海外では日本ではありえないような虫料理に出会うことがありますが、ベネズエラのペモン族の村で食べた伝統虫料理の数々に彼らの「本気」を見ました。
こんにちは、ライターの宮﨑大輔(@JIBURl)です。
前回の記事でお伝えしたとおり、南米ベネズエラのエンジェル・フォールの麓に住むペモン族の村にフンドシ姿で滞在してきました。
参照:ベネズエラの少数民族の村でフンドシで生活して気づいた1つの真実
ペモン族の村で特に興味深かったのが「虫料理」です!ペモン族はもともと家畜を飼わないので、タンパク源は虫なのです。
私は虫食文化が残る長野県伊那谷地域で生まれ育ったので、昆虫食が大好きでメキシコでもサソリや蟻の卵を食べました。
虫食ハンターの私からしても、ペモン族の虫食文化は興味深かったです…。
1 アリのソース「クマチェ」
クマチェは日本でいう醤油のような存在で、常に食卓に並びいろんな食べ物につけて食べます。唐辛子が入っているので味は激辛で、干し魚も入っているので旨みもあります。
材料のアリは地面に巣を作っていて、朝と夕方だけ外に出て来るのでその時に古い布をかぶせて捕まえます。彼らは一度噛みつくと牙を離すことができなくなるので、布をかぶせると簡単に捕まえることができるのです。
生きたアリをそのまま食べてみると、酸味が効いた柑橘系の味と香りがしました。
このアリを煮た唐辛子や干し魚と一緒に漬けこむと、アリのソース「クマチェ」が完成します。
村から旅立つ時にはおばあちゃんがクマチェを一瓶くれて、嬉しくて泣きました。
2 バッタのスープ
草むらで「ジィージィー」と鳴き声がしたらこのバッタがいるので、ダッシュして素手で捕まえます。
後ろ脚は硬いので食べられませんが、体は歯ごたえがあって美味しいです。トウモロコシのように見える黄色い粒は、伝統的な激辛唐辛子。
バッタは後ろ脚を持って食べると食べやすいですよ!
日本のイナゴよりもサイズが少し大きいので、バッタの味がしっかりします。
3 イモムシ料理3つ
1 イモムシのソテー
「お~いダイスケ、今日はごちそうだぞ~」と呼ばれて行ってみたら、鍋の中にもぞもぞ動くイモムシがいました(笑)
ヤシの木を切り倒し穴を開けて数カ月間放置すると、幹の中にこのイモムシが増殖します。
お腹に切れ目を入れてからソテーすると、内臓が調味料代わりになります。調味料は一切使わないイモムシ100%の料理です。
皮は硬く中身はぷにゅぷにゅの食感で、まるで白コロホルモン!なんとなく木のような香りがして、味は旨みが濃厚です。頭は固く食べられないので、頭を持って食べるのがおすすめ。
ヤシの木に生息するイモムシは2種類いて、こちらは小型種。大型種よりも味と香りにクセがあり、イモムシ料理初心者にはおすすめできません。
ちなみにこれがイモムシの成虫です。これも食べてみましたが、甲羅が硬くていつまで経っても口の中に残り、全然美味しくありませんでした。
2 イモムシのスープ
「カタ」と呼ばれるイモムシのスープです。ペモン族はこの料理が大好きで、イモムシが収穫できると大喜びします。
ペモン族の主食はカサーベと呼ばれるキャッサバを使った薄いパンなのですが、イモムシが取れた日には「カタ専用の柔らかめカサーベ」を作るほどカタが大好きです。
このようにカサーベとカタを一緒に食べるのが、ペモン族のごちそうです。
3 イモムシの串焼き
一番美味しかったイモムシ料理は、イモムシの串焼き。イモムシを木の棒に挿して焚き火で焼きながら、煙でいぶします。
大好きなイモムシ料理を前に、笑いが止まりません。
香ばしくて味が濃縮されていて、めちゃくちゃ美味しいです!!
…とペモン族の村に滞在中、週に1回はイモムシ料理を食べていました。
伝統的な虫料理は美味しい!
ペモン族は伝統的に虫をタンパク源として食べてきたので、その調理方法も発展しています。
せっかく秘境に行くならば、その土地に根差した伝統料理が食べたいですよね?ベネズエラでエンジェルフォール・ツアーに参加した時には、ぜひ虫料理をオーダーしてみてください。
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