戦争の空気そのまま…。アルバニアの核シェルター「BUNK’ART」で私が見たもの

2018.03.14 07:00 
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アルバニアの首都ティラナにて。今は美術館として利用されている核シェルター「BUNK'ART」の内部の様子を紹介します。

 

こんにちは。世界放浪中の旅人カイです。

アルバニアの首都ティラナにある核シェルターの中に、「一人で行くには怖すぎる博物館」があるとのことで、びびりながらも単身のり込んでみました!

 

欧州の最貧国アルバニア

今回訪れたアルバニアは、バルカン半島の中部に位置して、ギリシアの上、アドリア海を挟んでイタリアの向かい側の国です。赤字に鳥の国旗がかっこいい。

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90年代まで鎖国してたとか、詐欺で国民の1/3が財産を失ったとか、なかなか興味深い歴史がたくさん。首都はティラナで、こじんまりとした穏やかな国という印象を受けました。

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ソ連と敵対して核戦争の危機

アルバニアはかつて共産主義国でした。しかし、1960年代にソ連を仮想敵国として極端な軍事聖句を取った時代があり、当時は国民全員に行き渡るように銃が配布されたのだとか。

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また、トーチカとよばれる防空壕はアルバニア中に数千個残されていて、街や道路のいたるところで見つけられます。コンクリートであまりにも頑丈につくられたため、破壊することも難しいためほっとかれているそうです。

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元・核攻撃に対応した地下シェルターの美術館「Bankart1」へ

そんな時代にソ連の核攻撃に対応した地下シェルターが首都ティラナの郊外、山の中に建造されました。部屋数は106もある広大なもので、現在は「Bank'Art 1」という名前の展示施設になっています。当時使われていたものがそのままの状態で保存されているそう。

 

ホームページ:http://bunkart.al/1/home
住所:Rruga Fadil Deliu, Tirana 1001, Albania

 

アクセスはティラナの中心広場のバス停で、「LINZE」行きのバスに乗って行きます。「Bankart1まで」と言えば、運転手さんが降りる場所を教えてくれます。

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入り口から怖い

バスを降りてから15分ほど歩いてアート展の入り口に到着です。迎えてくれるトンネルが雰囲気抜群。不気味さを乗り越えてチケット売り場まで進みます。チケットは一人500レク。

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薄暗いトンネルを抜けて最初にお出迎えしてくれるのは、等身大の兵士のマネキン。絶妙なクオリティで、不気味さをさらに醸し出しています。初っ端からぎょっとさせてくれます。

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5分ほど歩いたところで、核シェルターへの入り口到着。看板がなければ見落としてしまいそうなドアを通っていざ中へ!

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核シェルターへ潜入!

閉塞感マックスの通路を抜けて中へ。通路には分厚いドアがあり、万が一に核攻撃を受けたときには、このドアを締めて中の人々を守るのだとか。ドアの分厚さに気合を感じます。

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シェルター内は細長い通路が縦や横にいくつもあり、空気は少しどんよりこもっています。両手を広げて壁に手が届くほどの通路は、狭いし、薄暗い。若干カビ臭い。

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通路には中国製の空気循環器が設置してありました。ソ連に敵対していた時代に、親中路線を取った結果だそうで、通路や部屋のいたるところで中国の影響を感じることができます。

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当時の作戦室には、爆弾やミサイルの図面や無線機など、中国語で書かれたものもたくさん展示してありました。

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タイムスリップしたような空間

核シェルターの内部は、政府高官の部屋や作戦室がそのまま残されていて、当時の地図や武器、実際の写真など多くの歴史的な資料が展示してあります。

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VIPたちの部屋はちょっとしたホテルのようで、ビロードの赤いベッドカバーが淡く光る電球に照らされて怪しく光っていました。

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適当に歩いていると、よくわからないしとても怖い場所に行き着きます。写真はたぶん洗面所。

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「一人で行くのはやめた方がいい」と言われた理由

このアート展に来る前に、「一人で行くのはやめた方がいい」と言われていた筆者。核シェルターの内部を進んでいくとその理由が、徐々にわかってきます。

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各部屋には、冷戦時代の様々な歴史的資料が展示されているのですが、絶妙なクオリティのマネキンなど、展示品がいちいち怖い。光や音の効果を使ってさらにビビらせにきているから、さらに怖い。

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マネキンの顔はだいたい新聞紙。ときたま、帽子の影が顔に見えちゃうからどきっとします。

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プロジェクターでは、空爆の映像だったり、独裁者たちの演説風景など、戦争の不穏な空気たっぷりの映像がエンドレスで流されていました。たまたま他の観光客もいたので良かったですが、確かに一人だったら途中リタイアしていたかも。

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仕掛けがいっぱい

歴史資料の他にも、各部屋では様々な展示を楽しむことができました。傷病兵の治療部屋が再現されていたり、

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化学兵器の怖さを伝える部屋などもありました。

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化学兵器の部屋ではボタンを押すと、

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プシューという音とともに白い煙が部屋中にあふれて、警戒音が鳴り響きます。

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実際に使われてあ有刺鉄線のバリケードだけを展示している部屋もありました。重重しい音楽が流れていて、写真と実物のバリケードと合わせて思い空気がさらにどんよりとしていました。

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意図しているのかいないのかはわかりませんが、前評判通り、狭いし、暗い。一人だとけっこう怖い。やっぱり二人以上で行った方がいいのかもしれません。

 

当時の人々の生活も見られる

シェルター内には軍事的な施設の他にも、避難してきた一般市民向けの家や商店も作られました。ファミリー用の家は家具付きで居心地良さそう。

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もちろん学校もありました。壁にかかった中国語などを見ると、政治的・軍事的なつながりによって教育面でも中国の影響をかなり受けていたようです。

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中心にはシアターホールがあり、芝居や映画の上演などができるようになっていました。娯楽も含めて市民生活を守る目的もこのシェルターは担っていたのですね。

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アルバニアの当時の空気をそのまま味わえる

冷戦時代に実際に使われた核シェルターを使ったアート展。実際に使われていたものをその場でみることができたので、当時の空気そのままを体験することができました。

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極端な軍事政策をとって鎖国状態となり、90年代には無政府状態に陥った国アルバニア共和国。

現在は安全に楽しく旅できる国になっていますが、たった数十年前のリアルな戦争の歴史を五感で感じることのできる面白い場所でした。

あまり知られていない国に行くと、予想の斜め上をいく発見があるのが楽しいですね!

以上、アルバニアよりカイでした。

 

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カイリカコ

カイリカコ

1989年千葉県生まれ。B型っぽいO型よりのA型。ガジェット系雑誌・Webサイトの広告マンを2年半務めたあと退職し、かねてより計画していた世界放浪をスタート。「そよかぜのように旅をする」をモットーに、世界のどこかをそよりと放浪中。▶︎Blog(そよかぜ旅日記)▶︎Instagram(@soyotabi_rkk)

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