学時代の友人ラウルと、そのお兄さんアドリアンなどと計4名で2ベッドルームの物件に住んでいます。メキシコの他の街でもお宅にお邪魔しましたが、若者のシェアハウス生活はよくあることのようです。メキシコのお宅は、タイル貼りの床が多いです。
ホルヘはプログラマーとして働いていますが、メキシコの企業は土曜日が仕事のこともあり、一般企業に務める場合大型連休がとりにくいそうで、「1年働いたらドイツに行きたい」と言っていました。
ただし、大卒で将来的に海外勤務も意識する人がいる一方で、先住民や教職員による抗議運動(写真)が多いなど、メキシコの多様性を感じました。
抗議活動は、公園などにテントを張って半年など、長期間に及ぶそうです。
「音楽とダンスを愛する」のはホント
メキシコ音楽として有名なマリアッチですが、日本の演歌のような存在かと思いきや、20代の彼らもマリアッチを家で聞いています。マリアッチはこんな音楽です。
さらに、音楽とダンスをこよなく愛する文化というのは評判通りのようで、「メキシコ人男性は女性にセレナータという愛の歌で想いを伝える」「女性はイケメンよりもダンスのうまい男性を選ぶ」といった恋愛事情も聞こえてきます。ちなみに、「セレナータを誰かに歌ったことがあるか?」と聞くと、みんなまだ経験がないということだったので、真剣交際の際に歌うようですが、メキシコ人男性はとてもロマンチックですね。
音楽については劇場に行かなくとも、下記のようなyoutubeの動画を彼らから見せてもらうことで、十分に理解することができました。
日本は「もちがうまい」
日本に対する印象を聞くと、「進撃の巨人」、「物価が世界一高い国」、「日本人は賢い」、「もちがうまい」といった回答がかえってきました。また、ゲーム文化はこちらでも「日本が元祖」という知名度がしっかりとついていました。
「ストリートファイターⅡは日本のゲームだろ?」とこんな動画を紹介されました。おもしろ動画は万国共通ですね。
またラウルは折り紙が日本人よりうまく、逆に日本人の私たちが教わってしまいました。折り紙が世界に誇れる日本文化であることを再認識することも出来ました。
和食とメキシカンのレシピ交換
彼は、料理をつくることも好きだったので、こちらが親子丼を振る舞ったり、レシピを交換したりもしました。ちなみに、みんなぺろりと完食です!
こちらは、自宅で振る舞ってくれたエンモラーダス(トルティージャにソースをかけた料理)という料理。タコスやサルサなど、スパイシーな印象のメキシコ料理ですが、
お米のデザート「アロス・コン・レチェ」 などは、辛いものが苦手な人でも楽しめ、メキシコ料理の奥深さを知りました。
ちなみに、家にはラウルの親戚からみかんとサトウキビの仕送りが届いていました。この辺りは、日本とかわりませんね。
メキシコ人が残念に思うこと
何より滞在して思ったのは、スリや強盗と行った犯罪が多いという印象のメキシコシティは、街中にたくさん警察もいますし、深夜近くに地下鉄を利用しても、夜道を歩いても、怖い思いをすることは全くありませんでした。また、メキシコ人に話を聞くと、自国が危険な国と思われていることをとても残念に思っています。
メキシコは地方ごとに文化が多彩で、それを非常に誇りに思っており、旅行者と見れば道案内、料理の注文などこちらから頼む前に助けてくれる素敵な人がたくさんいる国でした。
お宅訪問で感じた3つのこと
カウチサーフィンを通して知れることは、家庭料理や地元民だけが知っている観光地の開拓だけではありません。今回、ホルヘ宅を含め、メキシコでは3件のお宅にお邪魔しましたが、共通して感じたことが三つあります。
一つ目は、政治的な抗議活動に寛容な文化であること。
二つ目は、職場の同僚とルームシェアをし休日も過ごしていたりと、人との関係が密接で公私を分けないこと。
三つ目は、経済的に豊かな人でも洋服とパソコン以外の私物を所有しないこと
です。
特に人との繋がりに関しては、日本で公私を分けて生活していたことについて、考え直すきっかけになりました。
カウチサーフィンを利用することによって、明らかにその国への理解度は深まり、メキシコの素晴らしさはその文化の多様さと人そのものであると感じました。是非、今旅行をしない人も日本でホストとして旅行者を受け入れ、日本の新たな一面を紹介してみてはいかがでしょうか?
文・写真:黒田絢子
サイト:outdoor-travelers.net
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