スーパーでウサギを一頭買いしてみた【後編】

2015.09.20 10:49 
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ゼロから6品作って食すことによって初めてわかったウサギの新たなポテンシャル…ウサギは食用としてアリかナシか?
動物の血や内蔵が苦手な方は閲覧注意です。

 

うさぎ料理6品をランキング

こんにちは!ベルリン滞在中のがぅちゃんです!

スーパーでウサギが売られているという驚きもさることながら、人生初の動物一頭買い(ウサギは「匹」と数えますがあえて「頭」と表現)におののいていた前編ですが、後編では覚悟をきめてガッツリ調理してみました。後編では、困難の果てにさばいたウサギを、美味しく食すために考案した渾身の6品をランキングで発表します。ウサギ料理のアリとナシ…ちょっとだけわかりました。

 

覚悟を決めてさばく

調理法がわからないのにも関わらず一頭買いするという無謀な行為を反省しつつ、でもさばかないとどうにもならないので、YouTubeで見つけた動画を手本にさばいてみました。でもやっぱり怖い。

 

調理で持ち上げる度に感じる動物の重みに、覚悟も鈍ります…。DSC_0044

 

裏返すと内蔵がまだ付いていました。心も折れかけましたが、むしろタダでレバーが手に入ったとかいうふうに適当に自分をごまかして手を進めます。
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途中で手を止めるともう先に進めない(余裕が無い)と思い、一気にさばききりました。サクサク切っていくYouTubeのお手本とは違って、関節を狙って削り切るような作業となってしまい、ウサギを切るためにはいい包丁が必要…という今後役に立つのかどうかもわからない知識を学んだ瞬間でもありました。
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上から見るとこんな感じです。
DSC_0046 のコピー

 

調理しやすくするためにさらに細分化します。
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スーパーの食肉がこういったプロセスを経て店頭に並んでいるのを身を以て理解し、なんだか感慨深いものがありました……。お店の人達…普段切ってくれてありがとう。

 

4つの部位を6つの料理に

大きく分けて、肩、もも、背中、その他の4つの部位から、出来るだけバラエティ豊かになるような6品のメニューを考えてみました!
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ももの部位より「フライドウサギ」「ウサギからあげ」
背中の部位より「ウサギステーキ」「ウサギボール」
肩の部位より「ウサギ焼き手羽先風」
その他の部位より「ウサギ汁」

 

…とあますことなく使ったうさぎのフルコース6品をランキング形式で発表します!

 

1位 ウサギ汁(その他)

内蔵以外の残った部位を、ニンニクとタマネギと一緒に鍋にいれて軽く煮込み、みそ汁にして味わいました。DSC_0077

 

魚の頭だと気にならないのに、それがウサギだと死骸に見えて飲む気が失せましたが、味は以外とあっさりで、肉っぽいみそ汁という感じで美味しかったです。
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2位 フライドウサギ(もも)

手順は至って普通。小麦粉→卵→パン粉で油で揚げます。日本にあるようなパン粉が見つからなかったので、ドイツの揚げ物料理シュニッツェル用のパン粉を使ってみましたが…DSC_0064

 

その判断が吉と出て、奇跡的になんだか格式のあるドイツ料理のような一品になりました。身がぎっしりした巨大なササミにかぶりつくような食感で食べ応えがありました。

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3位 ウサギのからあげ(もも)

醤油とみりんに軽くつけて片栗粉をまぶし、あとは揚げるだけ。ウサギの持つ鶏肉感に期待…DSC_0063

 

鶏ほどプリプリの食感ではないですが、​からあげとして無難に美味しかったです。
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4位 ウサギステーキ(背中)

うさぎの背中の肉です。調べてみると、牛でいうフィレにあたる部位らしかったので、塩・胡椒のみの味付けで焼いてステーキにしました。食あたりが怖かったので、ミディアムウェルくらいで調理しました。

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とても柔らかい。6品の中で最も繊細な食感で…というか密度の高いササミみたいな感じでした。全メニュー中で最もシンプルな調理法だったためか、動物のような風味があったようにも感じましたが、気になるものではありませんでした。
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5位 ウサギ焼き手羽先風(肩)

鶏の手羽先をイメージして、ごま油とソースで和風に調理してみました。DSC_0095

 

身:骨が1:1くらいで食べごたえはあんまりなかったですが、ほぐせばおつまみにちょうどいい感じ。
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6位 うさぎボール(背中)

背中の部位から2つに切り分けたフィレの片方をすりつぶし、ハーブ、卵、小麦粉とともに混ぜて焼きました。
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見た目は美味しそうなのですが、食感はなんだかぎっしりしていて、パッとしない味……。正直これはダントツの最下位…6位と5位には大きな差がありました。
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Wikipediaによるとウサギ肉は、

挽肉にすると粘着性が高いので、ソーセージプレスハムに結着剤として使われることがある

 

…だそうです。つなぎだけ食べたってことみたいです…美味しくはなかったですが、そう感じたのは調理法の問題でもあると思います。

 

ウサギはアリかナシか?

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1〜5 位までは僅差でウサギは美味しく、食肉としてアリだとは思えましたが、あえてウサギを食べなくてはならないほどのポジティブな魅力は見つけられませんでした。

というか逆に、最下位となった理由でもあるウサギボールの粘着性こそが、ある意味でウサギの最大の魅力なのかもしれません。他の肉には出せないその特徴…それを活かす適切な調理法さえあれば、とてつもない料理に化けるポテンシャルを秘めているのではないか……。マズいと思いながらも、そんなことを考えていました。

耳だけでなく、ウサギは背中に特徴がある。調理して食べて初めて知った、ウサギの知られざるポテンシャルでした。

 

 


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がぅちゃん
イスラエル・テルアビブ在住のネイティブ京都人。京都市立芸術大学卒業後、米国人の同性パートナーとベルリンに移住し、ライターとして活動を開始。世界新聞2代目編集長。日本、イギリス、カナダ、ドイツでの生活経験がある。▶︎ブログ ▶︎youtube ▶︎twitter

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