次回の旅行にも使おうと思っていたトラベラーズチェックが廃止されたと聞いて、少し困っている編集部のLeeです。
2014年3月31日をもって、日本国内では全てのトラベラーズチェックの販売が終了しました。
現在、日本国内ではどこの郵便局や銀行に行っても、トラベラーズチェックを購入することができませんので、特に海外旅行初心者の方は無駄足を踏まないように注意してください。
トラベラーズチェックは、セキュリティが非常に高く再発行も可能なことから、海外旅行者のお金の管理には不可欠な存在でした。
この記事では、トラベラーズチェックの廃止についてと、現在おすすめのお金の持ち方を3つ紹介します。
トラベラーズチェック廃止。できること、できないこと
トラベラーズチェックが廃止されて3年以上経過しますが、トラベラーズチェックに関して現在できること、できないことを紹介します。
日本国内でトラベラーズチェックの購入はできない
まず、トラベラーズチェックの購入はできません。
トラベラーズチェックにはブランドがあり、ブランドごとに日本国内での取扱窓口が異なっていました。
アメリカン・エキスプレスのトラベラーズチェックは、みずほ銀行や三菱東京UFJ銀行、ゆうちょ銀行やトラベレックスで取り扱っていました。
私も、フランスに行くときにはゆうちょ銀行で、アメリカン・エキスプレスのユーロ建てを購入していました。
VISAのトラベラーズチェックは、三井住友銀行、旧東京銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)で、マスターカードのトラベラーズチェックは、旧三菱銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)で取り扱っていました。
その他、JTBやみずほ銀行、トーマスクックなどが発行しているトラベラーズチェックもありましたが、これらすべては、2014年3月31日を持って販売を廃止しています。
日本国内でのトラベラーズチェックの換金場所も減っている
トラベラーズチェックには有効期限がありませんので、上記で紹介した取扱窓口を中心に、日本国内での換金はまだ十分に可能です。
例えば、大手外貨両替ショップの「トラベレックス」では、アメリカン・エキスプレス、トーマスクック(マスターカード)、インターペイメント(VISA)、バークレイズバンク(VISA)が発行元のトラベラーズチェックのみ、換金を受け付けています。
日本国内での換金の場合、現地通貨の現金ではなく日本円で戻ってきます。
アメリカン・エキスプレス発行のトラベラーズチェックの場合、1日あたりの換金限度額は20万円相当額までで、複数通貨のトラベラーズチェックを同日に換金しても変わりありません。
アメリカン・エキスプレス以外が発行元のトラベラーズチェックについては、郵送での換金はできず、トラベレックス店舗に持参します。
その際は、パスポートや運転免許証を持参のうえ、本人が来店してください。
ただし、フランスフランやドイツマルク、スペインセペタやオランダギルダーなど、統一通貨「ユーロ」誕生に伴い消滅した通貨建てのトラベラーズチェックについては、トラベレックスの専門部署に問い合わせてください。
ゆうちょ銀行では、2016年5月2日を持って、アメリカン・エキスプレスのトラベラーズチェックの買取を廃止しました。
他の金融機関でも、換金を廃止するところが増えることが予想されますので、未使用のトラベラーズチェックを使う予定のない人は、早めに換金しましょう。
現地でのトラベラーズチェックの利用は可能だが…
以前より、トラベラーズチェックは銀行や郵便局、両替所で換金するのがメインで、街中のお店でそのまま利用するのは難しいものでした。
現在では、現地の銀行や郵便局、両替所で換金するのさえ難しくなっています。
換金を受け付けているとしても、地方都市ではなく観光地や大都市の窓口に限られます。
トラベラーズチェック廃止後のお金の持ち方1
海外プリペイドカード
トラベラーズチェック廃止後のお金の持ち方としては、いくつか候補がありますが、まずは「海外プリペイドカード」を紹介しましょう。
海外プリペイドカードは、基本的には海外でしか利用できないプリペイドカードで、事前に入金した金額だけ利用できるものです。
「マネパカード」、「キャッシュパスポート」などがあります。
セキュリティはどちらもしっかりしている
海外プリペイドカードのセキュリティは、トラベラーズチェックに引けを取りません。
トラベラーズチェックは、パスポートを提示の上で、事前にしたサインと同じサインを、その場でトラベラーズチェックにします。
私も現地の郵便局で換金をした時、窓口のおばちゃんが私の顔と筆跡をじろじろと見るので、なりすましの心配はまずないと思います。
一方、海外プリペイドカードはICチップが搭載されているので、スキミングの被害に遭いにくく、暗証番号を入力しないと使えません。
どちらも自分で決めた金額しか使えない
トラベラーズチェックと海外プリペイドカードのどちらも、自分で決めた金額しか使えません。
トラベラーズチェックは、事前に購入した額面分しか使えませんし、海外プリペイドカードは原則として、事前に入金した金額しか使えません。
ただし、海外プリペイドカードの場合、スマホから追加入金することもできますし、家族に送金してもらうことも可能です。
トラベラーズチェック廃止後のお金の持ち方2
クレジットカード
トラベラーズチェック廃止後のお金の持ち方候補、次は「クレジットカード
です。
私も海外旅行に行くときには、メインカード1枚とサブカード2枚の合計3枚、クレジットカードを持って行くようにしています。
そのうち2枚はVISAとマスターカード、残り1枚はJCBだったりアメリカン・エキスプレスだったりします。
万が一の被害はクレジットカードの方が上
万が一、紛失や盗難の被害に遭った場合、被害はクレジットカードの方が大きくなります。
トラベラーズチェックを失くしたり盗まれたりしても、前述の通り、パスポートとサインのダブルチェックがありますので、第三者による不正利用の可能性はまずありません。
トラベラーズチェックは、所定の手続きを踏めば、未使用分の全額を再発行もしてもらえます。
一方のクレジットカードは、万が一落としたり盗まれたりすると、被害額が拡大しかねません。
海外旅行ではクレジットカードを多く利用することが想定されるため、出国前に利用限度額を上げている人もいるでしょう。
そうなると、被害はさらに拡大します。
カードは自分の手元にあるのにもかかわらずスキミングによってカード情報が盗まれ、カード情報は別のカードにコピーされ、不正利用されてしまいます。
気づかないうちに被害が拡大している可能性もあるのです。
利便性はクレジットカードが最強
利便性に関しては、あらゆるお金の持ち方の中で、クレジットカードが最も優れています。
トラベラーズチェックは、基本的に銀行や郵便局、街の両替所で現地通貨の現金に換金してから利用します。
トラベラーズチェックのまま使えるお店はあまりありません。
一方、クレジットカードならば、搭載されている国際ブランドのステッカーが貼ってあるお店ならば、世界中どこでも利用できます。
実店舗でのショッピングはもちろんのこと、ネットショッピングの支払いにもクレジットカードが使えます。
最近では、現地で鉄道や飛行機のチケットをスマホから購入する人も増えており、決済方法としてクレジットカードは欠かせません。
また、高級ホテルでは1泊分の宿泊料金を保証金として前払いするところもありますが、トラベラーズチェックで払ってもそれは同じです。
しかし、クレジットカード払いならば保証金を支払う必要がないことが多いです。
付帯サービスはクレジットカードならでは
決済機能以外に付帯しているサービスは、クレジットカードならではと言えるでしょう。
海外旅行保険やショッピング保険、航空機遅延補償の付いたクレジットカードも少なくありません。
JCBカードを持っていれば、ホノルルやパリなどの主要観光地にある「JCBラウンジ」を利用可能で、現地情報の取得や休憩に大活躍です。
日本語が通じるこれらのラウンジは、私も利用してほっとしました。
トラベラーズチェックにそのような付帯サービスはありません。
トラベラーズチェック廃止後のお金の持ち方3
国際キャッシュカード
トラベラーズチェック廃止後のお金の持ち方候補、最後は「国際キャッシュカード」です。
国際キャッシュカードは、もともとは海外のATMでも日本国内の自分の預金口座から現地通貨を引き出せるカードです。
最近ではそれに加えて、VISAやJCBといった国際ブランドを搭載することで、お金の引き出しだけでなくお店でのカード払いもできる「デビットカード」が普及しています。
お金の追加は国際キャッシュカードならば自由自在
トラベラーズチェックは、基本的に日本国内で購入してから出国します。
もちろん、現地に到着してから現地通貨建てのトラベラーズチェックを買うこともできなくはないのですが、時間と手間を考えるとあまり現実的ではありません。
私も、以前ユーロのトラベラーズチェックを使いきってしまい、最寄りの郵便局で購入しようとしましたが、すでに営業終了しており、結局別の決済手段に切り替えました。
一方の国際キャッシュカードも、基本的には出国前に口座内にお金をたっぷり入れておきます。
それでも使い切った場合、家族に頼んで自分名義の口座にお金を振り込んでもらえばOKです。
海外プリペイドカードの送金よりは、ずっと手続きが簡単です。
初心者にキャッシュパスポートをおすすめする理由
トラベラーズチェック廃止に伴う代わりの候補として、「海外プリペイドカード」「クレジットカード」「国際キャッシュカード」の3種類を紹介しました。
中でもおすすめなのが海外プリペイドカード、特に「キャッシュパスポート」です。
年齢制限がない
トラベラーズチェックは、パスポートさえ持っていれば何歳でも購入することができるため、初めて海外旅行に行く中学生や高校生にも重宝されていました。
クレジットカードは高校生を除く18歳以上、デビットカードは15歳以上でないと持つことができません。
一方のキャッシュパスポートは、発行するのに年齢制限がありませんので、トラベラーズチェックの代わりとしてはピッタリです。
スペアカードで万が一の時も安心
トラベラーズチェックが紛失・盗難の被害に遭っても、所定の手続きを踏めば再発行が可能ですが、手続きに時間と手間がかかるため、初心者にはハードルが高いです。
また、再発行までは当然トラベラーズチェックが使えません。
一方のキャッシュパスポートですが、メインカードと同時にスペアカードも発行されます。
メインカードが紛失・盗難の被害に遭っても、スペアカードが無事ならばそのまま旅行を続けられます。
お財布の中がスリムに
キャッシュパスポートは、1枚のカードの中に9通貨(米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、香港ドル、日本円、NZドル、カナダドル、シンガポールドル)を入金することができます。
もし9通貨のトラベラーズチェックを持って行こうとしたら、とても分厚くなってしまいます。
特にヨーロッパやアジア、オセアニアに北アメリカ内を周遊する人にとっては、複数の通貨を1枚で管理できるキャッシュパスポートは非常にスマートです。
家族からの送金もできる
日本で購入したトラベラーズチェックを使いきってしまったら、それでおしまいです。
現地でトラベラーズチェックを購入できなくもないのですが、時間と手間が非常にかかります。
一方のキャッシュパスポートは、現地でチャージ残高がゼロになっても、チャージしていない残高がある、あるいはインターネットバンキングにお金があれば、PCやスマホからキャッシュパスポートへのチャージが可能です。
もし、未チャージ残高がなく、インターネットバンキングも持っていなくても、心配いりません。
キャッシュパスポートは、「入金委任状の登録」を事前にしておけば、本人だけでなく親御さんがチャージをすることもできます。
私も含めて、トラベラーズチェックを留学や語学研修の時に持って行く人も少なくありませんが、現地の銀行口座を開設せずにお子さんへの仕送りが簡単にできるキャッシュパスポートは、親御さんがお子さんのお金を管理するツールとしても有効なのです。