800km歩くスペイン巡礼で絶対にスルーしてはいけない7つのスポット

2017.12.11 07:00 
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1か月かけ、800km(+100km)のスペイン巡礼を終えてきました。ワインの出る蛇口にチキン教会、さらには四国のお遍路との意外な関係も明らかに…!

 

スペイン巡礼、行ってきました

Hola、Buen Camino !

こんにちは。絶賛スペイン語にかぶれまくり中の放浪者、カイです。

2017年7月から8月にかけて、スペイン巡礼(フランス人の道)の全行程800km+100kmを約一ヶ月かけて歩いてきました!

長期旅の途中で挑戦する旅人も増えてきているカミーノと呼ばれる巡礼の道。

歩ききった人だけが知っている絶対見逃せないスポットを教えちゃいます!

 

「フランス人の道(カミーノ・フランセス)」に挑戦

スペイン北部にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラまで続く道はカミーノと呼ばれていて、スペイン・ポルトガル国内はもちろん、ヨーロッパ中から聖地を目指して続いています。

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そんなカミーノの中でも今回は、一番歴史が長く最もポピュラーな「フランス人の道(カミーノ・フランセス)」を歩いてきました。

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フランス側からスタート

スタートはピレネー山脈の麓(フランス側)にある小さな街、サンジャン・ピエドポー。フランス人の道という名前だけあって、スタートはフランスからです。

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ここから800km先がサンティアゴデコンポステーラ。

写真のような貝殻のマークを頼りに歩いていきます。それでは早速、800kmの道中見つけた絶対にスルーして欲しくないスポットを紹介していきたいと思います!

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スペイン巡礼スポット1:地獄のピレネー越え

スタートから2km

 

巡礼初日は、フランス人の道の中で一番厳しい登りからはじまります。

まだ歩くことに身体も精神も慣れていない巡礼者をためすかのように、サンジャンの街を出たすぐから容赦なく「地獄のピレネー越え」の急な登りが続きます。

 

 

しかも、サンジャン・ピエドポーから約28km先のロンセスバジェスまでアルベルケ(巡礼者用の宿)がほぼなく、巡礼初日ながら28kmというまぁまぁの長距離と急な山越えをこなさなければいけないのです。

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標高も約2000mまで登るので真夏にもかかわらず、天候が崩れるとダウンジャケット必須。寒さと疲労でノックアウト寸前です。

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しかしその辛さを吹き飛ばしてくれるほど、ピレネーを超える際の景色は本当に絶景。季節によっては、広大なヒマワリ畑を横目に歩けたりもします。

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カミーノの鉄則は焦らないこと。疲れたなと思ったら、迷わず休みましょう。スペインの田舎町の風景が歩き始めの巡礼者たちを優しく癒してくれるでしょう。

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スペイン巡礼スポット2:パンプローナの牛追い祭

スタートから70km

 

スタートから約70km、順当に行けば3日目くらい、早い人は2日目で、最初の主要都市パンプローナに到着です。

 

このパンプローナ、なんといっても、あの有名なクレイジー祭りの代表格「牛追い祭(サンフェルミン祭)」の開催地。毎年7月6日から7月14日の9日間に開催されます。

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サン・フェルミン祭(牛追い祭)は。スペイン・ナバーラ州の州都パンプローナで7月に開催される祭礼。バレンシアの火祭り(3月中旬)、セビリアの春祭り(主に4月後半)と並び、スペイン3大祭の一つに数えられる。Wikipedia「サン・フェルミン祭り

 

わたしがパンプローナに到着した日(2017年7月14日)は牛追い祭最終日。午前中に最後の牛追いが終わってしまったので、牛追い自体を見ることはできませんでしたが、街全体で後夜祭をやっていて街の盛り上がりは最高級。
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巡礼者もしばし巡礼のことは忘れて地元民にまざってはしゃぎまくります。お祭好きのスペイン人気質が味わえる場所でした。祭期間中以外でも、闘牛が見られるようなので(土日のみ)、いってみるのもいいですね!

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スペイン巡礼スポット3:ワインが出る蛇口

スタートから115km

 

キリストの血とされて聖なる飲み物でもある赤ワイン。

ビール派の筆者も巡礼中はことさらワインをたくさん飲みました。この巡礼路で、ワイン好きもそうでない人も絶対にスルーしてほしくないのが「ワインの出る蛇口」があるBodega Irache(ボデガ・イラチェ)

 

スタートから100km地点のAyegui(アジェギ)から1km歩いた場所にあります。ワイナリーが巡礼者のために無料で設置してくれているもので、フランス人の道の巡礼路上にワインの蛇口があるのはここだけ。(筆者はまだ日の出前の早朝に到着しました。)

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蛇口をひねると本当にワインが!手に持っていた水筒の中身を全て捨て、ワインで満たして出発することにしました。気分はまさに中世のペレグリーノ(=巡礼者)!!

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蛇口の反対側にあった自販機でショットグラスが売られていたのも面白かったです。

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スペイン巡礼スポット4:「奇跡の鶏」伝説が残るサント・ドミンゴ大聖堂(別名チキン教会)

スタートから205km

 

フランス人の道の中で、サンティアゴ大聖堂に次いで重要な場所とも言われているのがこのサント・ドミンゴ大聖堂。スタートから205km、7〜10日程度で到着する場所です。

 

 

サント・ドミンゴ大聖堂は、巡礼者の間で「チキン教会」と呼ばれていて、「奇跡のニワトリ」の伝説が残る場所。

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伝説はこうです。

その昔、ドイツから来た親子の巡礼者がいて、息子が無実の罪で絞首刑となった。

父親は巡礼路を歩き切った後に、息子の遺体があるサント・ドミンゴに戻った。

すると息子は絞首台に吊るされながらもまだ生きていて「神のご加護がありました」と言って父親に笑いかけた。

驚いた父親は急いで食事中の裁判官のところに向い、そのことを伝えた。裁判官は父親の言うことを信じず、「そんなことあるはずがない。

もし本当ならこのローストチキンだって大声で鳴きだすさ」と言った。すると、裁判官の目の前にあったローストチキンが生き返って大声で鳴き、息子の無実を証明して見せた、

 

…そうな。

 

そうした伝説をもとに、サント・ドミンゴ大聖堂の中には本物のニワトリのつがいが飼われています。サント・ドミンゴの人たちから、ニワトリはいまも守護神として考えられているようです。

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本物のニワトリ以外にも大聖堂内にはニワトリのレリーフがいたるところにありました。チキン教会というあだ名にも納得。

大聖堂自体が貴重な建築物らしいので、見てみる価値はあるでしょう!

 

スペイン巡礼スポット5:四国お遍路博物館と親善大使がいる町、モリナセカ

スタートから540km

 

巡礼路もそろそろ終盤戦。スペイン北部の大都市レオンから約90kmの場所にある風光明媚な川辺の街モリナセカ。ここは日本と深い結びつきがある街でもあります。

 

 

ここモリナセカは、スペイン巡礼と四国お遍路の交流活動の中心地。四国お遍路の博物館まである場所なのです。

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筆者が偶然たどり着いたアルベルゲには、なんと四国お遍路の親善大使がオスピタレーロ(アルベルゲを管理するボランティア)をされていて、四国お遍路に関する本などもたくさん置かれていました。

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スペイン巡礼では、四国お遍路のことを「ジャパニーズ・カミーノ」と呼んでいて、日本版巡礼路を知っている人もたくさん。中には実際に歩いたことがあるなんて人もちらほら。

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筆者がモリナセカに到着した日はとても暑く疲労困憊だったため、その日はそれ以上歩くことを諦め急遽宿をとったのですが、偶然の巡り合わせでとても興味深い場所と出会うことができました。

スペイン巡礼の醍醐味はこうした「偶然の出会い」

心をオープンにして、自分の心に正直にいると、必要な出会いが向こうからやってくるから不思議です。

 

スペイン巡礼スポット6:ヨーロッパ最強の「タコの街」、メリデ

スタートから690km

ゴールも目前に迫ってきた巡礼の最終エリアはガリシア地方を通ります。

海産物で有名なガリシア料理。その中でもメリデのプルポ(=タコ)はヨーロッパ人の間で超有名

 

 

ヨーロッパの人々にとってタコはあまりポピュラーな食材ではないのですが、ここメリデでは巡礼の休憩として一休みがてら皆んなタコを食べて行きます。

ちなみにタコ専門店のことをプルポ(=タコ)屋さんという意味のPulperia(プルペリア)と呼びます。

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筆者がメリデを通過した時はハンガリー人の友達と一緒だったので、その友達とタコを食べに行くことに。

海がないハンガリーから来た青年にとって、人生初体験のタコ。恐る恐る口に運んでいました。笑

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茹でたタコに、塩胡椒とパプリカ粉、そして大量のオリーブオイルがかかっていました。臭みもなく歯ごたえ抜群でとってもおいしかったです。白ワインと相性抜群!ぜひ、食べてほしい一皿です。

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スペイン巡礼スポット7:ゴール「サンティアゴ大聖堂」と大聖堂前広場

スタートから800km

 

巡礼のフィニッシュ地点、サンティアゴ・デ・コンポステーラにある大聖堂と大聖堂を見上げる広場が、なんといっても一番の名所でしょう。

 

 

1000年以上の歴史があるカミーノのゴールにあるサンティアゴ大聖堂は聖ヤコブが祀られているキリスト教の聖地。フランス人の道だけでなく、様々な道を歩いてきたすべての巡礼者たちが、この場所で大聖堂を見つめます

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筆者自身も、数々の苦難を共にした仲間達とこの広場で再開し、お決まりの「ブエン・カミーノ(良き巡礼を)」の合言葉を叫びあいながら、無事歩ききったことを祝いあいました。

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様々な人生が交差するカミーノのゴール地点。バックパックをまくらに広場に寝そべって大聖堂を見上げていると、一ヶ月間の様々な出来事、出会いが思い出されて、嬉しいやら悲しいやらすでに懐かしいやら、たくさんの感情が湧き上がってきます。

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一休みしたら、巡礼仲間たちと最後の宴会。ワインとサンティアゴ名物「タルタ・デ・サンティアゴ(サンティアゴケーキ)」で乾杯です。

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長かった800km。本当にここまで歩いて来てよかったとしみじみ思える場所でしょう!

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スペイン巡礼スポット(おまけ):ドナティーボ(寄付)形式の休憩所

以上が筆者がおすすめする、巡礼中に必ず訪れてほしい名所でしたが、いかがでしたでしょうか。

もちろん上記以外にも書ききれないたくさんの興味深い場所がカミーノ中にはたくさんあるのですが、その中でも一つだけ最後に紹介したいのが、ドナティーボ(寄付)制の休憩場所。

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スペイン巡礼路には、本当にいたるところに巡礼者をサポートするための場所があって、食べ物や飲み物のほか、アクセサリーやお守りまで用意してくれているところもありましあ。

巡礼者たちはそれらをいただく代わりに、少しばかりの気持ちを寄付として残していきます。

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こうしたドナティーボ制の休憩スポットは、ヒッピーのような人たちが運営している場合が多く、その雰囲気はとても自然で癒されること間違いなし。

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写真はひたすら続く坂道を登りきったあとにある山頂付近にあった休憩スポット。木で作られた椅子や、音楽がとても心地よかったです。

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ここを運営しているのはアルバニアとイタリアから来た女性二人と2匹の犬たち。先を急いでいた巡礼者たちも、この場所にくるとほっと肩の力が抜けたようにリラックスした表情を見せていました。

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自分だけの特別なスポットを見つけるのもスペイン巡礼の醍醐味

スペイン巡礼800kmの中で特に見逃してほしくないスポットをご紹介しましたが、上記以外にも個人的な思い出のつまった自分だけのスペシャルスポットがたくさんあります。

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スペイン巡礼は、様々な出会いの連続。良いハプニングもあれば、悪いハプニングもたくさん起こります。そうして一ヶ月間800kmを歩く中で、自分だけのとっておきの場所がたくさんできるでしょう。そう、それがカミーノ!

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これから巡礼に挑戦する旅人の人たちには、今回ご紹介したスポットはもちろん、自分だけのスペシャルスポットをたくさん作りながら、巡礼を楽しんでほしいと思います。

¡ Buen Camino !

以上、スペインよりカイでした。

 


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カイリカコ

カイリカコ

1989年千葉県生まれ。B型っぽいO型よりのA型。ガジェット系雑誌・Webサイトの広告マンを2年半務めたあと退職し、かねてより計画していた世界放浪をスタート。「そよかぜのように旅をする」をモットーに、世界のどこかをそよりと放浪中。▶︎Blog(そよかぜ旅日記)▶︎Instagram(@soyotabi_rkk)

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