グアテマラの国境近く、メキシコの端に位置する街「タパチュラ」。日系人が運営する「タパチュラ日系文化クラブ」なる場所が存在するということで、実際に行ってきました。
メキシコ最果ての地タパチュラ
お酒と音楽とおねーさんをこよなく愛するナシオです。 今回はメキシコのタパチュラの街にある、日本文化を伝えているクラブを紹介します。
タパチュラ、と言ってもほとんどの人がどこにあるか分からないと思いますが、グアテマラとの国境まで20キロ弱の場所にあるメキシコ最果ての地の街です。
タパチュラ
実はこのタパチュラ、以前紹介した(※)日系移民がこのタパチュラを通り移民先の村まで歩いて行ったと言うことなどか、ら実は日本と深い結びつきのある街なのです。
※参照記事>>120年前、ラテンアメリカ初の日系移民が暮らしたメキシコの村「アカコヤグア」の今
目の前の大通りの名前が「AKISHINO BOULEVARD」からついたガソリンスタンドの支店名。このAKISHINO BOULEVARD(秋篠宮大通り)、1997年に秋篠宮殿下がメキシコを訪問された事を記念に大通りの名前が改名されたそうです。
タパチュラに存在する、日本文化クラブ
そんなメキシコ辺境の地で、日本文化を伝えるクラブがあると言うので足を運んでみました。タパチュラの街の中心部付近の路地を歩いていくと…
タパチュラ日系文化クラブは飲食店や商店などが隣接する建物の奥にありました。
タパチュラ日系文化クラブに潜入!
ここでこのクラブを1人で運営する、メキシコ生まれの日系2世、マルコス・明広・浜田さんとお会いする事が出来ました。
日本語も流暢なもので、旅先で聞く日本語にほっとっさせられました。
幼い頃に少しだけ日本に居たと言う浜田さん。何人かの友人から日本語を教えてほしいという依頼がきっかけで約15年前にクラブを始めたそうです。お仕事の時間以外を使って、クラブの運営・講師などを務めているとの事です。
現在タパチュラ日系文化クラブでは「合気道・剣術・瞑想・日本語」などの教室が開かれていて、生徒さんの数は20人ほどいるそうです。
教室がどんな様子で行われているか気になったので、いくつかの教室にお邪魔させてもらう事になりました。
タパチュラ日系文化クラブ体験入学:合気道
最初にお邪魔したのは「合気道」の教室。「合気道」を中心に剣道や護身術などを総合的に教えています。月・水・金曜の18時~20時に行われているそうです。
授業はまず合気道の祖・植芝盛平氏に礼をする事から始まりました。
植芝盛平(うえしばもりへい)は合気道の創始者。合気道界では開祖と敬称される。参照:Wikipedia「植芝盛平」
「入身・転換」など、合気道の基本的な型の練習をしたあと実践的な練習に入りました。まずは浜田さん(左)がお手本を見せます。
日本のビシッとした雰囲気とは違った、笑顔の出せるほがらかな雰囲気で教室は進んで行きます(笑)
ある生徒さんになぜ合気道をを始めたかを聞くと…
タパチュラはお世辞にも治安が良いとは言えない。自分の身を守るために始めた
との答えが返って来ました。メキシコの治安状況を物語る答えを聞いて身が引き締まる思いでした…。
剣道(剣術)の時間も基本の型の練習を挟んで実践的な練習になりました。
本格的な竹刀や木刀をそろえるのはメキシコの辺境の地では大変なようで、ほとんどの生徒さんは竹を切っただけの簡単な竹刀を使っていました。
写真を撮りつつメキシコ人の生徒さんと一緒に授業を受けていたのですが、実はこの時が私の人生で初めて合気道や剣道を習った時間でした(笑)
基本的にスペイン語で授業は進められるのですが、剣道の「上段の構え」などの用語は日本語だったので何とか授業についていけました…。
タパチュラ日系文化クラブ体験入学:日本語教室
お次は火曜日と木曜日の9時~10時と18時~19時に行われている、日本語教室へ。
日本へ旅行に行きたいということで教室に通うにようになったそうです。仕事の合間をぬって授業を受けているそうですが、ひらがなを読めたり自己紹介が出来るほどのレベルで驚かされました。
ちなみにメキシコの平均的なお医者さんのお給料は20,000ペソ(およそ12万円)ほどと聞きました…。
まだ教室に通い始めて日が浅いようで、ひらがなの読み書きが大変そうでした。
日本のドラマやアニメ・漫画が大好きで教室に通い始めたそうですが、私の知らない日本のアイドルや女優さんを知っていてかなりの日本通でした(笑)
タパチュラ日系文化クラブにお邪魔して感じた事
およそ1週間、合気道や日本語の教室にお邪魔させてもらった「タパチュラ日系文化クラブ」。道場の横の部屋には浜田さんのコレクションである武具などが飾られていました。
1つ1つの武具を説明してくれる浜田さんに私が「武道が大好きなのですね」と尋ねた時、「武道というより、武士道と言うものが好きなのです」との答えが返って来ました。
メキシコ辺境の地で「サムライ」に出会ったような気がして止みませんでした。
共に汗を流した生徒さん、そして浜田さんとの交流では「治安の悪い場所でい自分の身を守るため」など、ただ単純に日本文化が好きという以外の理由も聞けたり、地元の人の暮らしぶりなどが聞く事が出来た貴重な体験になりました。
クラブでは旅行者など日本人の見学者は大歓迎と言う事なので、メキシコ・タパチュラを訪れる際はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか!
電話 044-962-100-6464(日本語OKです。)
以上、メキシコからナシオがお伝えしました!
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