標高4000mに色とりどりの湖が点在する、通称「宝石の道」。南米一の悪路に自転車で攻略を試みるもまさかの遭難……。途方に暮れる僕らの目の前に現れたのは、幻のような美しい湖だった。
タンデム(二人乗り)自転車世界一周のsawaです。今回はボリビア南部チリ国境付近の「宝石の道」を走った時に体験した不思議な出来事をレポートします。
標高4000mに色とりどりの湖がある宝石の道は別名、ラグーナ・ルート(湖の道)と呼ばれています。この一帯はアタカマ砂漠マラソンで有名なアタカマ砂漠が広がっています。
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スタート地点はチリ北部のオアシス都市のアタカマ(上地図B)。ここから宝石の道を通ってウユニ(上地図A)を目指します。
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編集長おすすめのサン ペドロ デ アタカマのホテルが、Hostal Puripica(写真)です。¥3,510〜
アタカマは周辺に光が無いため、一説には「世界で一番星空が綺麗に見える場所」と言われています。
無人の砂漠地帯を抜ける為、水や食料をたくさん積んで出発です。
チリを出国して、サイクリングスタート。まず目指すのが40km先のHito Cajon。ここにボリビアのイミグレ(出入国審査)があります。
道の左手に見える山脈のくぼみが今回攻略する峠になります。ここ、アタカマ(標高2000m)から2500m登った標高4500m地点に峠があります。
途中、足がつりました。写真では標高をあまり感じませんが、酸素はかなり薄くなっており、苦しい……。
なんとか標高4500m地点まできました。アスファルトが切れ、未舗装の道を行かねばなりません。
定期バスなどはもちろん無いので、自前の交通手段を持った観光客か、ツアーのランクルしか訪れないイミグレです。
イミグレの先にはこの一帯を管理する国立公園のオフィス。すぐ裏手には、ラグーナ・ブランコ湖(白の湖)が広がっています。
入場料は150ボリビアボリ(1500円)と現地の物価からするとかなり高額です。おまけでステッカーがついてきますがそんな余裕があるのなら、地図や案内の冊子を作ってほしいところです。
すぐ隣(写真奥)にはラグーナ・ベルデ(緑の湖)があります。ふたつの湖は繋がっているのですが、色は違います。
ラグーナ・サラダという湖の湖畔にある温泉。外気が一桁台なので、温泉の温かさが身にしみます。しかし標高は4500m、長湯は禁物です。
この先、緩やかな登りが続き、宝石の道で最高の4800mの峠が待ち構えています。
ついに雪が……。このあたりが4800m地点のはずですが、確かめてる余裕はありません。この標高で雪はシャレになりません。
標高が4200mまで下がった時、雪は止みました。道が雪解け水で川と化していました。
野生のビクーニャがいました。
キノコのような奇岩があるArbol de Piedraに到着。
依然として轍がたくさんあって、進むべき道がわかりません。岩に登ってルートの確認をします。
半信半疑のまま砂丘を登ります。とてもじゃないですが漕げません。
湖が姿を現しました。かなり大きな湖なので地図に載っているハズなのですが……見当たりません。
幻影を見ているのかと思いましたが、確かにそれはそこにありました。
フラミンゴがいます。息を呑むような美しさですが……ゆっくり眺める心の余裕はありませんでした。
轍はたくさんありますが、ツアーのジープに出会いません。疑心暗鬼のまま進みます。
放牧されていると思われるリャマがいましたが、人の気配はありません。
突然、遠くに横切る車が見えたかと思うと、チリとボリビアを結ぶ幹線に出たようです。安堵のため息を漏らします。
一時は不毛の大地で遭難かと思いましたが、無事戻ることができました。街に着いてドライバーに聞いたところ、あきらかにマイナーなショートカットルートを走っていた様です。それにしても……あの湖は何だったのでしょう。
文・写真:hirokazu sawa
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