日々、お得なお金の管理方法を探し続けている編集部のLeeです。
海外旅行に行くとき、お金の管理方法にはいつも頭を悩ませています。
かつては、現地通貨建てのトラベラーズチェックを持って行って、それをお金の管理方法としていました。
しかし現在、トラベラーズチェックを日本国内で購入することができないため、新たなお金の管理方法を探すのが急務となっています。
今回は、トラベラーズチェックがお得だった理由と、トラベラーズチェックに代わるお金の管理方法である「キャッシュパスポート」のお得度を見ていきたいと思います。
※トラベラーズチェックは販売終了になりました
日本では、アメックス、VISA、マスターカードなど、国際ブランドのクレジットカード会社が発行しているトラベラーズチェックをはじめ、JTBやみずほ銀行などが独自に発行しているトラベラーズチェックなど、数多くの種類のトラベラーズチェックを購入できました。
購入可能なトラベラーズチェックの通貨も、以下のようにバリエーション豊富でした。
・アメリカドル
・ユーロ
・カナダドル
・イギリスポンド
・スイスフラン
・中国人民元
・オーストラリアドル
・日本円
私はヨーロッパへ旅行に行く機会が多かったので、ユーロ建てのトラベラーズチェックにお世話になりました。
初めて海外旅行に行ったのは1997年のフランスでしたが、その時はユーロではなくフランスフランでしたので、フランスフラン建てのトラベラーズチェックを、日本の郵便局で購入していました。
2014年3月31日、日本でのトラベラーズチェック販売が終了
しかし、トラベラーズチェックの販売網は徐々に狭まり、2013年には三井住友銀行がトラベラーズチェックの販売を終了しました。
そして2014年3月31日、アメックスのトラベラーズチェックが販売終了になったのを最後に、日本国内でトラベラーズチェックを購入することはできなくなったのです。
日本国内でトラベラーズチェックを購入することはできなくなったものの、すでに購入済みのトラベラーズチェックを換金することはできます。
しかし、日本国内におけるトラベラーズチェックの換金場所も少なくなる一方ですので、換金を考えている方は早めに行なってください。
代わりとしてはキャッシュパスポートがおすすめ。外貨両替よりお得
トラベラーズチェックに代わるお金の管理方法としては、クレジットカード、国際キャッシュカード、海外プリペイドカードなどがありますが、最もお勧めできるのは海外プリペイドカードの「キャッシュパスポート」です。
セキュリティがばっちり
キャッシュパスポートにはICチップが搭載されています。
海外では、ICチップを読み取ってカード決済するのが一般的です。
2016年にフランスに旅行に行った際も、駅の自動券売機やレンタサイクルの受付端末などは、ICチップを搭載していないカードは利用できませんでした。
日本の銀行ATMはカードを飲み込むタイプが主流ですが、パリのATMにはICチップ部分のみを差し込むタイプのATMも多かったです。
ICチップで決済をすれば、スキミングで磁気ストライプからカード情報を読み取られる心配もありません。
利便性も抜群
マスターカードブランドが搭載されているキャッシュパスポートは、世界210以上の国と地域で利用可能です。
今では国際ブランドによる地域差も少なくなりましたが、JCBは海外では使えないところもまだあります。
VISAはアメリカで強く、マスターカードはヨーロッパで強いと言われています。
私は主にヨーロッパを旅行するため、マスターカードはまさにうってつけです。
キャッシュパスポートにはスペアカードもあるため、万が一本カードが紛失・盗難の被害に遭っても、スペアカードで旅行を続行できます。
何よりレートがお得
キャッシュパスポートは、以下の9通貨で利用可能です。
・日本円
・アメリカドル
・ユーロ
・イギリスポンド
・オーストラリアドル
・ニュージーランドドル
・カナダドル
・シンガポールドル
・香港ドル
アメリカ、ヨーロッパ、アジアの主要通貨を網羅していますね。
ここでは、日本円を除く8通貨で、2017年10月20日における日本円→外貨の1通貨当たりの両替レートを紹介します。
比較するのは、「キャッシュパスポート」と「(両替所の)トラベレックスのオンラインレート」です。
| 
 キャッシュパスポート(円)  | 
 トラベレックス(円)  | 
|
| 
 アメリカドル  | 
 115.00  | 
 115.67  | 
| 
 ユーロ  | 
 137.41  | 
 137.36  | 
| 
 イギリスポンド  | 
 155.54  | 
 160.30  | 
| 
 オーストラリアドル  | 
 96.26  | 
 98.37  | 
| 
 ニュージーランドドル  | 
 85.93  | 
 89.80  | 
| 
 カナダドル  | 
 97.86  | 
 99.39  | 
| 
 シンガポールドル  | 
 87.56  | 
 89.07  | 
| 
 香港ドル  | 
 15.23  | 
 16.60  | 
ユーロを除いて、トラベレックスオンラインよりもキャッシュパスポートのレートの方がお得なことが分かります。
しかも、トラベレックスはオンラインではなく店舗で両替をする際には、オンラインでのレートよりさらに条件が悪くなりますので、キャッシュパスポートはさらにお得になります。
トラベラーズチェックはなぜお得なのか?
トラベラーズチェックがお得な理由、それは適用される為替レートが異なる点が挙げられます。
外国の両替所や銀行などで「日本円現金→現地通貨現金」への両替を行なう際、適用される為替レートは「現金売/買レート」です。
「現金売/買レート」は「対顧客電信相場」に「現金取扱手数料」が加味されたレートとなっています。
一方のトラベラーズチェックは、対顧客電信相場がそのまま両替レートとして適用されており、現金取扱手数料は加味されておりません。
その分、対顧客電信相場をそのままレートで適用しているトラベラーズチェックの方が、両替レートが良い(=お得)ということになります。
対顧客電信相場や現金取扱手数料は、取扱金融機関によって異なります。
三菱東京UFJ銀行を例に挙げますと、日本円をオーストラリアドルに両替する際、「対顧客電信相場(トラベラーズチェック)と「現金売/買レート」(現金)では、レートに10%前後の開きが生じます。
トラベラーズチェックの発行には、1%程度の発行手数料がかかりますが、それを差し引いてもまだトラベラーズチェックの方がお得に両替できることになります。
トラベラーズチェック・キャッシュパスポート・現金
為替レート比較
トラベラーズチェックは「対顧客電信相場」が適用され、現金の両替は手数料が上乗せされた「現金売/買レート」が適用されることは、説明しました。
ここでは、2017年10月20日現在の、「対顧客電信相場」「現金売/買レート」「キャッシュパスポートのレート」を、三菱東京UFJ銀行のレートを参考に1通貨当たりの両替で比較してみましょう。
| 
 キャッシュ  | 
 対顧客電信相場  | 
 現金売レート  | 
|
| 
 アメリカドル  | 
 115.00  | 
 113.99  | 
 115.79  | 
| 
 ユーロ  | 
 137.41  | 
 134.98  | 
 137.48  | 
| 
 イギリスポンド  | 
 155.54  | 
 153.37  | 
 161.37  | 
| 
 豪ドル  | 
 96.26  | 
 90.82  | 
 98.52  | 
| 
 NZドル  | 
 85.93  | 
 82.91  | 
 89.61  | 
| 
 カナダドル  | 
 97.86  | 
 92.27  | 
 99.27  | 
| 
 シンガポールドル  | 
 87.56  | 
 84.15  | 
 89.15  | 
| 
 香港ドル  | 
 15.23  | 
 14.90  | 
 16.90  | 
現在ではトラベラーズチェックは販売されていませんが、仮に現在もトラベラーズチェックが販売されていたと仮定すると、適用レートである「対顧客電信相場」はかなりレートがお得です。
ただし、トラベラーズチェックを購入する際には、1%の発行手数料がかかりますので、それを加味すると、キャッシュパスポートとレートはさほど変わりありません。
三菱東京UFJ銀行の現金レートは、どれもキャッシュパスポートのレートよりも悪いです。
	