上海の人民広場、南京東路などで多発する「お茶詐欺(中国茶詐欺)」…。僕が彼らについて行った本当の理由とは?
盗難、ぼったくり、強盗…旅にトラブルはつきものです。そして「自分は大丈夫だろう」と呑気に構えている人が大抵被害に遭っているのです。僕もそうでしたから。
今日はデスクが世界一周に出て5日目に、巧妙かつセクシーなぼったくりに遭ったお話です。
「写真を撮ってもらえませんか?」
僕はその日、上海市民の憩いの場・人民広場をひとりで散歩しておりました。
「写真を撮ってもらえませんか?」
英語でそう言って近づいてきたのは一人の若い男でした。
それが「海野太郎」との出会いでした。
彼には連れの女の子がいて、心優しい僕は二人の写真を撮ってあげました。彼らは北京の大学生で、クラス旅行で上海に来たとのこと。男はやたら声が大きく、がさつな印象。女は控えめな感じで、ちょっと可愛い。
「俺は海野太郎だ!」
「Do you know Aoi?」
そのまま立ち話をしていると、男がニヤニヤ僕に言いました。
宮崎あおいのことかな…?
「No!No!Sora!Sora Aoi!!」
男はAV女優の蒼井そらのことを言っていたのでした。確かに、蒼井そらは中国人の間で絶大な人気を誇ると聞いたことがあります。
「彼女は世界一のポルノ女優だっ!」
調子を合わせていると、男は僕に親近感を抱いたようで「お茶を飲みにいこう!」と言い出しました。なんでもこの近くに中国スタイルでお茶が飲めるお店があるらしい。
僕は旅に出て間もなくウブだったので、2つ返事でOK。旅ではじめて友達が出来て嬉しかったのです。
そして、彼は僕に名刺を差し出しました。
そこには漢字で「海野太郎」とありました。
「俺の日本名なんだ!日本人の友達がつけてくれたんだよ!海野って呼んでくれ!」
もっとマシな名前つけてやれよ…とにかく、彼が日本びいきだというのは十分伝わってきたのでした。ええ、ウブでしたから。
お茶屋での楽しいひと時
海野に連れて来られたのは、お客さんの前で店員さんがパフォーマンスをしてくれるお茶屋さんでした。
お茶の中で花が開いたり、お湯を注ぐと色が変わったり…。それを海野は指笛を吹いたりしながらはやし立てていました。
和気あいあいと楽しい時間でした。
「割り勘にしようじゃないか!」
支払いの段になって海野から提案がありました。
「デスク!ここは男の我々で割り勘にしようじゃないか!」
「もちろん!いくら?」
「ひとり500元だ!」
500…元……(約6千円)。
ウブな僕でもさすがに「高くない?」と思いました。場末な感じの店だったし、お茶も数杯試飲しただけです。しかし、僕は1元がいくらかもおぼつかないくらいウブでしたし、「50じゃない、500だ!安いもんだ!」という海野に押し切られる形で500元を海野に渡したのでした…。
10ヶ月後に知った真相
「それお茶詐欺ですよ」
それから10か月後、僕はハンガリーで真相を知ることになりました。
あの時のことがひっかかっていた僕は、ハンガリーの宿で出会った旅人にその話をしました。彼いわく人民広場の近くで観光客に声をかけ、お茶屋で高額な料金を請求する「お茶詐欺(中国茶詐欺)」なるものがあるという…。
お詐欺で検索すると100万件ヒットします。こちらの記事が詳しいです
俺のと全く同じだ…。
10か月もそのことに気がつかないなんて…僕は10か月世界を旅してもウブだったのです。
スケスケも作戦だったのか?
今思えば、服装からおかしかったのです。
海野の相方、ティナの服の透け具合…。フラッシュのせいもありますが、彼女はけっこうスケスケでした。
実は僕は、ティナの服の透け具合が気になってついていった部分もあったのです。支払いの時もスケスケのティナの手前、ごねるようなことはかっこわるいというのがありました。
これも彼らの作戦だったのかどうか、僕には分かりません…。
なんせウブなので。
お茶詐欺のエピソードは僕の本に詳しく書いています
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