知らない中国人がくれたポケットティッシュの話

2014.08.20 12:00 
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ほんのちょっとの優しさで、旅人は前に進んで行けるんだと思います。

 

今日は、デスクが世界一周していた時の話をします。

ところで、皆さんは中国人にどのようなイメージをお持ちでしょうか?僕は旅に出た当初、中国人に対してあまりいいイメージは持っていませんでした。もっと言うと「ガサツ」なイメージ。根拠はありません。ただ、何となくです。

とか
言いながら僕は、世界一周の最初の国に中国を選びました。身近な中国は旅に慣れるのにちょうどいいと考えたのです。

 

初めて訪れた上海は、東京と同じようにビルが立ち並び、道路には車が行き交う、日本と変わらないんだけどどこか違う、不思議な街でした。

 

下町とビルのコントラストが大胆
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ある日、僕は上海の街を彷徨っていました。目当ての宿が見つからず、強烈な日差しの中、重いバックパックを担いで4時間くらい歩き通しでした。

一息つこうと、街の食堂に入りました。店の前には大きな蒸篭(せいろ)があって、もうもうと湯気が立っていました。

椅子に腰を降ろすと、どっと疲れが押し寄せて来て「旅も甘くないな……」などと考えていると、丸い物体が運ばれてきました。

 

それは肉饅頭のようなものでした。店員に蒸篭を指差したら、これがきたのです。

そして……

かぶりついた瞬間、爆発しました。

なんと、丸い物体は小籠包だったのです!

肉汁まみれになりながら、ただひたすらブルーでした。

 

問題の丸い物体
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気がつくと、1人の中国人の女の子が僕のテーブルの前に立っていました。

そして、テーブルに何かを置いて立ち去りました。

それはポケットティッシュでした。

 

じんわりと心が温かくなるのを感じました。

何も言わず、目も合わせず立ち去る彼女の気遣いがたまらなく心地よかったです。

 

外は相変わらずの暑さでしたが、いつの間にか憂鬱な気持ちは消え去っていました。

 

 

文:デスク

 


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デスク
世界新聞の通称「デスク」。株式会社世界新聞代表取締役。これまでに35カ国以上を訪れる。 2011年〜1年間の世界一周旅行へ。ブログ村世界一周ランキング1位。2013年、世界新聞を立ち上げる。 著書に「世界一周できませんと思っていたらできちゃった」(幻冬舎) 海外旅行に関する講演もちらほら。

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