洞窟といえば、冒険心あふれる旅人を惹き付けてやまないスポットですが、フィリピンに「南国の楽園」のイメージからはほど遠い、まるでシュールリアリズムの絵画の世界のような神秘的な洞窟があります。
青年海外協力隊としてフィリピンの田舎町で活動中のアオノトモカです。前回、フィリピンはサガダにある珍スポット「崖に吊るされた棺桶」をレポートしましたが、近くに「神秘的な洞窟」があるというので行ってきました。
今回行くのは、サガダにある地下水路でつながれた2つの洞窟、ルミアン洞窟・スマギン洞窟です。ちなみに、サガダは日本人にはあまり知られていませんが、欧米のバックパッカーには人気の観光地です。
まずは町役場の観光案内所でガイドをお願いします。一人400ペソ(約900円)です。
歩いて洞窟の入り口に向かいます。途中でこんな岩が。完全に重力無視です。
ルミアン洞窟の入り口です。右下の人と比較するとその大きさが分かると思います。
右側に積まれているのは……
コフィン(棺桶)です!!
一番古い棺は500年以上前のものなのだとか。棺桶を崖に吊るしたり、洞窟の入り口に積み上げたりする慣習は、この地域の民族がキリスト教化したため失われてしまいました。
遠ざかる地上……入ってすぐ洞窟の暗さと岩の迫力に圧倒されて、地上が恋しくなります。生きて帰れますように……。
いきなりこんな狭い隙間を抜けなければなりません。予想外のハードさにドン引きしていると、向こう側からガイドさんが「早く来い」と。彼が私たちの命を握っているので、大人しく言う事を聞きます。
ここまで来てしまったらもう引き返せません……。さらに岩を下り、
落ちたら最後……な地下水路を横目に進むと(もちろん命綱なんてものはありません)、
不思議な光景に出会いました!大きな岩に浮かび上がる不思議な模様。水に浸食されてできたものです。ガイドさんが「棚田みたいでしょ?」と。ほんまや……。この地方には棚田がたくさんあって、その一部は世界遺産にもなっていますが、まさか洞窟の中にまで「棚田」が存在しているなんて驚きです!
すると、地底湖が現れました!私が行った2月は乾期なので水量はモモ位置程度ですが、雨季になると泳げるレベルまで水量が増すそうです。ザバザバと先へ進みます。
こんな大きな不思議な鍾乳石にも出会いました。
ガイドさんが持つランプが唯一の明かりです。置いてかれたら最後です。
よく見ると洞窟の壁にはたくさんの落書き……ガイドさん曰く、この洞窟が観光地として確立される前に迷い込んだ旅行者が、ここで力尽きる前に書き残したものも含まれているとか……こわぁ。
また地底湖がありました。すごく透明度が高いです!そして水はめちゃめちゃ冷たいです。
水で浸食されてつるつるになった鍾乳石。なんだか美味しそう……と思ってしまうのは私だけでしょうか?
この鍾乳石はエイリアンっぽいですね。「アオノ!うしろー!!!」みたいな。
本当につるつるなので、裸足で歩きます。「ビーサンで大丈夫!」ってガイドさんに言われたのでビーサンで来たのですが、全然ビーサンじゃ無理です(涙)。でも洞窟の最深部に着く頃にはすっかり怖さも消えて、テンションMAXです。
このつるつるテロテロの鍾乳石をよじ登って、今度は地上への出口を目指します!
このように親切にロープがあるのは数カ所のみでした(しかも傾斜はほぼ90度)。ロープがない場所は、ガイドさんのヒザに足をかけて登ったりしました。本当にガイドさんが私たちの命を握っているのです。
そしてついに地上の光が見えました!!やったね!!(おしりもドロドロです・・・)
この地上への階段が地味につらかったです。
そしてやっと出口に辿り着きました。ゴール!!
全行程3時間です。事前に詳しく調べてなかったので、私たちは普通の服にビーサンで行ってしまったのですが、動きやすくて汚れても良い服装+滑り止め付で脱げにくいサンダルで行く事を心からお勧めします。命がけですが、冒険好き洞窟好きには超オススメなので、フィリピンに来た時は、ぜひ行ってみてください!
文・写真:アオノトモカ
fbページ:青年海外協力隊日記by冒険女子
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