「青年海外協力隊」は井戸ばっか掘ってるわけじゃないという話

2015.07.13 11:00 
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青年海外協力隊といえば、井戸を掘ってたり、農作業しているイメージが強いかもしれません。しかし、全員がそのような活動を行っているわけではないのです…。スポーツの重量上げで派遣される人もいるんですよ!そんな、知っていそうで知らない青年海外協力隊の世界をご案内します。

 

こんにちは、というよりも、はじめましてですね!青年海外協力隊としてウガンダに派遣されることになったまっちゃんです。上の写真は青年海外協力隊に応募した時にもらえる資料。

 

青年海外協力隊って何?

本題に入る前にざっくり、青年海外協力隊に応募した理由などを書きたいと思います。

 

青年海外協力隊
青年海外協力隊とは、日本国政府が行う政府開発援助 (ODA) の一環として、外務省所管の独立行政法人国際協力機構 (JICA) が実施する海外ボランティア派遣制度である。Wikipediaより引用

 

私が青年海外協力隊に応募した理由は、JICAプロジェクトの一つであるネリカ米(アフリカの食糧事情を改善することを目的に開発されたイネ品種)という米の普及活動に携わりたいと考えたからです。大学で農学を専攻していた私でしたが、勉強していくと、海外にはネリカ米の普及どころか、稲作を行っていない地域があるということを知り、稲作の普及員を選択しました。

 

ウガンダで公務員になります

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私はこれからアフリカの東にあるウガンダという国で2年間、地方自治省で活動します。なので、世界新聞では「ウガンダで公務員やってみた」というテーマで、ウガンダでの日常生活などについて書いていきたいと思います。

※本記事の写真は、青年海外協力隊の訓練で栃木にあるアジア学院で研修を行っていた時の写真です。ここでは、農業、特に有機農業について学びました。上写真は、アジア学院でケニア人と。

 

それでは、本題に移ろうと思います!!!

 

青年海外協力隊は井戸ばっか掘ってる訳じゃない

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まず皆さんに質問です。    
     
「青年海外協力隊と聞いて、まず最初に何を想像しますか?」

井戸を掘っていたり、現地の方と農作業しているイメージが強いかもしれません。実際に、そのような活動を行っている隊員もいますが、全員がそのような活動を行っているわけではないのです。

 

青年海外協力隊の活動分野は大きく分けるとこうなります。

 

計画・行政(コミュニティ開発、行政サービス、金融)
商業・観光(経営管理、マーケティング、観光)
公共・交易事業(水質検査、土木、建築)
人的資源(青少年活動、スポーツ全般、小学校教育)
農林水産(稲作・野菜・果樹栽培、家畜飼育)
保健・医療(看護師、薬剤師、エイズ対策)
鉱工業(溶接、自動車整備、木工)
社会福祉(障害者支援、ソーシャルワーカー、高齢者介護)


※JICAボランティア募集要項の資料より抜粋

 

なんと、スポーツの重量上げやテレビの番組制作など、私でさえ想像できない職種もあったりするんです。前述の通り、私は、計画・行政に入っている「コミュニティ開発」という職種で、行う業務は稲作栽培の普及活動…

「稲作だったら、農業じゃないの?」と思った方、鋭い!!

稲作栽培という職種の場合、稲作研究所に所属し、稲作の研究を行います。しかし、「コミュニティ開発」という職種では、稲作を普及させることで、その地域の農家の収入向上に繋げられるような活動を行います。

 

青年海外協力隊は「与える」だけではない

また、青年海外協力隊と聞くとボランティアというイメージが強いかもしれませんが、実際は「地域住民と一緒にその地域の問題を発見し、改善する活動を行う」という方針をとっていると私は考えています。というのも、青年海外協力隊は派遣国からみると部外者であり、自分達だけでは派遣地域で抱えている問題の本質を見極めることは困難です。なので、今、何に困っていて、なぜ困っていて、どうしていきたいのかを住民の方と一緒に考えていくことが青年海外協力隊にできることだと思います。

 

だんだん、青年海外協力隊の見方が変わってきましたか?さらに、見ていきましょう。

 

すべての青年海外協力隊がアフリカで活動している訳ではない

青年海外協力隊と聞いてアフリカをイメージする人もいるでしょう。
しかし、現在派遣中の青年海外協力隊の割合を見てみると…

 

アジア地域(バングラデシュ、モンゴル、フィリピン)  30%
中東地域(ヨルダン、モロッコ、チュニジア)      5%
アフリカ地域(タンザニア、ケニア、ガーナ)      37%
中南米地域(ドミニカ共和国、エクアドル、グアテマラ) 20%
大洋州地域(パプアニューギニア、サモア、フィジー)  8%
※JICAボランティア募集要項の資料より抜粋

 

実際は、アフリカだけではないんです。アジア、中南米も多いんですよね。

 

青年海外協力隊は電気も水道もない場所で活動する…半分ホント

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研修で肥料を作成している様子

 

隊員は電気も水道もない場所で活動を行う、これは半分正解です。
隊員は派遣国、派遣内容が決まった段階で、通信、電気、水道の3つがどのような状態なのかを確認することができます。

私のコミュニティ開発や、看護師のような地域に密着した活動を行う職種に関しては、「電気も水道もない」という環境に派遣されることが多いですが、行政などの職種は途上国の首都に派遣されることが多いので、隊員は電気も水道もない場所で活動するとは限らないのです。

ちなみに、私の派遣地域の環境は、ネット=不安定、電話=可、電気=不安定、水道=なし

 

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 研修で出会ったウガンダ人のFredさんと

 

結局、私はアフリカに派遣され、稲作を普及する活動を行い、電気不安定、水道なしと言う環境で生活することから、皆さんが想像していた青年海外協力隊の姿と全く変わらないですね。私としては複雑な気分ですが…しかし、青年海外協力隊は全員が井戸を掘ってるわけではないよということは分かっていただけたでしょうか?

まだアフリカに派遣されておらず、日本にいる私が青年海外協力隊についての記事を書く事で少しでもアフリカや青年海外協力隊について興味を持っていただけたら光栄です。



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松田 尚泰
大学卒業後、青年海外協力隊としてウガンダの小さな県庁の公務員として活動を行います。バックパッカーでアメリカ横断を終えた後から、世界が違って見えて、それから海外の文化、生活習慣、全てに興味を持ち、今に至ります。趣味は、折り紙(150種類折れる)、サッカー、ギターです。「アフリカってこんな場所なんだよ~」と言えるような記事を書いていきます!

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