今回から鰹節削り機が登場!
こんにちは。世界一周旅行に出発して以来、味噌汁を世界中で振る舞っているmiaです。
連載MISO SOUP IN THE WORLDの11回目の今回は、ヨーロッパの小国モナコからお送りします!
空手が大好きで、日本人の先生が教える道場に通うモナコ人の生徒たちに食べてもらいました。日本の武道を愛する外国の方々に、われわれのおふくろの味「味噌汁」を紹介したい、そんな気持ちで振る舞って参りました!
お金のニオイがする国・モナコ
まず、モナコについてざっくり説明したいと思います。正式名称はモナコ公国。住人は主にフランス系で、フランス語が公用語です。地中海に面し、フランス南東部の県に囲まれた立憲君主国で、その面積は2.02平方キロメートル!世界最小独立国バチカンに次ぐ小ささです(Wikipedia参照)。実際、モナコ・モンテカルロ市内を半日歩けばぐるっと国を一周できるほどでした。
立憲君主国なので、君主なる王様がいます。一世代前に、グレースケリーというハリウッドの大女優が公妃として迎えられたことは有名な話。写真は、その息子であり現大公であるアベール2世と、后となったドイツ出身の元水泳選手。后になるには美人であることが第一条件?!
さらにモナコといえば、市街の公道を閉鎖して行うF1レース(モナコGP)も有名です。国土がこれだけ小さければサーキット場が別途設けられていないこともうなずけます。
従来土地を持っていたフランス系の住人の他に、世界各国のお金持ちが移住してくるそうです。というのも、モナコは個人居住者に対して所得税を課していない「タックスヘイヴン」であることが理由のようです(Wikipedia参照)。
確かにカジノが平然と街の真ん中に建っていたりと、一般的な日本人には馴染みのないお金のニオイがする国でした。
モナコ人は何を食べているの?
さて、MISO SOUP IN THE WORLDでは、その土地にあった味噌汁を作ろうという心意気から、毎回その土地の料理をご紹介しています。旅人ならではの視点で、自らが体験したものを紹介しましょう!
イタリアの影響
地理的にイタリアにかなり近い事もあり、写真のラザニアの他にもパスタ、ピザ、フォカッチャなどイタリア名物は街のカフェメニューによくありました。
バールと呼ばれるカフェでもイタリアのようにエスプレッソがでてきます。
でもやっぱりフランス系
もはや、わたしの趣味でもありますが、スーパー見学はその国の食文化を知る手っ取り早い方法。こちらモナコでは、フランスのスーパーがそのままチェーンを展開しています。一番印象が強かったのは肉の種類。加工の方法や肉の部位の数の多さには底知れぬものがあると思いました。
フォアグラ。カジュアルに売っているんですね。
血を混ぜたソーセージなんて、なんだか精が付きそうです。
地中海ならではの魚
ヨーロッパを旅して気づいたことは、国境のくくりより、地中海に面しているかどうかで食べる素材が違ってくるということ。魚介類を見ると自然と親近感を覚えてしまいます。
スープ
フランスでは、日本でいうポタージュのように、調理された野菜をミキサーでピュレ状にしてスープとすることが多いと聞きます。実際にスーパーでも、ピュレ状スープが多く売られており、その調理法の汎用度が伺えます。
このことをヒントに、今回は味噌汁の具をできるだけ小さくしてみることにしました。
道場にて味噌汁作りスタート!
おなじみ、越後長岡味噌の登場です。今回、味噌に加わったのはインスタントではない本物の鰹節。静岡県の鰹節屋さんから協賛をいただきました。
鰹節削り機を背負ったバックパッカーなんて前代未聞ですが、わたしはまじめです。
削る技術は半人前で、人様に見せられたものではないですが、これでおいしい出汁をとることができます。
今回使う野菜は、エンドウ豆。さらにタマネギと香草で風味を増します。イランの回で発見したのですが、香草って意外と味噌汁に合うんですよ。
ポタージュに近づけるため野菜を小さく刻むことに!
出汁を採ったところに野菜投入、加熱します。香草は最後の最後です。
火を消し、あらかじめ溶かした味噌を入れます。
できあがり! 旨みはしっかり、だけどやさしい味の味噌汁になりました!
稽古を終えた生徒を待ち伏せ
さて、今回は空手道場で即席ブースを作りました。夜の稽古を終えた生徒たちを待ちます。
日本では、長きにわたって毎日のように飲まれ、健康を維持するのだと味噌汁を紹介します。
こちらお母さんがフィリピン人という男の子。「お母さんが作る料理に似ている」といって何回かおかわりしてくれましたよ!
こちら写真右のモナコっ子は、空手の世界大会で最近訪日した生徒で、「日本はゴミ箱がないのにゴミが落ちていなくて感動した!」というエピソードを教えてくれました。嬉しいなあ。
おかわり続出!
最後になぜ空手が好きなのか聞いてみると、みんな「空手のスピリットが好き」なのだそう。律する心、他人をいたわる心を教えてくれる日本人の先生をたよって、隣国フランスからやってきている生徒もいました。ある生徒はテコンドーの教室を辞めてこちらの道場に移ったのだそう。理由は「蹴り技」だけではなく「心」を教えてくれるこちらの先生のスタイルが好きなのだと。
汗をかいた後だからか、味噌汁はおかわり続出で完食となりました。おいしいと言ってもらえることは、正直、この上なくうれしいです。しかし、今回の醍醐味は、空手を愛する生徒たちに味噌汁を紹介できたことでした。空手の心を通して、遠い国モナコの人と日本は繫がっていたんですね~!
ご協力いただいた先生ご夫妻、本当にありがとうございました。
文・写真:mia
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