ケツァールは手塚治虫の「火の鳥」のモデルとなったとも言われています
こんにちは!旅する理科教師ぞーしきです。
みなさん、「見たら幸せになれる鳥」と聞いてどんな姿をイメージするでしょうか?今回、中米にその幸せになれる鳥「ケツァール」がいるという情報を得ました。しかし、僕はもう旅の終盤。よっぽどのものでないと時間を取る気になれません。この時も、「あー、ハイハイ。みんな、青い鳥でも見に行くのかな。ご苦労様」程度に思っていました。しかし、その鳥の写真を見せてもらうと、一変。その可愛さに一目惚れしてしまい、見に行くことを即決しました。
さらに調べると、グアテマラにはその幻の鳥が遊びにやってくる宿があるというではありませんか。しかも、地球の歩き方によると「10羽以上のケツァールが一本の木に止まってる時もある」と。なぬー、これはその宿に泊まって幸せにならずにはいられない!今回はその幸せになれる宿の様子とケツァールちゃんの可愛い容姿をお届けします。
うっそうとした森に佇む宿泊部屋
その幸福宿の名前はRanchitos del Quetzalです。場所はここになります。
コバンという街からバスで1時間ほどです。こっちのローカルバスはいかついです。運転手にグーグルマップを見せながらここで降りたいと伝えます。
僕が着いた頃にはすっかり日も暮れてしまいました。予約をしていなかったので泊まれるかひやひやでしたが、大丈夫と聞いて一安心。
宿のスタッフについて部屋に向かいますが、そこは明かりがぽつんとあるだけの森の中。この辺りは熱帯雲霧林と呼ばれる、霧が多く湿度の高い場所に発達する森林のようです。
そんな森の中をスタッフについて行くこと数分、離れの宿泊棟に辿りつきました。
部屋の様子です。宿泊費は175ケツァール(約2700円)と物価の安いグアテマラでは超高額です。1500円程の部屋があるとの情報をネットで見たのですが、この日は無いようでした。全然幸せじゃありません。
ところで、みなさん気づきました?グアテマラのお金の単位はなんとケツァールなんですよ。紙幣の左上にもキチンとケツァールが描かれています。お金の単位になるほど神聖な鳥なんですね。
見たものだけが書ける幸せの証
では、翌日撮影した宿の様子を少しご紹介します。こちらが入り口です。
こちらはレストラン。僕は食べませんでしたが、食事も提供しているようです。
その壁には多くのケツァールの写真が飾られています。これには胸が高鳴ります。
中に入ると壁にはたくさんの寄せ書きがありました。この壁は、ケツァールを見た人だけがその感想を書き残せるようです。
いざ、ケツァールを見に!
ケツァールを見るには早朝の6時から7時がベストとのこと。ここは標高が1000mを超えるので早朝は冷えます。しっかり着込んで暗い内から観察に臨みます。
スタッフに観察に適した場所を教えてもらいました。じっくりと待てるように、そこには椅子が用意されていました。
さて、これで準備万端です。1時間、2時間かかるかわかりませんが幸せの鳥を見るまで帰れません。腰を据えてケツァールを待ちます。
すると、スタッフが「ケツァール」と叫びながら、こっちに来いと手招きしてきます。なんと待ち時間わずか10分。
そして、指差した場所を見ると……いました、ケツァールです!お腹の赤がとても目立ちます。まさか、こんなに簡単に見れるとは思っていませんでした。
写真を撮影していると、またしてもあの声が。「ケツァールだ!」。お兄さんに付いていきます。
お兄さんが「ケツァールはこの実を食べに来るんだ」と説明してくれました。スペイン語なので雰囲気の理解ですが。笑
可愛い顔を見るために……悪戦苦闘の3時間
ケツァールを見れたのは良かったものの、僕は心を射抜かれた、その可愛い顔が見たいのです。そして写真に納めたいのです。ここから僕の長い闘いが始まりました…。
鳥を撮るのはカメラ初心者の僕には難しかったです。その理由をご説明します。
1、足場が悪い
きちんと整備されている訳でもないので上ばかり見ていると転びます。僕は2度滑りました。
2、都合よくこっちを向いてくれない
10m程でしょうか。ケツァールは結構高い所に止まります。その場所を把握するだけでも精一杯です。枝の隙間からの撮影ポイントも限られるので、運よくケツァールの方からこっちを向いてくれるのを待つしかありません。
3、逆光になる
4、気温の変化でレンズが曇る
日の出前と日の出後で気温がだいぶ変わってきます。それによりレンズの内側が曇ってしまい、はっきりとした写真が30分程撮れませんでした。こういう時に限って、ケツァールはいい場所に来るんです……
カメラの設定も最初は全然わからず、ボケボケの写真ばかりでした。もっと、カメラの勉強をしておくべきだった。加えて、僕の持っている18㎜~200㎜の望遠レンズでは小さいケツァールの姿を捉えるのが精一杯でした。
何とか捉えた幸せの欠片たち
それでも何とかして撮って、トリミングした写真が以下になります。じっくり、ご覧ください。
どうでしょう。綺麗な色使いですね。鮮やかな赤・柔らかい緑・際立つ白にクチバシの黄色がインパクトを与えています。
ケツァールはオスだけ長い飾り羽を持ち、それを含めると1m程の大きさになるようです。
観察してみると思っていたよりも堂々として、お気に入りの場所を見つけると10分も動かず羽を休めることもありました。糞をしている様子も度々観察できました。幸せのうんを頂きましょう。
そして、こちらが飛翔写真です。ケツァールは手塚治虫の「火の鳥」のモデルとなったとも言われていますが、この美しい姿はそれを納得させるものでした。
キュートなお顔にめろめろ
では、さらにアップにして、僕の心を奪い取ったキュートなお顔を拝見していきましょう。
か、か、かわいーーー!もう、ぞーちゃん胸キュンです。
つぶらな瞳と頭のふさふさの毛が何とも言えませんよね。そうですよね!
幸せの効果が早速現れた
結局、3時間ほどケツァールを観察することが出来ました。一瞬見れるかどうかだと思っていたので大満足です。見失っては見つけていたので、何羽見れたかはわかりませんが最低でも2羽は見れました。宿のスタッフに聞くとこの宿に訪れた人のほとんどが観察出来ているとのこと。しかも、観察できたのはケツァールだけではありません。他の野鳥やリス、特に個人的に嬉しかったのはハチドリです。
そういった生き物を見れただけでも幸せだったのですが、宿を出てすぐその幸せ効果が生々しく僕の目の前に現れました。
それはお金を下ろしに銀行へ向かったときの事。用が済んで銀行を出ると、なんと目の前に1000ケツァール(約1万5000円)が落ちているではありませんか。なんたるご利益。ケツァール宿、恐るべしです。当然、警察に届けましたが、ケツァールのご利益で持ち主の所へ戻ってくれることでしょう。僕もいいことが出来て幸せな気持ちになれました。可愛くて幸せになれる鳥「ケツァール」に僕はもうメロメロです。
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