海外グルメを紹介した記事は数あれど「こういうのを求めているんでしょ?」的な、読者に歩み寄った感じのものが多いように思います。ポップさではなく、ガチで美味いもんランキングが作りたい。そんなデスクの要望に応えてくれたのが、本紙に何度も登場している料理人・山本ジャーニー(連載はこちら)。
山本ジャーニー
「飲食店経験や調理師・フードコーディネーターの資格を取得したのち、2011年11月より世界一周へ。世界の「食」をテーマにした世界一周で、一年間で食べた料理は合計1165皿」山本ジャーニーの世界一周旅食紀1165皿(with地球の歩き方)より引用
いざ取材をはじめると、グルメを20個もランク付けするのは容易ではないと二人で頭を抱えましたが、なんとか完成しました。
では、お腹が空いた方からどうぞ。
モロッコ、フェズ、500円
北アフリカでポピュラーなクスクス。具材にはごろっとした鶏肉や野菜。この中でいい仕事をするのが小粒なレーズン。レーズンの甘味と酸味が全体を引き立てます。
マラウイ、ンカタベイ、150円
これぞアフリカンな一皿。トマトで煮込んだ鶏肉とビーンズ、ここに小魚のフライをトッピングしてくるところがアフリカならではのカオス。でもこの混沌とした感じが素敵でした。
メキシコ、アカプルコ、400円
メキシコ風サンドイッチのトルタ。鶏肉、チョリソー、ハム、玉ねぎ、アボガド、そしてオアハカチーズ(メキシコ名物の濃厚チーズ)。もう何が何だかわからないのだけど、とにかく美味しい。
ハンガリー、ブダペスト、700円
衣はサクサク、中はふんわりの鯉のフライ。これだけでも十分美味しかったのだけど、付け合わせのジャガイモのピクルスが絶妙。こってりとさっぱりを見事に調和させてます。
スペイン、マルベージャ、150円
スペインのタパス(小皿料理)文化は色々な味を少しずつ楽しめるので、一人旅にとって嬉しいもの。数あるタパスの中で最も美味しかったミートボールのトマト煮込み。素朴な優しい味わいがたまりません。
チェコ、プラハ、800円
チェコは肉料理が有名で、特に美味しかったのが写真の一皿。メインのベイクドポークもさることながら、付け合わせのザワークラフト(酢キャベツ)との相性が抜群なのです。
スペイン、セゴビア、700円
マドリッドの郊外にある世界遺産の街、セゴビアの名物料理。母乳のみで育てられた仔豚をローストしたもの。母乳以外の飼料は品質を落としてしまうため、使用しないとのこと。
ハンガリー、ブダペスト、1500円
ハンガリーでは、世界三大珍味の1つ、フォアグラがリーズナブルに楽しめることで有名。私が食べたものはジャガイモとトマトソースでソテーしたもの。高級食材が随分と庶民的に調理されていてびっくり。
メキシコ、プエルトエスコンディード、400円
メキシコの定番料理の1つポソーレ。豚の頭や豚骨を長時間煮込んで作られる、言うなればメキシコ風の豚骨スープ。
スペイン、マルベージャ、2000円
地中海に臨むビーチ沿いのレストランで食べた本場のパエリア。ホタテやあさりの他に2種類の海老が乗った豪勢なパエリアだが、ポイントになるのは添えられたレモン。レモンを絞ることによって、味がぐっと引き締まるのです。
メキシコ、ティファナ、800円
アメリカとメキシコの国境の街ティファナで食べたメキシカンステーキ。でも美味しかったのはステーキではなく後方のセボジージャ(ネギ)のグリル。未だかつてないほど美味しいネギでした。
ペルー、リマ、1500円
南米風の焼肉とも言える一皿。鶏肉、豚肉、牛肉、チョリソーに、各種ホルモンと何でもあり。美味しさはもとより、まずこの迫力に圧倒される。
アメリカ、ニューヨーク、150円
旅の初日にニューヨークのグロサリー(食料雑貨店)で買ったハムとクリームチーズを挟んだベーグル。シンプルながらに忘れられない、とても印象深い一皿。
エチオピア、アワサ、250円
バックパッカーの間ではその独特の酸味と形状から悪名高きインジェラ。僕はすっかり病みつきになりました。いろんな野菜を一度に食べられるところも旅行者にはありがたい。
ドイツ、ベルリン、250円
今、ケバブが世界中に知れ渡るようになったのはベルリンで火がついたからとか。さすが世界的ブームの牽引役、個人的には本場のものよりも好き。
メキシコ、ティファナ、150円
メキシコに入国して初めて食べたのがこのタコス。牛肉、アボガド、香菜(スペイン語ではシラントロ)という初めての組み合わせとそのタコスとの相性に唸った一品。
ポルトガル、ポルト、約300円
ポルトは美味しいイワシが食べられることで有名で、ちょうどこの街を訪れた初夏、イワシは旬を迎えていた。店頭で炭火焼きにしたイワシをそのままアツアツで。このシンプルさと香ばしさがたまらない。
タイ、バンコク、約150円
かれこれ10年以上通い続けているバンコクの屋台のあんかけ麺。玉子を割ると中から平太の麺が出てくる。餡と麺と玉子が絡まった一口は実に完璧。
スペイン、マドリッド、約1200円
スペインと言えば生ハム。その中でもイベリコ豚を使ったハモン・イベリコは同国の至宝とも言える存在。嚙めば噛むほどに溢れ出る旨味と味わいに恍惚。
オランダ、アムステルダム、約200円
オランダはニシンをほぼ生で食べるという習慣がある。ホットドッグ屋のような感覚でニシンスタンドがあり、気軽に食べられる。刻んだ玉ねぎ、ピクルスと旬のニシンの脂の調和はまさに絶妙、まさに至福。
いかがでしたでしょう?なかなか通ごのみのラインナップだったと思います。是非とも、海外はもちろん、日本で見つけたら即オーダーで間違いないかと思います。
協力:山本ジャーニー
運営サイト:山本ジャーニーの世界一周旅食紀1165皿(with地球の歩き方)
世界新聞連載:世界一周「再現レストラン」
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