こんにちは!旅料理研究家の山本ジャーニーです。連載企画「再現レストラン」の3回目は多くの旅行者が一度は訪れるであろう、タイ・バンコクのカオサンロードからお届けします!!
◆変わり続けるカオサン
タイの首都バンコクにあるカオサンロードといえば、世界中のバックパッカーが安宿、情報、また娯楽と休息を求めて集まるエリア。1980年代、通りに住む地元の人たちが低予算観光客に空き部屋を貸すようになったのがはじまりで、一時期はヒッピーたちの溜まり場となり、タイ人からも敬遠される危険な界隈でした。
カオサンロードの定番のパッタイ(タイ風焼きそば)屋さん。貧乏旅行者の空腹を満たしてくれる心強い味方です。
しかし、2000年にレオナルド・ディカプリオが主演した映画「ザ・ビーチ」の冒頭でカオサンロードが取り上げられたあたりから、世界的なファーストフードやコーヒーチェーンが出店をはじめ、また洒落たつくりのレストランが増えるなど、その様相は加速度的に変化を続けています。
カオサンロードの裏手の屋台。今では旅行者とタイ人が半々くらい。
筆者が初めてカオサンロードを訪れたのもちょうど2000年の頃。それ以降、7,8回訪れていますが来る度にその変貌に驚かされます。昔のカオサンを知る旅人の中には日々、整えられていくカオサンロードを嘆く人も少なくありませんが、私にとっては今でもカオサンロードは混沌と喧騒の象徴であり、それが最大の魅力でもあります。
◆日本人バックパッカーに大人気!10バーツラーメン
しかし、変化がめまぐるしいこのエリアにおいてずっと変わらないものがあります。それが「10バーツラーメン」です。10バーツというのは日本円にして約30円(2013年11月現在)相当。なんと30円でラーメンが食べれてしまうのです!
カオサンロードの裏道であるランブトリ通りから、さらに裏路地を一本入ったところに10バーツラーメン屋さんはあります。
より大きな地図で 10バーツラーメン を表示
日本語の看板が物語るように、10Bラーメン屋さん(ミスター・ワッタナーのラーメン屋)は日本人バックパッカーから絶大な支持を得ているのです!
汁なしバージョンもあります。たまたまなのか、汁分の原価が浮いているからなのかはわかりませんが、汁なしには青菜がのっていました!
個人的には汁なしの「まぜそば」風のものの方が美味しかったです。何と言ってもナンプラーとフライドガーリックがポイントで、と言うか、それがほぼ全てです!!
◆「10バーツラーメン」を日本で作ってみる
さて、そんな10バーツラーメンの汁なしバージョンを日本で再現してみました!懐かしい味もさることながら、日本で作ったとしたら、果たしていくらになになるのか?
近所のスーパーで買った材料はこちら。麺、焼豚、チンゲン菜、パクチー、フライドガーリック、調味料としてナンプラーとごま油です。
【行程2】焼豚の一部を細かく切り、フライパンに油をひいて火にかけます。ここにナンプラーを足すのがポイントです。本場ではこの行程はありませんが、これをソースにすることによってより美味しく仕上げます。
【行程3】茹でた麺を皿に盛り、行程2で作ったソースを麺全体にかけた後、具材を色よく盛っていきます。
最後にごま油とナンプラーをたらすと、より風味が出ます!!辛いのが好みの方は鷹の爪をどうぞ。
◆「10バーツラーメン」を日本で作ると……
日本で売られている麺や焼豚はクオリティーが高いので、現地よりも美味しくできちゃいます(笑)。では発表します。
日本で10バーツラーメンを作ると……190円!
麺:100円(ちょっと美味しいやつにしたから)、チャーシュー:50円、チンゲン菜:20円、フライドガーリック、ナンプラーなど調味料:20円という内訳です。小売りから食材を仕入れたということを考えても、いかに本場が安いかということが分かります。
余談ですが、バンコクで本場の10バーツラーメンを試される方に注意していただきたいことがあります。このお店は日本人バックパッカーのみならず地元の人にも大人気なため、13時には売り切れになり閉まってしまいます。
僕は何度もバンコクを訪れていますが、この10バーツラーメンを食べたのは一回きりです。何故ならば、バンコク滞在中は大抵朝方まで飲んでいて、起きる頃にはもう閉まっているからです。本場を味わいたい方は是非、早起きを。
文・写真:山本ジャーニー
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