モロッコ・マラケシュ「フナ広場」にて、もはや名物とも言える屋台のカタツムリをがっつり食べてきました。カタツムリ特有の食感に至るまで、詳細をレポートします。
こんにちは。ゲテモノ系は一年以上ぶりの挑戦になります、カイです。
モロッコを旅する旅人の間で有名なマラケシュ・フナ広場にあるカタツムリ屋台。
「カタツムリを食べずしてマラケシュ観光を語るなかれ」とさえ言われる、有名なカタツムリを実際に食べてきました。
カタツムリ屋台があるのはモロッコ中部の都市マラケシュ。
街は旧市街(メディナ)と新市街に分かれていて、世界遺産に登録されている旧市街の規模は北アフリカ最大級と言われています。
そんなマラケシュの観光の中心地なのがジャマ・エル・フナ広場。通称フナ広場です。
昔マラケシュが首都だった時代には公開処刑場として使われてもいたそう。
フナ広場の地図
フナ広場は旧市街の中心に位置していて、広場の周りにはホテルや土産物屋が狭い路地を埋めるようにならんでいます。
フナ広場を中心としてメディナの迷路のような路地を歩いていると、イメージ通りのアラブの生活を感じることができます。
また、フナ広場には屋台やジュース屋さんだけでなく、ヘビ使いや猿使いなど、ここでしか見ることのできない混沌とした情景を楽しむことができます。
そんなフナ広場が本領を発揮してくるのは日暮れから。太陽が沈みはじめると広場では夜の準備がいそいそと始まります。
すっかり日が落ちると、昼間の景色とは打って変わって広場全体が食べ物の屋台で埋め尽くされます。
広場の中心の方に海鮮や野菜の揚げ物やバーベキューなどを扱う屋台が軒を連ねて、その屋台を囲むようにオレンジジュースとカタツムリの屋台が並びます。
オレンジジュース屋台(右サイド)と同数並ぶカタツムリ屋台(左サイド)。
屋台の数が多い=需要がある、ということはきっと、おいしい!(はず!)そんな願いを込めながらいざカタツムリに挑みます。
どの屋台でも同じなのでしょうが、看板が可愛いのでこの屋台にすることにしました。でも可愛いというより若干、不気味。
カタツムリたちが苦しんでいるようにも見えるのですが、その点が少し不安を誘います。
ちなみに値段はお椀(大)が10ディルハム(約120円)、お椀(小)が5ディルハム(約60円)です。
席についてさっそく注文をします。
あたりを見回すと老若男女、多くの人々がお椀を前に美味しそうに食べています。人が集まる=おいしい、これは世界どこでも同じ。
びびっているのがばれないように大きな声でオーダーしました。
数秒で、お椀に山盛りになったカタツムリが運ばれてきました。
見た目は普通のカタツムリ。エスカルゴ…いや、カタツムリ。
どっからどう見てもそこらへんにいそうなカタツムリの山盛りです。これで10ディルハム(約120円)
カタツムリ自体はそんなに大きくないので、まだそんなに驚くビジュアルでもありませんでした。
机の上には殻入れがおいてあって、中には大量の殻が。こう見ると普通の貝のような気もしてきます。
カタツムリって一応、貝の仲間ですからね!
それでは、カタツムリいただきます!
とりあえず食べやすそうなのを選んで(食べやすいカタツムリの基準は謎)手に持ってみました。
触覚がはっきりと目視できます。どうやらカタツムリは触覚が4本あるようですね。初めて知りました。
ひっくり返してみました。触覚の間にいわゆるアヒル口をしたカタツムリの口と思われる場所を発見。
カタツムリは意外と可愛い顔をしています。
殻から引っ張り出してみました。サザエのツボ焼きを食べる要領で殻を回転させながらにゅるっと引っ張り出します。
少し予想していたことですが、殻を取ったらナメクジになりました。
じっくり観察をした後、さぁいざ食べるぞ、となったのですが、どうも最後の一歩が踏み出せない。
じっくりカタツムリの表情まで観察しすぎたせいで、どうやら脳が手に持っているものを食べ物と認識できなくなってしまったようです。
手に持っているものはカタツムリだぞ、と。カタツムリをお前は食べるのか、と。
本当にいいのか、と脳がアラートしてきます。
脳の拒否反応をごまかして、結局、えいやっと口に放り込みました…。
カタツムリを食べる際はじっくり観察などせず勢いのまま食べ進めた方がいいようです。
口にカタツムリを放り込んだ後、当然ながら噛んで飲み込みます。
茶色く濁ったスープにひたったカタツムリはかなり塩っ辛く、食感はなんとも言えません。
食感をあえて表現するならば、“カタツムリの食感”。もうそれしか言えないのです。これがカタツムリの食感なんだと納得するしかないのです。
歯ごたえはないけど、ねちねちと柔らかくてなかなか噛み切れない。結局飲み込むしかない。
これがけっこうな苦行で、さっきまで目の前にあったあのカタツムリが自分の口の中でねちねちしていると想像するとなんともいえない気分になるのです。
一匹食べれば満足だったのですが、お椀の中にはまだまだたくさんのカタツムリたちがいます。
2匹目以降はじっくり観察することなく黙々と食べました。
にゅるっと殻から引きはがし、口に放り込んで数回くちゃくちゃと噛み、何も考えず飲み込む。無心を会得した瞬間でした。
ちなみに、カタツムリを食べたあとは、塩辛い味と独特の食感ゆえに「口直ししたい・・・」という衝動に駆られます。
…でも、ご安心ください。
カタツムリ屋台の直ぐ後方にはオレンジジュースの屋台が満を持して待機しているので、カタツムリ屋台を出た2秒後には搾りたてオレンジジュースを注文することができます。
世の中うまくできているんだなと強く感じました。
こうして人生初のカタツムリを食べ終えたわけですが、ふと気になったのが、この大量のカタツムリたちはどこから来たのだろうということ。
他の旅人から聞いたのは、ホームレスや貧しい人が現金収入を得るためにそこらへんにいるカタツムリを捕まえて店主に売っているらしい、というもの。
もしこれが本当ならば、筆者は正真正銘のそこらへんにいたカタツムリを食べたということになります。
この噂をしばらく信じていたのですが、しばらくしてモロッコ人の友達に聞いてみたら、「そんなわけないだろ、ちゃんとした養殖業者がいるよ」とのことで、ほっとしました。
よかったよかった。あまり深くも考えてはいけないモロッコのカタツムリでした。
以上、モロッコ・マラケシュのフナ広場で食べられるカタツムリ、いかがでしたでしょうか。
ノリと勢いがあればわりかしさらっと挑戦できる類のゲテモノ料理かと思います。
ただ前に述べた通り、あまりじっくり観察することはおすすめしません。
見た目はしっかりカタツムリなので、あまり見すぎると食べるハードルが上がってしまうのは事実です。
観察せず無心になって食べる。これがモロッコのカタツムリを食べきるコツです。
美味しいか美味しくないかはこの際置いておいて、モロッコの食文化を楽しむんだー!という確固たる好奇心を持って、フナ広場のカタツムリに是非、挑戦してみてはかがでしょうか。
経験値としては、きっと面白いものになるはずです。
以上、モロッコよりカイでした。
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