ミャンマーのお坊さんに味噌汁をつくって食べてもらった

2013.12.06 18:00 
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こんにちは!Miaです。世界中の人々に味噌汁を食べてもらう様子をお届けする連載「MISO SOUP IN THE WORLD」の第4回は、ミャンマーで僧侶にみそ汁を作った模様をレポートします。キッチンのないお寺で、かなりサバイバルなみそ汁作りになりました!
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トップ写真: philborg

 

2012年以降、自由経済市場への参入が本格化したミャンマーは「東南アジア最後のフロンティア」とも呼ばれているまさに発展途上の国です。
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photo by Francisco Anzola

 

国民の85%が仏教徒、人口に対する僧侶の数が世界一多い国(Wikipediaより引用)であり、町の至る所で僧侶を見ます。
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◆お寺にホームステイ

という訳で、今回みそ汁を振る舞うことになったのが僧侶だったのは、決して偶然ではなさそうです。こちらが、ウヴィセイタさん。
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ウヴィセイタさんとはミャンマーのメティラという街で会いました。メティラは南の主要都市ヤンゴンと北の古都マンダレーのちょうど中間地点にあり、古くから栄えてきました。写真はメティラにある仏塔。
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ウヴィセイタさんはこちらの寺院に住んでいます。
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ウヴィセイタさんは寺院の奥にある素朴な家で、
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たくさんの弟子と暮らしています。私もこちらでお世話になることになりましたが、少年たちの多さに圧倒されます。
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お坊さんは、1日2食が基本です。そのほとんどが貢ぎ物。4時に起床し、裸足で食べ物をもらって歩きます。6時に帰ってきて一度目の食事。朝8時半になるとまた出かけていき、午前11時に食べて最後の食事となります。
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ある日のお昼ご飯はこんな感じ。油揚げのサラダ、ゴーヤのサラダ、チキンカレー、キャベツ炒め、野菜のスープです。
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お世話になったお返しに、何か出来ないかな……。こういう時こそみそ汁の出番!と張り切るのですが……キッチンがありません。
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食器が置いてあるだけで、調理器具すらありません。だって料理を作る必要ないものね。
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こんなこともあろうかと、秘密兵器・味噌汁の具を持ち歩いているのですが……
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初めて食べるであろう海藻、麩。味噌もしかり。こんなに初めて尽くしで大丈夫だろうかと不安は大きくなります。

 

ミャンマーの料理ってどんな感じ?

茄子カレー、ジャガイモカレー、チキンカレー……ここではありとあらゆるものがカレーになります。 
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たくさんの種類のサラダ(和え物に近いかもしれません)が存在します。写真はトマトサラダで、トマト、タマネギ、パクチー、ピーナッツが入っています。レモンがきいていて美味しいんです。
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朝ご飯に食べられている代表的なスープ麺。スパイシーな魚ベースのスープを麺にかけます。
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ひよこ豆、キャベツの千切り、トマト、揚げチップスの上に、スパイスの効いたスープをかけたもの。もともとはインド料理らしいです。
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たこ焼きみたいですが、ウズラの卵を小麦粉の生地で包むようにして揚げたもの。
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葉っぱのおやつ
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お茶はミャンマーの生活には欠かせません。香り高い紅茶にコンデンスミルクが入っています。
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ミャンマー料理は東南アジアの他の国に比べて、スパイスの使用が比較的抑えられている点、油を多用する点に特徴があります。

 

サバイバルみそ汁作りスタート!

キッチンがないので、お湯を調達するのも一苦労。無駄がないよう、人数分をはかって必要な分だけ使います。
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ぬるいので、
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温め直しです……。
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出汁の粉を入れて、
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具を入れます。
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味噌ちゃん登場!
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インスタントに見えるかもしれませんが、味噌は厳選した本物ですよ!
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完成です!
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持ち寄られた貢ぎ物と一緒に、味噌汁も配膳します。
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お気に召せば良いのですが……
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「大変おいしいです、ありがとう」と言ってもらえたものの、ウヴィセイタさんは数口食べただけで残してしまいます。
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おかずの種類が多すぎたのかもしれないし、スープはそもそも脇役なので残しても良い習慣なのかもしれない。こんなときもある、と自分を慰めます。

 

「日本人から何かをしてもらったのは、初めてではないのです」

そんな私を見てか、ウヴィセイタさんがこんな話をしてくれました。

 

「日本人から何かをしてもらったのは今回が初めてではないのです。実は、このお寺は日本人によって修復工事がされ、浄水システムも日本人によって寄贈されているのです」
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ウヴィセイタさんによると、まだミャンマーがイギリス統治下にあった時、このメティラで日本軍が連合軍と戦い、多くのミャンマー人が命を落としたそうです。「日本人は、その償いとして寺の修復工事と浄水システムの導入をしてくれたのです」。
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浄水システムは今でも地域住人の役に立っています。こちらの子もバイクで水を汲みに来ているところでした。
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「だから、感謝しています」。ウヴィセイタさんは言ってくれました。浄水システム程の功名を得るには至りませんし、それに「償い」ではなく「お礼」なのですが、きっと気持ちは通じました。

 

味噌汁の反応はいまいちでしたが、ミャンマーにはまたいつか来て役に立ちたいと思わせる出会いがありました。
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文・写真:Mia

 


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mia
カナダの大学を卒業後、なぜか秋葉原のバナナ屋さんで怒濤のネットショッピング運営を担当。自らの運命により再び世界へ。味噌汁を振る舞うおもてなしの旅をしながらデッカくなりたい! ブログ:味噌玉世界旅 Take a Scoop of Miso with You

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