ノアの方舟が辿り着いたとされるトルコのアララト山。写真のどこに方舟があるか分かりますか?
編集部の武重です。
なんと…旧約聖書の「ノアの方舟」が流れ着いたとされる場所がトルコにあります。しかもその方舟を降りたノアが最初に作ったとされる村もその場所に…。実際に行ってみると、そこはただただ美しい場所なのでした。
わたしはイランから陸路でトルコに入国しました。最初の拠点はドゥバヤジット。宿のオーナーが「よかったらノアの方舟を見に行かないか?」と声をかけてくれました。
旧約聖書によるとたしかに、ノアの方舟はドゥバヤジット近郊にあるアララト山に流れ着いたとされます。
さっそくワンボックスカーに乗り込んでその場所を目指します。辿り着いた場所はだだっ広い草原。
地図で言うとここ。
「方舟どこ?」ってな具合に歩き回ります。同行した男性が「アレだよ、アレ」と指差す方を見てみると、なんとなく方舟の姿が見えてきます。
「ええ?どれが方舟?」という人のために説明をつけると……たしかに船の形に見えてきますね。
ちなみにこの場所に「ノアの方舟ビジターセンター」なる小さな建物があり、発掘の経緯などが展示されています。その中に別の角度から撮った写真がありました。
発掘の経緯を見ると、どうも方舟であるという証拠は見つからなかったようです。「方舟ではないとは言い切れないが、希望を持ちたい」という程度のニュアンスで語られています。
ちなみに同じアララト山の別の場所でノアの方舟の破片が見つかったというニュースもあります。
「ノアの方舟」確率99.9%で発見と探検チーム、トルコ・アララト山頂
大変なニュースですが、特に続報はなく、今では疑問視されているようです。いずれにせよ、アララト山は「ノアの方舟」伝説と密接に関係する、神聖な場所だと考えられていることは間違いありません。
ノアは方舟を降り、村を作ったと言われています。その村がこの場所にあるのは当然でしょう。その場所にも連れて行ってくれました。数軒の家があるだけの小さな村です。
家はみな石を積んで作られています。
絨毯が多く使われています。ペルシア絨毯で有名なイランが近いことが分かります。
半遊牧の生活をしているようで、馬が重要な家畜です。
車が行き交うことはなく、見かけるのは馬ばかり。
自然と共に生きる、美しい村でした。
この場所はトルコの東端にあり、観光の定番である西部エリアからはずいぶん遠いです。そのため、観光者でごった返すこともなく、静かな観光地と言えるでしょう。
一方で、昨今の情勢悪化に伴い、外務省も「海外安全情報レベル1 十分注意してください」と注意喚起しています。ちなみにイスタンブールも同様のレベル1となっています。
こういう静かで美しい場所が、危険とされること悲しく思います。
アクセス方法
ドゥバヤジットまでの飛行機はないので、トルコの主要都市からバスになります。たとえば首都イスタンブールからは22時間ほどかかります。
アララト山まではドゥバヤジットで観光ツアーが簡単に見つかります。定番の観光地なので「アララト山に行きたい」と相談するのが簡単です。
編集長おすすめのドゥバヤジットのホテルが、Grand Derya Hotel(写真)です。
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