デスクです。ここまで怒濤のごとくウユニの記事を作ってきましたが、皆さんもそろそろ行きたくなってきたんではないでしょうか?ウユニ塩湖に。本記事では、2014年ウユニ塩湖雨期のベストタイミングを専門家の力を借りて洗い出してみました。
photo by ミルキクタベル
いつウユニに行けばいいのか……
今でしょ!
確かに行くべきなのは雨期の今なんですが、ウユニの景観は天候、月の満ち欠け、月の出・入り時間などにかなり左右されます。そこで「2014年はいつ行けば、ウユニの魅力を最大限味わえるのか?」という分析を、世界一周ミルキクタベルのりょうさんに依頼しました。りょうさんは、ウユニの「宇宙」が見たくて現地の月齢表を自作してしまうほどのウユニマニア。ではりょうさんお願いします!
りょうと申します。デスクからの無茶ぶりを受けまして筆を取りました。で、早速結論ですが……
A) 1月27日(月)~2月1日(土)あたり
B) 2月26日(水)~3月4日(日)あたり
以下に根拠を書きます。時間がある人は読んでくださいな。
雨が降って水たまりが反射して鏡張りを生み出すわけで、必然的に雨の季節である「雨期」に行かなければなりません。
ウユニ塩湖の雨期は12月から3月ごろまでといわれています。期間中でも、12月初旬や3月下旬は雨の量が減ると思われます。
ただ、雨期であればいつ行ってもいいというわけでもありません。長いようで短い人生の中でボリビアに2回以上行く可能性があるという人ならさておき、一生に1回しか行けそうにない人なら、ここはよーく考えて日程を組むことを強くオススメします。
おさらいですが、ウユニ塩湖には見るべきいくつかのシチュエーションがあります。
1.塩湖に映えるやわらかな「朝日」
photo by Hiroaki ueda
2.ピカピカの「日中」
photo by ミルキクタベル
3. 一面が燃えるような「夕日」
photo by ミルキクタベル
4.星空が反射する「宇宙」
photo by Ryosuke
と、ウユニ塩湖には主に4つの顔があります。せっかく行くのだからウユニ塩湖を骨の髄まで、塩の結晶のイオン結合の端っこまで味わい尽さないと地球の裏側に来た甲斐がありません。これらをすべて味わい尽くしてこそ至高のウユニ塩湖なのだッ!
(難しい) 宇宙 >>>>>> 朝日 >> 夕日 >>>>> 日中 (簡単)
実感でいえば、シチュエーション別の難易度はこのようになります。日中の鏡張りを見るのは簡単ですが、宇宙は一筋縄ではいきません。
(超衝撃) 宇宙 >>>>>> >> 夕日 >>> 日中 >> 朝日 (衝撃)
ちなみに、美しさや衝撃のレベルはこんな感じだと思います。朝日は光が弱いのでどうしてもマイルドになります。個人的には夕日のビビット感が好きです。
日中、朝日、夕日、宇宙の4つのシチュエーションで、それぞれをきれいに見るために必要な条件は下表を参照。
すべてにおいての必要条件は、「水たまりがある」と「風がよわい」の2点。
「日中」の「雲がない」に「ー」をつけましたが、ある程度の雲があったほうが鏡ばりの名脇役になる可能性もあります。「夕日」の「雲がない」に「△」をつけたのは、雲が夕焼けに照らされて素晴らしい景色になることが多々あるからです。「朝日」の「雲がない」に「○」をつけたのは、朝日の場合、光自体が弱いので雲があると全体的にぼんやりする懸念があるから(上手くいけば雲のある朝日もきれい)です。「宇宙」の「雲がない」に「○」をつけたのは、雲があると星が見えないから。
そして、「宇宙」にはさらに「新月or月が沈んでいる」という条件が必要になってきます。なぜなら、月の光で星が見えなく(づらく)なるからです。これについては後ほど詳しく。
ということで、この4つ(または朝日を抜いて3種類)すべてを見ようとするのなら、一番難易度の高い「宇宙」に狙いを定めてスケジューリングするのがセオリーです(雨期であれば、日中と夕日を見られる可能性は比較的高いので)。
もう一度、宇宙(星空の反射)が見られる条件をおさらいします。
1. 水たまりがあること
2. 風が弱いこと
3. 晴れていること、雲はできるだけ少なく
4. 月がないこと
これらすべての条件が「同時に」満たされなければなりません。このうち、皆さんが注目すべきは4です。1~3は天候に左右されるので運次第ですが、4については事前に予測可能だからです。4を予測するために必要なのが、「月の満ち欠け」と「月の入り、出の時間」です
「月の満ち欠け」のおさらい
小学校で習ったはずですが、よく覚えていないのでおさらいします。月の満ち欠けはだいたい30日周期になっています(正確な数字ではありませんが、さほど重要ではないので以降はすべて30日として説明します)。月齢というのは、ゼロからスタートして15日前後で満月となります。十五夜お月様とよばれるのはこのためです。15日ごろを過ぎると次第に小さくなって、30日に近づくと真っ暗な新月になります。そしてまたゼロ日からカウントが再開されるという繰り返し。
という訳で、宇宙を見るのであれば、月は新月に近いほうがベターだということです。
「月の出入りの時間」も重要
満ち欠けに加えて、月が地平線から昇る時間と、沈む時間というのも大事です。なぜなら、満月の時期だろうと日中に月が昇って夕方までに沈んでしまうのであれば、月の満ち欠けにかかわらず、星空に月は出ていないことになるからです。
以上2点を念頭において下の表を見てください。2014年1月〜3月のウユニ塩湖の月の出入り・月齢・日の出入りをまとめた表です。
※時間はすべて現地時間 ©ミルキクタベル
上の表を見て、夜中に月が出ていない期間を調べたところ、はじき出されたのが冒頭で紹介したこの期間なのです。
A) 1月27日(月)~2月1日(土)あたり
1月27日、ウユニ塩湖の月は月齢26.2、これはうっすらとした三日月です。そして月の出は午前2:28ごろ。さらに翌日の28日、月齢は27.2となり三日月はさらに細くなり、月の出も午前3:29と遅れます。これは夜中のほとんどで月がない状態で、ようやく昇っても心細い三日月です。この日以降、月はしぼみ続け、30日の夜中頃に新月となり、2月1日になれば少し月が出てくる頃ですが、そもそも月の出が朝になってからなので全く関係ありません。つまり、1月25日の土曜日から飛行機に乗ってボリビアに向かい、翌週をまるまるウユニ塩湖に費やして、週末に帰国する9日ツアーが計画できる。ということなのです!
B) 2月26日(水)~3月4日(日)あたり
2月26日の月齢は26.8、なくなりそうな三日月になっているはず。しかも月が出るのは3:19なので月無しの状態も長く続きます。そこから月の出はどんどん遅くなり、3月4日には、月の入りは夜の21:35となります。絶好の星空タイムが朝まで続くという訳です。
AかBの期間をフルに使えば、めったに見られない「宇宙」に遭遇できる可能性はだいぶ高いはずです。ただし、ウユニは標高3700mの高地なので、高山病リスクを考えて無理のない旅程を組みましょう。それでは……みなさんの記憶に残る素敵な景色が見られることを祈ります!
photo by ミルキクタベル
より詳しくウユニ塩湖について知りたい方はりょうさんが書いた下記エントリも併せてご覧ください。
文:世界一周ミルキクタベル りょう
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