キューバのハバナ旧市街にあるアルマス広場で毎日開かれている古本市。そのまま博物館になりそうな品揃えです…。
こんにちは。同年代より趣味が古臭いと定評のある旅人のカイです。
今回は、キューバ・ハバナの古本市に行ったら、クラシックカーよりもキューバ独自の歴史や文化を感じることができたので紹介したいと思います。
ハバナ観光の中心である旧市街・オビスポ通りを海の方へ向かって歩いて行くと行き着くのがアルマス広場。オビスポ通りは歩行者天国になっていて、いつ行っても観光客でごった返していました。
アルマス広場では毎日10時頃から夕方5時頃まで、広場をぐるりと取り囲むように古本やガラクタの露店が並んでいます。
威勢の良い客引きの声に乗せられて、ふらふらと露店を冷やかして回ることにしました。
古本市を見て回ってはじめに気がついたのは、チェ・ゲバラやカストロ前議長など、キューバ革命を指導した革命家たちの書籍がとても多いこと。
わたしが訪れたとき(2016年12月)は、カストロ前議長が亡くなってから一ヶ月も経っていなかったので、彼を偲んでか、カストロ前議長に関係のある書籍や新聞等が多く売られていました。
一番興味深かったのは、カストロ前議長が亡くなった次の日の号外。見出しには、「フィデル(カストロの名前)こそキューバだ!」や、「勝利まで、永遠に!」といったキューバ革命の標語が踊っていました。
露店のおじさんにカストロについて聞いたところ「彼は僕らキューバ人の父さ。みんな彼の死を悲しんでいるんだ」とのことでした。ちなみに、露店のおじさん以外にも多くのキューバ人から「Fidel es mi papa(フィデルはわたしの父さ)」という言葉を多く聞きました。
英雄たちの関連書籍以外にも、キューバの歴史と文化を感じさせるお宝がたくさん露店にはならんでいました。
・パスポート
いまは一般人がパスポートを持つ事が難しいキューバですが、露店には60年前、70年前の本物のパスポートが売られていました。
パスポートには生年月日の他に職業なども記載されていて、身分証明書としての役割も担っていたそうです。また、写真が白黒だったため目の色の記載部分もあったそうです。
・英語版の古い雑誌
20年代から50年代のナショナルジオグラフィック誌も売られていました。写真の左上が1947年5月号、左下から1930年9月号、1929年11月号、1959年5月号です。
1947年発行のLIFE誌もありました。値段もドル表記だったのでアメリカで売られていたものがそのまま輸入されていたのでしょうか。
どちらもスペイン語ではなく英語版でした。アメリカとの国交が断絶する前は、キューバにはアメリカ文化が多く入ってきていたそうですが、このように古本・ガラクタ市で当時のキューバの雰囲気をこんなにも感じることができるとは思いませんでした。
ちなみに、右上に移っているのは「how to 革命本」とでもいいましょうか、子供向けなのか漫画で描かれた革命指南書もありました。
・古い株式証書
1940年代、1950年代の会社の株式証書も売られていました。社会主義のキューバでは現在、株式市場はありません。社会主義革命以前のキューバを感じさせる興味深いものでした。
写真下から、電話会社、電気会社、燃料会社の証書。いまはどれも国が管理しているものばかりです。
これらのお宝を眺めて回りながら、キューバという国の辿ってきた歴史や文化に思いを馳せました。クラシックカーのイメージが強いですが、ふらりと立ち寄った古本市でも独自の文化や社会主義国という側面を色濃く感じる事ができるキューバ。とても興味深いです。
上記のようにキューバならではのお宝以外にも、興味深いものが露店には所せましと並んでいました。たくさんの古びた時計や(実際に動きます)、
なんの本かわかりませんが、1800年代の古書まで売られていました。古い洋館に似合いそうな見た目です。
各地のガラクタ市や泥棒市を訪れてきた筆者ですが、これほど時代を感じる空間もなかなかないなと思い、露店を冷やかしているだけでとてもわくわくしてしまいました。
このように、露店を眺めているだけでいろいろな発見とワクワクがあるアルマス広場の古本市。ハバナ観光の中心にあるような場所なので、是非、観光がてら覗いてほしいと思います。
わたし自身、社会主義国(昔そうだったというのも含めて)を訪れたのが初めてだったので、キューバという国を感じる上でとても興味深い場所だなと感じました。
クラシックカーももちろんいいけれど、古本やガラクタからキューバの歴史や独自の文化を感じてみてもおもしろいのではないでしょうか。
以上、キューバよりカイでした。
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