ベルリンの「はな毛」は洗練されたおもてなし空間だった

2014.11.30 07:00 
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twitterに端を発し、たくさんのサイトがこぞって取り上げるなど、少し前にネットを騒然とさせた、ベルリンに存在するレストラン「はな毛」。しっかり屋号の由来も聞いてきましたよ!

 

こんにちは、かつて体重0.1トンありました。何でも食べます、ベルリン滞在中の美大生がぅちゃんです。

「はな毛騒動」の元ネタとなったツイートがこちら。

 

 

ハナゲってどういうことやねん!?と思ったので調べて行ってみました。

 

寿司の無い日本食

欧米先進国には日本食屋がわりとあります。しかし日本人が経営していない場合もあり、どこもとりあえずメニューに寿司があるといったような具合で、客からすれば「日本食レストランへ行ったらとりあえずスシが食べられる」といった感覚があります。

そんな中「はな毛」はそういった他の日本食レストランとは違い、「お好み焼き屋」として経営されています。メニューには寿司がありません。

名前のわんぱく感からは予想できないような洗練された空間が「はな毛」にはありました。

 

ベルリンの下北沢

「はな毛」はベルリンの中でも若者が集まるエバースヴァルダー駅 付近に存在します。落ち着いた下北沢といった感じでしょうか。

 

駅前はわりと落ち着いています。
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ランドマークでもある路面電車が行き交い、ベルリン感も十分。FullSizeRender-9

 

「はな毛」はもう目と鼻の先です。
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そしてついに……

徒歩5分ほどで到着!静かな通りに面しているので隠れ家感があります。
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お好み焼きとハッキリ明言しています。
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お持ち帰りも可能だそうです。「Sorry! No Sushi」という小さなステッカーが張られています。そんじょそこらの日本食レストランとは違う雰囲気が漂っています。
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小綺麗なオシャレ空間

やはりというかまさかというか…なんとも小奇麗なオシャレ空間。四人がけテーブル席3つと奥に粋な席があったので、僕は迷わずそこへ。どう粋かは後ほど紹介しますのでお楽しみに…。
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エンビアント系のBGMが流れる店内はこぢんまりとしており、清潔感のある明るい照明と、あまりのオシャレさに、パスタとか出てきそうな勢いでした。店名と店内のギャップももちろんですが、イメージしていたお好み焼き屋さんとは違うオシャレな空間という2重のギャップで驚かされました。すごくやさしいヤンキーが双子だったような感覚です。

入店の際には、ベルリンに来て初めての「生いらっしゃいませ」も聞けてなんだかほっこりしました。元気モリモリのかけ声系とは違い、一人一人を丁寧にもてなすタイプの冷静ないらっしゃいませに、日本人の僕ですら感動です。

 

随所に光るセンス

メニューはラミネート加工された両面印刷1枚。非常にシンプルで分かりやすいです。日本語、日本語のローマ字版、ドイツ語、英語が全て表記されていました。はな毛の随所に光るセンスの良さはもはやレストランとして他と一線を画しています。
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トッピングを除く全てのメニューに写真が載っているので、非常に理解しやすいです。海外のメニューは内容が分かりづらく、予備知識が無いと実物の予想ができないということがあるのですが、「はな毛」ではその心配はなさそうです。これは日本食に親しみが無い方には助かると思います。
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注文はカウンターでということなのですが、こちらから向かうまでもなく察して来てくれました。もはや店員さんがセルフサービスしてくれていました。
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店の雰囲気とシュッとしたわかりやすいメニューに食事する前からすでに興奮しつつ、店員さんと世間話を挟みながら、好みでざっとオーダーしました。今回は注文していませんが、デザートが餅系オンリーでした。外国人に餅系おやつが人気ということをたまに聞くのですが、その人達にとってはうれしいメニューなのではないでしょうか。

 

オーダー内容はこんな感じ

KIRIN一番搾り €3.50
からあげ €3.50
お好み焼き(ソース)€5.00
トッピング:チーズ €1.00、エビ €2.50
Total €15.50…日本円でだいたい2300円ですね。

 

「粋な席」でいただきます

1人用の瓶ビールをコップでいただきます。ベルリンでこのスタイルはかなり新鮮です。ss

 

完璧な風景です。
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ザ・日本のからあげ。小ぶりな一口サイズの唐揚げが7つごろごろ入っており、控えめに味付けされた鶏肉の風味と、片栗粉が混ざった衣のサクサクした食感で文句無しに美味しかったです。むしろこれこそがフライドチキンだと欧米諸国に声高に叫びたい。枝豆も一生つまんでいられるような塩梅でした。
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突然、店内のBGMが何故かサルサになって俄然テンションが上がってきたあたりで、シュッとしたお好み焼きが出てきました。鰹節もちゃんと踊っていました。
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主役も揃ったところで…意味も無く眺めてみました。気持ちがいい。FullSizeRender-5

 

何をトッピングしても美味い。文字通りお好みがおいしく焼かれていました。そして……IMG_1670

 

これが噂の「粋な席」。僕が座っていたのは、なんと畳の座敷でした。普段は断然テーブル派なのですがこの店の雰囲気は僕の何かを刺激しました。
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ベルリンでサルサを聞きながらシュッとした座敷でシュッとしたお好み焼きを食べる…これは日本食どころか、もはや和洋折衷をも超えたその先、というか巡り巡って僕は「はな毛」に日本を見ました。

 

遊び心も忘れない…

期待を裏切らない、お手洗いの中の壁にあった標識。IMG_1659

 

お持ち帰り用メニューや名刺の他、特製ポストカードまであります。ぽすと

 

お・も・て・な・し

シェフとマネージャーのおふたり。趣味はサルサだそうです。踊っていたのは鰹節だけではなかったのですね!
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おふたりともフレンドリーな方々で、来店されたほとんどのお客さんとコミュニケーションを取っていました。人見知りの僕でも彼らのおかげで楽しい時間を過ごせました。

海外でこのように気持ちよく店員さんと接する機会はなかなかありません。むしろほとんど素っ気なかったり、日本では当然の形式上の愛想すら無い場合が多々あります。そんな中ここまでの体験をさせてくれた「はな毛」は、彼らあってこそといっても過言ではありません。

 

「はな毛」の理由

本物の日本の味だけでなく、洗練された雰囲気と配慮されたサービスからは、日本“風”ではなく“日本”を提供しているということを感じました。目に見えない部分を含む総合的な工夫が、ゴリオシ日本風にありがちな「珍奇」や「奇抜」だけでない“日本式”を生むのだと思います。

ちなみに、「はな毛」という店名は大阪出身のオーナーがノリでつけたそうです。ノリ…大切ですよね。

ベルリンを訪ねた際は、ノリであえて「はな毛」で日本を再発見してみてはいかがでしょうか。

はな毛:ホームページ
住所:Raumerstraße 1, 10437 Berlin

 

文・写真:がぅちゃん 

 

 


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がぅちゃん
イスラエル・テルアビブ在住のネイティブ京都人。京都市立芸術大学卒業後、米国人の同性パートナーとベルリンに移住し、ライターとして活動を開始。世界新聞2代目編集長。日本、イギリス、カナダ、ドイツでの生活経験がある。▶︎ブログ ▶︎youtube ▶︎twitter

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